インドの列車の話です。
インドは鉄道大国で、インド全土に6万Kmを超える線路が張り巡らされています。
一口に「6万Km」と言ってもピンと来ないかもしれませんので具体的にご説明致します。
この距離はインドと日本を約5往復するくらいの距離にあたります。
また、地球を1週半する距離になるのです。
う~ん・・・まだ分かりづらいですか・・・
それなら・・・東京タワー約181,818本分と言うのはどうでしょう。
どうです、すごいでしょう。
まあ別に私がすごいわけではないのですが、こういう話はたいてい持ち出した人が自慢することに決まっているのです。
それではもう少し驚いて頂きましょう。
光のスピードは1秒間に地球を7週半します。とても速いです。
その光がインドの線路を全部走破しようとすると、7週半÷1週半=5、つまりは5分の1秒もかかってしまい・・・
なんだ・・・たったの0.2秒なのか・・・
せっかく我がことのようにインドの鉄道の長さを自慢しようとしたのに・・・0.2秒じゃな・・・
とにかく鉄道はインド人にとって、今でもとても大事な足なのです。
列車の種類もいろいろありますが、私たち旅行者が主に利用するのは特急列車でしょう。
インドでは特急列車には「○○EXPRESS」とか「○○MAIL」という名前が付いています。
「メール」というのはその昔、郵便物を運んでいたことから付いた名前のようです。
最近日本などでは「メール」と言うと「電子メール」のことを指すようになってしまいました。
でも、もともとは「郵便」のことですし、この例の様に列車を指すこともあるのです。
ですから、軽い気持ちで「そのデータ、メールに付けて送ってよ」なんて言ってしまうと、相手はデータの入った封筒を、列車に付けて送ろうとする恐れだってあるのです。
ましてや「メールください」なんて言おうものなら、その人は駅まで行って特急列車を包んでもらって来るかもしれません。
充分気を付けなければいけません。
必ず正確に「電子メール」とか「e-メール」とか言いましょう。
次にインドの特急列車のスピードの話をしましょう。
私が乗ったいくつかの特急列車で言いますと、最高速度はだいたい毎時80kmくらいでしょうか。
これは窓外を飛び去るマイル・ポスト(距離標識)と腕時計と電卓からはじき出された数字なので、まあ・・・あまり正確ではないです、はい。
これを平均時速で言いますと、早い列車でおよそ毎時60kmになります。
これは駅の停車時間も算定に入れておりますので、停車駅の多い列車はそれだけ平均時速も遅くなるということです。
そのくらいのスピードで、あの広大なインドの大地を走るわけですから、時間もかかります。
先日、これからインドに旅行に行くという人が私に旅程表を見せてくれました。
初めにムンバイに4泊、翌日デリーに1泊・・・
その人はムンバイ-デリー間の移動に列車を利用すると言っています。
ムンバイ-デリー間というのは、だいたい1,000Kmくらいあるんですよね、距離が。
その距離を平均時速60kmの列車で移動するのです。
つまり1,000÷60≒16.67となり、16時間半以上かかる計算です。
「列車ではその日のうちにデリーには着かないよ」と言う私の説明を聞き、その人はあわてて旅行社へと走って行きました。
なにしろすべてのホテルを日本で予約していたのです。
おそらく列車の中で過ごすことになるであろう夜の分も含めて。
しかも出発までもう1週間を切っていたのです・・・
インドは広いな大きいな!
列車の話はまた書きます。