この写真を撮影したのは、タージ・マハルの敷地内です。
しかしご覧になってお分かりの通り、これはタージ・マハルではありません。第一色がぜんぜん違います。
これはタージ・マハルに向かって左側に建っているモスクで、赤砂岩で造られています。
ちなみに左右対称を「美」とするイスラム様式で設計されたタージ・マハルですので、反対側(タージ・マハルに向かって右側)にもこれと同じ形の建物があります。ただしそちらはモスクではなく迎賓館と呼ばれているものです。モスクは礼拝する方角(メッカの方向)が重要ですので、さすがの権力者でも反対側にもうひとつモスクを造ることはできなかったわけです。
このモスクは現在も地域のイスラム教徒によって使用されている現役のモスクで、タージ・マハル本体がオーバー・シューズ(靴の上にかぶせるビニール袋)を着ければ靴のままで入場可能なのに対し、こちらのモスクではきちんと靴を脱がなければなりません。
ここのモスクも良く見るときれいな装飾が施されているのがわかるのですが、いかんせんタージ・マハルがあまりにも美しいもので、こちらに足を運ぶ観光客はとても少なく、それがためにあちらに座っているカップルも安心して愛がささやき合えるのであります。