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第68回:カッチ・ツアー / ホワイト・ランの夕陽

         
  • 公開日:2014年6月9日
  • 最終更新日:2022年6月20日
〔当時のメモより〕
*金額に関しては当時の1ルピー(Rs.と略す)のレートを約1.7円とお考え下さい。

2013年11月21日(木)ブジ 晴 夕刻27℃

完全に陽も沈み、薄暗くなってから帰路に就く。

途中でチャイ休憩 Rs.7

さらに道端に車を停め星空観賞
流れ星を見る。
まさに満天の星空とはこのことであろう。

〔以下メモに解説を加えて〕

2013年11月21日(木)ブジ 晴 夕刻27℃

完全に陽も沈み、薄暗くなってから帰路に就く。

ついにホワイトランに陽が沈む。東から暖かい風が吹いている。
いつもかばんにぶら下げている小さな温度計で確認すると27℃だった。

みんなと少し離れた場所で一人で夕陽を眺めていたのだが、ふとこのまま真っ暗になってしまったら怖いなと思う。
観光客を乗せて散歩していたラクダももう帰り支度をしているようである。
他のツアー参加者も車に向かって歩き始めた。車に向かう途中、白い大地に横たわる像があった。それは子どもを抱きかかえた女性の像で、結構大きなものである。
子どもを抱いているところからマリア像のようにも見えるが、もしかしたらヒンドゥー教がらみの神像かもしれない。
そんなことを思いながら眺めていると、その脇を通り過ぎて行ったインド人グループから一人の年配の女性が抜け出て像の所へ戻って行った。どうやら女性は像に向かって手を合わせているようである。
するとやはりあれは神像であり、女性は敬虔な信者なのであろう。
さすが宗教大国インドである。

と私はとても感心したのだが、よく見たら手を合わせているのではなく、携帯電話で写真を撮っているのであった。このバチ当たりめが!
って、そうなるとあれは神様とかそんなんじゃないのかもしれないな。

途中でチャイ休憩 Rs.7

車はすっかり真っ暗になった道をひた走り、一軒のチャイ屋に寄った。チャイ屋には椅子とテーブルもあったが、われわれは庭に置かれたチャールパイ(ベッド)に腰掛け、心地良い夜風に吹かれながらチャイをすすった。

さらに道端に車を停め星空観賞
流れ星を見る。
まさに満天の星空とはこのことであろう。

幹線道路とはいえド田舎カッチの大平原の真っただ中である。通る車も少なく、道端で空を眺めても充分星は見えそうなものだが、自然派志向のガイド氏はそれでは納得しない。
ガイド氏はわれわれを伴ってどんどん平原に踏み込んで行く。
道路から200~300mくらい入っただろうか、もう時折通り過ぎるトラックの音も気にならないほどの所まで来ると、みんなで地面に仰向けになって星空を眺めた。

なんてすごい数の星であろうか。
こんな星空を眺めたのは生まれて初めてである。

私は思わず夜空に向かってシャッターを切った。しかし私の安カメラでは、あれだけある星のただのひとつも写すことができなかった。
上の写真を見て星が見えたとしたら、それはあなたが見ている画面のホコリです。

そんな風にみんなでしばらく寝そべって星空を見上げていたのだが、雄大な大地と神秘的な星空という現実離れした状況とは裏腹に、私は「まさか毒蛇やサソリなど来やしないだろうなあ」ということにビクビクしていたのであった。

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