インドが誇る世界遺産のひとつに、クトゥブミナールという塔があります。
でも今回ご紹介するのはクトゥブミナールではなく、そのすぐそばに立つ一本の鉄柱なのです。
はい、この写真がその鉄柱なのですが、その製造目的など、あまり詳しいことは分かっていないようです。ただ、この高さ約7mの鉄柱はきわめて純度の高い鉄で造られていて、少なくとも1500年以上も前から、錆びることなくこの地に立っているということだけは確かなようです。
とまあ、基本的に分かってないことが多い鉄柱なのですが、なぜかこの鉄柱に背中をつけ、後ろ手で抱え込めると願いが叶うということは、インド人の間で広く知られているのです。
まあ願いなんてえものはそう簡単に叶うものではありませんから、この鉄柱を後ろ手で抱え込むという作業もなかなか難しいわけです。それゆえの「願掛け」なわけです。
私がここを訪れた時にも、たくさんのインド人がかわるがわる鉄柱に背中をくっつけ、なんとか抱え込もうと大汗をかきながら必死に挑んでおりました。
そんな光景を見ていると、お国は違っても人の思いというのは誰しも同じなんだなあと実感し、また永年錆びずにいた鉄柱が、人々の汗で錆びやしないかという心配もしてしまうのでした。
はい、私も挑戦しました。
で、いまだに宝くじが当たりません。
さて、実はこの写真はちょっと古い(1987年当時)もので、現在では鉄柱保護のために周りに柵がめぐらされているようです。なので今では願いを叶えるためには、柵を乗り越えると言う作業も加わってしまったわけです。まさしくハードルが高くなったということですね。
もしあなたがインドに行き、せっかくこの鉄柱の目の前まで行ったなら、どうしても後ろ手抱きに挑戦したくなるという気持ちはよーく分かりますが、柵を乗り越えてまでそんなことをしてしまいますと、警察によってあなたの手が後ろに回ってしまうかもしれません。
まあ、他人にはなかなかできないインド体験をするというのが、あなたの願いだったとしたら、それはまあそれでいいのかもしれませんけど・・・
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