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2001年5月16日:インド人の底力 / デリー

         
  • 公開日:2001年5月16日
  • 最終更新日:2022年6月2日

インドな日々

2001/05/16 インド人の底力 デリー

インドの交通状況はすさまじい。

道に走っているものは乗用車、バス、トラック、タクシー、オートリキシャ、サイクルリキシャ、自転車などがある。地方都市に行けばこれに馬や牛、ヤギや犬が加わる。

これらがクラクションを鳴らしながらばく進するさまは圧巻だ。
初めてそれを目の当たりにした時は、永遠に道なんか渡れないのではないかと思ったくらいだ。

インドは昔イギリスの植民地だった影響でロータリー式の交差点が多い。
これは交差点の真ん中が左回りの一方通行の円になっているもので、つまりどの道から来た車もいったん円の中に入らなければならない。
そしてみんなでぐーるぐーる回り、遠心力で適当な道にはじき出されるというものだ。
それはうそだが、ある道からすぐ右側の道に行くにも、右折というものが許されず、大きいロータリーなどではぐるーとほぼ一周して来なければならないのだ。
なんだか罰ゲームみたいではないか。

こんな複雑な交通ルールの中をロータリーに入ろうとする車と出ようとする車が交錯しながら走っている。

前にも書いたように、普通の道でも我先にと割り込もうとする車や、逆に悠々と自転車をこいでいたりする人もいる。
もちろん場所によっては信号もあるし、信号が赤ならちゃんと止まる。
そしてこれが問題なのだが、青で発進するのだ。
なにが問題かと言うと、人がまだ横断してようが信号が青になったら車を発進させるということだ。
歩行者に対する心配りはクラクションを鳴らすということくらいだ。
私もデリー滞在二日目に横断歩道を渡っている最中に信号が変わってしまい、猛発進した車が私の前後を通りすぎていくという経験をした。

しかし、驚くのはこれで交通事故が意外と少ないということだ。
この一週間で見たのは自転車とサイクルリキシャの接触事故だけである。

サイクルリキシャは自転車の後ろに人力車をつけたような乗り物で、庶民の足である。
その事故もたいした事故ではなく、サイクルリキシャと自転車がすれ違いざまに接触した程度であった。
この場合、しばらく両者間で罵り合いが起こり、気が済んだところでお開きになった。
災難なのは接触の際の急停車で、前方に飛んでいってしまったサイクルリキシャの客である。

このような事を考察すると、インド人は飛び抜けて運動神経がいいということが分かる。
特に動体視力などはすさまじいほど良いのであろう。
きっと駄菓子屋の前などで見かけるピコピコとランプが点滅し「あたり」の所でうまく止めると景品の貰えるルーレートゲームなど難なくこなし、駄菓子屋のばばあに嫌がられるに違いない。
恐ろしきインド人!

これからもインド人の恐るべき能力に関してするどくレポートするつもりである。

あ!となりのインド人がこちらを見ている・・・
まさか、どんな文字も解読する力を備え、この文章も読み取っているのでは・・・

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