この写真を撮影した場所は、タミル・ナドゥ州マハーバリプラム(マーマッラプラム)です。
マハーバリプラムは石の町です。
「石の町」とは比喩でもなんでもなく、本当に町のそこらじゅうに大きな石(岩?)があり、巨石に彫られたレリーフや彫像などが世界遺産にもなっているとともに、今でも町のあちこちから石を彫るノミと金槌の音が響く現役の「石の町」でもあるのです。
しかしそんな世界遺産にも登録されるほどの石造群を差し置いて、私がもっとも気に入ったのが「クリシュナのバターボール」と呼ばれる楕円形の巨石です。
クリシュナのバターボールはその球形のほんのわずかな接地面で、長年にわたり石の斜面にしっかり留まっているという驚愕のアンバランス物体なのですが、それだけに難しい説明など一切必要とせず、ただ「見ればわかる!」という単純さから、この町に滞在した一週間、毎日せっせと見に行くほど惚れ込んだのでありました。
で、この写真はそんなある雨上がりの夕方に撮ったもので、空の美しさとうすらでかい巨体のコントラストを狙ったものなのですが、考えてみたらそもそも「クリシュナのバターボール」を知らない人にはなんだかよくわからないポストカードになってしまいました。
ポストカードもやはりまた「見ればわかる!」ものでないといけませんね。