アカデミー賞8部門受賞の快挙を成し遂げた「スラムドッグ$ミリオネア」を観て参りました。
ストーリーに関しましては、よくあることですけど「原作(こちら参照)とはだいぶ違う」ということだけに留め、ごく個人的な感想をば書かせて頂くのでありますが、いやあ、映画が始まった途端、「おお!・・・インドだあ!」と感じまして、次第に「インドだインドだあ!」となり、さらに「インドだインドだインドだあ!」となったのでございます。
なんのこっちゃ?
とお思いのことと思いますが、つまりは映画館の大画面から放たれる画像はまさしく「インドだあ!」でありまして、大スピーカーから流れ出るセリフや音楽もまた「インドだあ!」というわけなのであります。ただこの感想はインドに行ったことがあるかどうかでだいぶ違ったものになるかもしれません。
さて、この映画はインドが舞台でインド人のみでストーリーが展開されて行くのですが、実際は「イギリス映画」でありまして、まあかつての宗主国とはいえ外部の人間が作った作品なのであります。そんなこともあってか、インド人からは「スラムなんてものを強調しやがって、なろー!」という批判の声も上がっているのでありますが、私はむしろそこではなく、別のところがちょっと気になったのであります。
その気になったところというのは・・・
この物語はテレビのクイズ番組「Who Wants to Be a Millionaire?」(日本では「クイズ$ミリオネア」ですね)が中心となって進行して行きます。
で、問題はですね、その番組を進行させる司会者(アニール・カプールというインドでは有名な俳優さん)がちょっと意地悪なのですよ。
そりゃあまあ映画でありますし、あくまでもフィクションですので、どんなアコギなことをしてもいいと言えばいいのですが、そのクイズ番組と言やああーた、インドでは「Kaun Banega Crorepati」という題名で実際に放映されているものでありまして、しかも司会は大スターにしてインド国民の英雄的存在と言っても過言ではないインド映画界の重鎮アミターブ・バッチャンとシャールク・カーンが歴任するという人気番組なのであります。(こちら参照)
そんな番組の司会者を意地悪に描いてしまうというのは、なんだかちょっとインド国民に対するボートクになってしまうのではないかとね、そんなことを危惧してしまったのであります。
あっ・・・
決して日本の「クイズ$ミリオネア」に置き換えて考えてはいけませんよ。司会者の格がぜんぜん違いますから。
なのでこの映画を観に行く時は、日本の「クイズ$ミリオネア」を頭の中から完全に払拭してからお出かけ下さい。
そうすればきっと「インド」を堪能できることでありましょう。
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