10月2日はインド建国の父、マハトマ・ガンディーの誕生日である。
なので今回はガンディーにちょこっと関係する話をさせていただきたいと思う。
昨年(2016年)のアーマダバード滞在の折、念願かなってガンディー大学を見学して来た。
1920年、ガンディーはインド人のための大学を、グジャラート州アーマダバードに開校させた。
正式名称は「Gujarat Vidyapith」(開校当初は「Rashtriya Vidyapith」)と言う。ガンディーは学校の名前に自分の名を冠したりしないのである。
まあここではわかりやすく「ガンディー大学」と呼ばせていただくが、そのガンディー大学で長年勉強されていたK氏(日本人)が、いよいよ卒業され日本に帰国されるということで、最後のチャンスとばかりに迷惑をかえりみずお邪魔した次第である。
実はK氏とはそれまで面識がなかった。しかしまったくの見ず知らずというわけではなく、共通の友人であるインド在住のM氏を通じてメールでのやり取りはあり、また何年か前にはお煎餅の差し入れをしたり(残念ながらその時は都合が合わずお会いできなかった)、逆にこちらの仕入れを手伝っていただいたりという間柄なのである。
とにかく昨年ようやくお会いすることができ、さらにガンディー大学の構内をあちこち案内していただきながら、本や映画だけではわからないガンディーに関するレクチャーを受けるという、もうガンディー好きにはたまらないひと時を過ごさせていただいた。
*その見学内容はまた別の機会に詳しくさせていただきます。
見学の最後に、構内のカフェテリアでチャイをご馳走になりながら、さらにいろいろな話をお聞きした。
私としては聞きたいことが山ほどあり、またK氏の話はどれも本当に面白く、つい時間の過ぎるのを忘れてしまっていたのだが、K氏は卒業間際ということもありなにかと忙しい身である。
そんな時、どこからともなくハヌマーン・ラングールという大きな猿がやって来て、傍らの柵にひょいっと飛び乗った。そしてK氏はその猿を見て、「あっ、もうハヌマーンが来る時間か」とつぶやき、次の予定へと移る時間が来たことを私に告げた。
ガンディーのトレードマークの一つに、愛用の丸い懐中時計がある。
あれはガンディーが約束の時間に遅れないようにするため、いつも持ち歩いていたものだということだが、さすがガンディー大学にいる猿である、時間にはなかなか正確のようだ。
私も夕刻の列車でアーマダバードを発つことになっていた。
本当に名残惜しくはあったが、K氏とは日本での再会を約し、ハヌマーンにうながされるようにしてガンディー大学をあとにしたのであった。
お忙しい中お付き合いいただいたK氏に、ここであらためて厚くお礼を申し上げるとともに、これからのご活躍を心よりご祈念申し上げる次第なのである。
本当にありがとうございました。
[dfads params=’groups=39&limit=1′]