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2003年5月1日:パインズクラブ通信 第29号

         
  • 公開日:2022年8月6日
  • 最終更新日:2022年8月20日

暦の上では・・・

暦の上では五月です。
そしてゴールデンウィーク真っ只中です。
はたして何人の方がこのメルマガをリアルタイムで読んでいるのでしょうか?

さて、なにはともあれ「風薫る五月」です。
新緑に太陽がまばゆく照り映える季節なのです。
この季節にお出かけしないでいったいいつお出かけすると言うのですか? レレレのレ

そんなわけで、私も「みどりの日」に上野動物園に出かけて来ました。

初めに言っておきたいのですが、私はその日が「入場料無料」の日だから行った訳ではありません。そんな日に行かなくても小学生以下は無料なのです。

自慢じゃありませんが、私は食事中に時々うんこの話とかしてしまうので、「あんた最低!」と言われます。「最低」というのは「一番下」という意味なので、「小学生以下」ということです。ですからタダで入ってもいいのです。すごいでしょ。

実はちょっと前まで65歳以上の方も無料だったのです。
私もその日を夢見て生きて来ました。65歳になったら上野動物園に行きまくって、動物見まくって、入場ゲートを出たり入ったりしまくって、入場者数を上昇させまくったりしたかったです!はい!

それなのに、ああ、それなのに・・・

今では大人料金(600円)の半額、300円を払わにゃ入れんのです!
長引く不況はわしらの小さな楽しみすら奪ってしまったのですじゃ・・・
おいおいおい(←泣いているのですじゃ)

あー、違うぞ。何か違うぞ・・・

そうそう、「入場無料」だから行ったのではないと言うことを、強調しておきたかったのです。

さて、たまたま・・・本当にたまたま「入場無料」の日にぴったし当たった喜びを噛み締めながら入場ゲートを入った私なのですが、なんとそこには長蛇の列ができているではありませんか。

何の列かと見てみれば、おー、懐かしや、パンダを見る列ではありませんか。
あの警備員の名セリフ、「立ち止まらないで下さい!」も飛び出すありさまです。パンダブームの再来のような賑わいでした。

パンダを見るための列は、普段なにげなく通り過ぎてしまう「鳥のコーナー」の前を通って入場ゲートの間近まで迫っています。

当然列に並んでいる人たちは手持ち無沙汰なので鳥を見ます。
でもそれは、自分の今の境遇を忘れさせるための手段でしかありません。
会社で辛いことがあったとき、お酒を飲んで紛らわすのと同じなのです。
本当はパンダが見たいのです。
あの、目の周りが黒くて、毛がふさふさしていて、愛くるしい姿のパンダが早く見たいのです。
それなのに目の前にいるのは口をとがらせた鳥なのです。
こんなのは小学校の飼育小屋に行けば見られるのです。

そんなこととはつゆ知らず、普段気にかけてもらえない鳥たちは、目の前に並ぶたくさんの観客にうれしそうです。
その姿は普段お歳暮などめったに来ない家にお歳暮が届き、嬉しくてはしゃぎまわる子供のようで見ていてとてもふびんでした。
しかもそのお歳暮は、隣の家の預かりものなのです。

さて、そんな列に私が並ぶでしょうか。いえ決して並びません。
私はうまいラーメン屋に並ぶくらいなら、まずい店でもすぐに食べられる方を選ぶ人間なのです。

まだ開園間もない時間であるのにあの混雑です。
私は予定を変更してまず食事をすることにしました。

私は今回、動物を見ながら「昼間っからビール!」をするのが楽しみだったのです。本来は、もう少し遅い時間にゆっくりビールを飲みたかったのですが、こうなっては仕方ありません。うかうかしてたらビールを買うにも列ができてしまい、私の信条から「並んでビールを飲むよりも、すぐに飲める水!」ということになってしまいます。それでは「昼間っからビール!」の夢がまさに泡と消え、「昼間っから水・・・」になり、それじゃあ普段と変わらない生活になってしまいます。

まだ10時ちょっと過ぎでしたが、一番近いレストランに入って生ビールを頼みました。紙コップの生ビールが500円でした。ちょっと高い気もしましたが、今日は入場料の600円を払っていないので、言わばこのビールはタダ!ということになります。しかも差額の100円をもらってビールを飲めるようなものなのです。なんて幸せなことでしょう。お金をもらってビールを飲めるのです。

そうすると、一旦動物園から出て再入場すれば、また600円儲かったことになり、またタダビール、いえ、100円付きビールが飲めることになります。それを10回繰り返せば千円貯まり、100回繰り返せばなんと1万円も儲かるのです。

まったく笑いが止まらないとはこのことです。
でも、ひとつ不思議なことがありました。
もうすでに1回入園して1杯ビールを飲んだというのに、私のポケットには差額の100円が見当たりません。
いったいその100円は誰がくれるのでしょうか?

そんなことを考えながらビールを飲んでいると、すきっ腹にアルコールが回って来てしまいました。
とりあえずビール100杯とお小遣い1万円はあきらめることにして、動物を見ることにしました。なにしろまだ動物園に来て、ビールを飲むことしかしていないのです。

レストランを出ると前方になにやら黒山の人だかりが出来ています。
どうやらサル山のようです。

近くに行ってみたのですが、サルがよく見えません。
仕方がないので他人の肩越しにサルを盗み見てそれで終わりです。
こんなんでいったいいくつ動物が見られるというのでしょう?

結局サル山をチラッと見ただけで「東園」をあきらめ、正門から見て奥に位置する「西園」へと向かいました。

「西園」には「ふれあい動物コーナー」があって、ウサギやヤギなどの動物と触れ合うことができるのです。

私はその中ではヤギが好きで、とりわけその匂いが好きです。
ヤギは「山羊」と書くくらいでヒツジの親戚なのでしょうか、匂いがとても似ていて、あの匂いを嗅ぐとジンギスカン鍋を食べたくなるのです。

あー、ジンギスカンでビール飲みてぇ~

*このメルマガの後半へ続く

〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。

*このメルマガの前半からの続きです。

たどり着いた西園でも、「ふれあい動物コーナー」も長蛇の列、「夜の動物コーナー」も長蛇の列、爬虫類館もすごい人だかりといった具合で、ほとんど何も見られません。

しかたがないので人間を見ることにしました。

やはり小さな子供を連れた親子が多く、アベック(あ~、死語かな?)も負けじとたくさんいました。

小さい子供連れの親を見ていると、「ほら、あそこにカバさんがいるわよ」とか、「キリンさんの首は長いねぇ~」なんて子供に言っています。動物に「さん」を付けて呼んでいるのです。

まあ、親しみを込めて「さん」付けで呼ぶのはいいでしょう。
でもそれなら徹底してやってもらいたいものです。ひいきはいけません。

私の観察では、アイアイは呼び捨てにされていました。
みんな「アイアイさん」と呼ばず、「ほら、マー君見てごらんなさい。アイアイよ、アイアイ。お目目の丸いアイアイよ」と、身体的特徴は言うものの、アイアイさんと呼ばないのです。

それではあまりにアイアイがかわいそうではありませんか。
なぜなのかと考えたら、歌の影響だということが分かりました。
そうです、あの有名な「アイアイ」の歌です。

あの歌を歌うときは、なぜか「シェー」のポーズのように右手と左手を顔の上下で動かして、「アーイアイ、アーイアイ、アーイアイ、アーイアイ」と深夜番組のスポンサーCMのようにしつこくしつこく繰り返します。
しかも「アイアイ」を呼び捨てておいて、次に「おさぁ~るさぁ~んだよぉ~」と来るのです。

なんで本名の「アイアイ」が呼び捨てで、所属団体の「さる」が敬称付きなのでしょうか?
それは「あー、あなたが丸菱商事さんの岡田ですか。どうぞよろしく!」と言われているのと同じではありませんか。

よろしくない!断じてよろしくなんてできん!

そんな訳で、あのしつこい繰り返し作業が、幼児期の脳に刷り込まれてしまい、結果「アイアイさん」と呼べなくしていたのです。

これを防ぐには、最初の「アーイアイ」の次は「サーンサン」とすれば良いのです。
つまり「アーイアイ、サーンサン、アーイアイ、サーンサン、おさぁ~るさぁ~んだよぉ~」とするのです。

こうすれば、今まで日の当たらなかったふびんなアイアイにも、光が差し込むというものです。

あっ、アイアイは夜行性でしたっけ・・・

♪あぁ~い、さんさんとぉ~、このぉ~身に、受けてぇ~

それでは、また来週!

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