〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 6/3(日) アンジュナ→マプサ 晴 気温32℃ 8時に起きる。 お茶を飲み、荷物を片付け、9:40 Check Out Sea Queen で朝食 Net Caffe Rs.88 リムカ Rs.12 路線バスに乗った。 14:20 マプサ到着 マプサの公設市場はほとんどの店が休みで、露店ばかりが目立つ。 |
【以下の解説は2009年11月20日のものです】
ビーチリゾート滞在は、たった二泊でおしまいとなり、今夜のパナジ発の夜行バスでバンガロールへと向います。だらだらできたのは中一日だけでしたが、それでもいい休養になりました。
チェックアウトの後、午後まで宿で荷物を預かってもらおうとしたら、なんと「部屋に置いておいていい」とのことでした。なんだ、これなら交渉次第でチェックアウトも延ばしてもらえたかもしれないなあ。
朝食を取りにシー・クィーンへ行きました。
結局アンジュナに滞在中はずぅ~とここで食べたことになりますが、なんせシーズンオフで閉まっている店が多く、そもそもあまり選択肢がないというのもあるのです。
アンジュナからはバスでマプサに出ることにしていたのですが、出発時刻は午後1時40分とまだだいぶ時間がありますので、まずはメールチェックとホームページへの記事の書き込みにネットカフェに行き、そこで1時間半ほど過ごしました。
それでもまだ1時間以上時間があったのですが、慎重な私はバスに乗り遅れることを心配して、宿に荷物を取りに行った後は、バスの発着場所のすぐ前の店でジュースなど飲んで時間をつぶしたのであります。まったく、日本にいるときは時間をつぶすなんてことはほとんどないので、こうして時間がたっぷりあるとどうしていいのかわかりません。これじゃあ海の他はなにもないようなビーチリゾートに、長期間滞在するなんていうのは無理ってもんです。あー、二泊三日でよかった。
やがて目の前のバス発着所(実際はただの道端ですが)にバスが到着し、制服は着ておりませんが車掌とおぼしき男の呼び込みに従ってバスに乗り込むと、一番後ろの席に陣取りました。出発までにまだ少し時間があるからか、乗客は私たち二人だけだったのですが、そこに車掌が近づいて来てさっそく運賃の徴収です。
Mくんの事前調査によると、ここからマプサまではひとり5ルピーとのことです。しかしその車掌は7ルピーだと言うのです。これはどちらかがウソをついていることになります。
まあこの場合、Mくんは徴収する運賃の金額を決定する権利を持っていませんので、ウソをついているのは車掌だという可能性が高いわけですが、かといって他に乗客が誰もいない状態では確かめようもありません。
ちょっと納得はいかなかったのですが、あまり強硬な態度に出てバスに乗せてもらえなくなると、オートリキシャか何かで行かなきゃならなくなり返って出費がかさんでしまいますので、そこはひとり7ルピーの運賃で手を打つことにしたのであります。
バスは予定より5分遅れて出発しました。結局ここからの乗客は私たちだけでした。バスは舗装されていない田舎道をがたごと進むのですが、道が悪いことに加え、バスのサスペンションも良くないようで、路面の凹凸がそのまま体に伝わって来ます。うっかり口を開こうものなら瞬く間に舌を噛み、歯ブラシを口に入れておけば、手を動かさずともあっという間に歯が磨けてしまうほどの振動なのです。
これはたまったものではありません。マプサまでは30分足らずとはいっても、この状態のままでは脳みそがぐすぐすになって、耳の穴から漏れ出て来てしまうことでしょう。
そこで私は、しっかり前方の風景を見据え、次に来るであろう揺れを予想し常に身がまえ、それでいて揺れには決して逆らわず、体をタコのように柔らかくしてぐにゃぐにゃすることで頭部を守ったのであります。さて、このバスには決まったバス停というものがないらしく、家が何軒かかたまって建っているところに来るとスピードを落とし、「バスが来たよ!さあ、乗るなら早く!」というようにクラクションをプップーと鳴らすのです。すると本当に路地から人が出て来て、バスに乗るからすごいじゃないですか。
そんな風にこのバスは、まるでハーメルンの笛吹き男のように、クラクションを鳴らしては乗客を集め、目的地目指して進んで行くのでありました。
マプサの市場は日曜ということで、たいていの店が休んでいて閑散としていました。
最後にもう一度あの金物屋の人たちに挨拶したかったのですが、それもできません。
きっとこの市場が普段通りのにぎわいで、金物屋のおっさんにひとこと挨拶できたなら、そんな風には思わなかったことでしょうが、なんだか寂しい気持ちが湧いて来てしまいます。
ああ、はたして次にここに来られるのは、いったいいつのことになるのでしょうか。
それとも、もう二度と来ることはないのでしょうか。
なんてことを思いながら、オートリキシャでパナジへと向かって行ったのであります。
つづく
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