久しぶりにインドに行ったので、懐かしのインドの味「カンパコーラ」を飲んでみた。
場所はニューデリーの中心地コンノート・プレイスの南側にあるシャンカール・マーケットのさらに奥、かつてのカンパコーラ本社跡の片隅の売店である。まずここでカンパコーラをご存じないという方のために、カンパコーラとはなんぞやということを簡単にご説明申し上げよう。
カンパコーラはかつてインドが経済鎖国状態にあった時、一度はインド進出を果たしたものの、その後国外退去になったコカコーラの後釜にちゃっかり座ったインド国産のコーラである。
なので当時はインドでコーラといえばカンパコーラしかなく、男は黙ってカンパコーラ!若さだよ、やまちゃん!という時代であった。
しかし時は流れて90年代初頭、インドの経済開放に伴い「待ってました!」とばかりにどっとなだれ込んで来たコカコーラやペプシコーラの大軍勢の前に、カンパコーラはあっという間に市場から姿を消して行ったのである。
ああ、所詮カンパコーラは規制に守られることによってのみ生存が許された存在であったのか・・・
ところが一度インドの大地に根差したカンパコーラはそんなに弱くなかった。
確かに市場から駆逐され一度はすっかり姿を消してしまったが、その後復活していたのであった。
*こちらにもカンパコーラの記事があります。
まあ復活と言ってもかつての栄華を取り戻したわけではなく、デリーでは本社跡地でつつましく販売をしているだけなのだが、今回3年ぶりに飲みに行って驚いたのは、容器がペットボトルになっていたことであった。もっとも3年前も大きいサイズではペットボトルもあった。しかしその場で飲むサイズとしては、ビン入りの300mlのものだったのである。
それが今回は250ml入りというかわいいペットボトルでのご登場である。
つまりそれはカンパコーラもしっかり時代の流れに乗ろうとしていることの表れであり、「今後もまだまだやりまっせ!あんじょうよろしゅうに!」と言っているのである。
う~ん・・・どうなんだろうなあ。
確かにカンパコーラが無くなってしまうのはとても寂しいけれど、だからといってメジャーになって欲しくもないというのが私の正直な気持ちなのである。
まあそれはC級アイドルを応援するような気持ちに似ていて、カンパコーラにはレトロ感とマイナー感を求めているわけで、あんまり本気になって欲しくはないんだよなあ~
私はカンパコーラのパンチのない炭酸と甘みを味わいながら、そんな自分勝手なことを思ったりしたのであった。
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