〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 5/18(金) デリー うす曇り 朝の気温27℃ 魚座の星占い ネット2時間 昼食 デリーっ子の間では、屋上での凧揚げがはやっている様だ。 夕食は 合計 Rs.140 10:30頃外がさわがしいので窓から見ると、メインバザールを楽隊が行く。 〔5/18の支出記録より〕 ネットカフェ Rs.20 合計 Rs.530 |
【以下の解説は2009年10月16日のものです】
インドは元来占星術が盛んな国ではありますが、朝のテレビでは西洋式の星占いに基づく「今日の運勢」みたいなコーナーをやっていたりします。
で、魚座の私のこの日の運勢は、「ミンパレ、サンバルタン、カルチャーラン、ムシャパイ、ベラシ、コウシャクナン、ボウズルヌー」だそうで、これでは何がラッキーアイテムなんだかわかりゃしないのであります。
いつものようにネットカフェに行き、そしてコンノートプレイスのアメリカン・エキスプレスのオフィスと郵便局に行きました。
アメリカン・エキスプレスのオフィスに行ったのは、単純に持っていたトラベラーズ・チェックがアメックスのものだったためで、他で両替するより安心だろうという理由からです。
およそ観光客のいるところには、闇両替屋を含め両替の客引きがうようよいてうるさいほど声を掛けて来るのですが、なにしろこの頃の私は「声を掛けて来るのは悪いやつ」という信念の下に行動していたので、かたくなにアメックスの正規オフィスで両替をしていたのであります。
この時は100ドルくらいずつ両替していたのですが、100ドルというとだいたい4600ルピーになります。で、インドのお札はごく普通に流通しているもので500ルピー、100ルピー、50ルピー、20ルピー、10ルピーというのがあるのですが(実際にはその他に1000ルピーという高額紙幣や、5ルピー、1ルピーという古いお札も存在します)、当時は500ルピー札が不足していたのか、はたまた意図的に流通を抑えられていたのか(たとえば偽札の流通とかで)、両替の時にやたらと細かいお札(50ルピー札が多かったです)を渡され閉口したものです。なにしろ4600ルピーとはいえ、50ルピー札では92枚にもなってしまうのです。
でもって両替の額によっては、札束を渡されるなんてこともあるわけですが、その札束と来たら太いホチキスで両側からがっちり留められていて、それを外すのがものすごく大変だったのであります。
ホチキス留めを外すには、まず札束をほぼ半分に分け、それぞれの束をむんずとつかんで左右にねじりながら引っ張ります。こうすることによって、両側から打ち込まれている針をそれぞれの側に残して二つにすることができるわけです。
次にそれぞれの札束からホチキスの針を取り去ればいいのですが、もし固くて取れない場合は、先に少しずつお札を抜き取って行くとよいでしょう。
とまあそんなウンチクも、すでにホチキス留めの札束のなくなってしまった今のインドでは、まったく必要のない知識なのであります。
昼食はまたセントラルコテージ外のテラスで、チキンパイ(メモでは「チキンロール」)とファンタ(たぶんオレンジ)という内容。
なんだかマックに行かなくなったと思ったら、今度はパイばかりなのであります。
夕方よく凧揚げをしているのを見かけるようになりました。でもそれはただ単に今まで気付かなかっただけなのかもしれません。
とにかく夕方になるとあちこちで凧揚げをしている光景が見られるのですが、ゴミゴミしたメインバザール周辺では、みんな建物の屋上に上がって凧を揚げているのが面白かったです。
後に知ったことですが、インドでは凧上げは昔からかなり盛んに行われいて、特にこの時流行っていたというわけではなかったようです。
今夜も夕食にガーリックチキンを頼みました。まったく一度気に入るとそればっかり食べ続けるのは、私の悪い癖なのであります。(実は自分では決して悪いとは思っていません。むしろ「根気がある」と高く評価しております)
夜の10時半頃、急に外から騒がしい声が聞こえて来ました。
窓から外を窺うと、メインバザールの通りに建ち並ぶ建物越しに、夜空を明るく照らす塊が見え、それがゆっくりこちらに移動して来るところでした。そして騒がしい声も、どうやらそのあたりから聞こえて来ているようでした。その光景を見た時、私はとっさに映画「ガンジー」で見た暴動のシーンを思い出しました。それは手に手に松明を持った群衆が警察署を襲い、焼き打ちにしてしまうというシーンでした。
つまり私はその騒がしい集団が暴徒に思われ、ビビってしまったのであります。
しかしその集団が近づいて来るにつれ、ラッパや太鼓という、およそ暴動の時には使わないであろうと思われる音まで聞き取れるようになり、そこでようやく「コレハボードーデハナク、ナニカノマツリナノカモシレナイ・・・」と安心したのであります。
われらがホテル「Star Place」は、メインバザールの通りから少し横道に入ったところにありますので、部屋の窓から首を出しても、光と喧噪の一団はその路地を横切る時にチラッと見えるだけなのですが、それがまたより一層幻想的な光景に思え、なんだか夢を見ているようだったのであります。
夜のパレードもモンキーマンも、はっきりその姿が見えない方がいいのかもしれません。
つづく
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