ジャイサルメールの代表的なハーヴェリー(豪邸)二軒をササッと見て参りましたが、その他にも一般開放しているハーヴェリーはあります。
でも、ジャイサルメールの本当の実力はそんな特別な豪邸にばかりあるのではないのです。
城下の細い路地を歩けば、装飾窓のある家が次々と目に入って来ます。
それらはごく一般のお宅であり、当然今でもそこで生活をしておりますので、出窓の下には洗濯物がぶら下がっていたりします。で、です。
私が感心したのは、それらのすべてがただ単に古いものを大切に使っているだけではないということです。
確かに古そうに見えるものもあります。
でも、どう見ても「これ新しいよね」というものもたくさんあるのです。つまりジャイサルメールでは、昔ながらの黄色い砂岩を加工したものが、いまだに建材として普通に流通しているということなのです。
そしてそれは街並みの景観を整えるということだけでなく、技術の継承保存にも役立っているということになるわけです。
これは実にすごいことだと思います。
まあそれにはある程度お金の余裕がなければできないことでありましょうが、そんな伝統の装飾建材を使用しない家でも、鉄製のフェンスや扉はインドの伝統模様を取り入れたものになっていたりして、なかなかおしゃれで周りの景観にもぴったりマッチしたものとなっているのであります。もしかしたらジャイサルメールにも、古都保存法みたいなものがあるのかな?
*情報はすべて2010年3月時点のものです。