私はインドに行く時には、比較的運賃の安いエア・インディアを利用しているのですが、運行スケジュールがよく変更になるのには閉口させられます。
特に2005年11月と2006年5月には、帰国便がそれぞれ12時間の遅延となってしまいました。
まあそもそも夜の9時頃出発の便ですので、12時間も遅れるとホテルで一晩寝られることになりますので、空港のロビーで延々待たされるよりマシかもしれませんが、インド滞在の疲れを背負ってたどり着いた空港で遅延を知らされると、その場でへたり込みたくなってしまいます。
さて、今回はそんな大幅な遅延が発生したときのことをご案内しようと思います。
ただしこれはあくまでもニューーデリー国際空港に於いて、エア・インディアの出発便(つまり日本への帰国便)が大幅に遅れ、もう一泊することになったケースでのことです。
まず空港では通常通りのチェックイン手続きが行われます。
所定のカウンターに並び、荷物を預けるわけですが、このとき注意しなければならないのが、一泊分の着替えを出しておくことです。
まあ翌日もまた同じ服を着て飛行機に乗るのも自由なのですが、あまり悪臭を放つようですと隣近所の人に迷惑となりますので、できれば預ける前(正確に言うと荷物のセキュリティーチェックを受ける前)に着替えを出しておきたいものです。
チェックインが終わったらエア・インディア係員の指示に従いましょう。
待つことしばし、やがて空港ビルの外に誘導されるやきたないバスに乗せられ、空港から一番近い「セントール・ホテル」に連れて行かれます。セントール・ホテルはちょっと古い感じはするものの、規模もそこそこあり、少なくとも普段こんな大きなホテルに泊まることのない私は、思わず「すげえ・・・」とたじろぐほどの格調を感じます。
セントール・ホテルは吹き抜けのロビーをぐるりと取り囲むように客室があります。私なんぞはもうこの廊下を歩いているだけで夢見心地になってしまい、心の中で何度も「ラッキー!実にラッキー!」と叫んでおりました。
まあ実際にはこの写真で見るより薄暗い感じがするかもしれませんが、一応安心して泊まれるクラスのホテルですので、まったく問題はありません。
客室は特に豪華というわけではなく、むしろちょっとくたびれた感じではありますが、ベッドも清潔ですし、お風呂のお湯もザバザバ出ますのでとても快適です。夕食と朝食も無料で食べられます。
私は一人でレストランに下りていって、エア・インディア提供の決められた食事をもそもそ食べる気にはなれず、勝手にルームサービスでタンドーリチキンとビールを頼みました。
しかし電話で応対したホテルのスタッフは、「飛行機の遅延で泊まってる方ですよねえ。でしたら下のレストランで食事を・・・」と抵抗するのでした。つまり私がエア・インディアの負担でビールを飲もうとしていると思ったようです。まったく、できたらしたいものです。
こうしてお腹も一杯になり、ほろ酔い気分で床に付けば、翌朝はちゃんとモーニング・コールがあり、ホテルのロビーまでバスのお迎えが来ていますので、結構快適に遅延ライフを過ごすことができるのです。
ところが、こんな風に航空会社の指示を待たず、勝手に行動してしまうとかなり大変です。
実は私は初めての大幅遅延の時、旅行保険を使ってホテルに泊まったのですが、空港から遠いホテルになってしまったこともあり、移動の時間がかかる分睡眠時間が少なくなってしまったのです。
しかも空港では保険会社に提出する遅延証明をもらうのに右往左往しなければならず、とてもとても大変な思いをしたのでありました。
飛行機の遅延は実に腹立たしいことではありますが、まあいくら騒いでも始まりませんので、そこはひとつ落ち着いて、運命の神に身を委ねてしまうのが一番良いようであります。
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