ここは水郷の町アレッピーです。コーチンから急行バスで約2時間で到着しました。
しかし私はバスが走り出してわりとすぐお腹が痛くなってしまい、額にねっとりあぶら汗を浮かべ「早く着け、早く着け」と念仏のように唱えながらの移動でしたので、実に長く感じました。
でもまあ途中下車もせず、こうしてアレッピーの地を踏むことができました。
あとはできるだけ早く宿を決め、トイレに駆け込むだけです。
インドでは駅やバスターミナルには必ずホテルの客引きがいて、到着するやいなや素早く近寄って来ては、頼んでもいないのにホテルのカードを見せてしつこく勧誘をしたりするのですが、ここアレッピーの客引きはなかなか紳士的で、まず「ハロー」と声を掛け相手がそれに応じると、そこでようやく勧誘を始めるのでした。
結局3番目に話を聞いた客引きが、こちらの条件に合いそうな宿の情報を持っていたので、連れて行ってもらうことにしました。
大きなホテルの角を曲がり路地に入った先に、その宿はありました。しかしその路地はあまりに狭く、また角のホテルの前に座っていた男が、こちらを見て無言で手を胸の前でクロスさせるので、「むむ、これはあやしい宿に連れていかれるのでは・・・」と少々警戒したのですが、まあまだ日は高いし、嫌なら他へ行けばいいのだからと、素直に客引きに従い、なんだか懐かしい感じの門をくぐったのであります。宿は二階建(一部三階もあるようでしたが)で、初めは一階の部屋を見せられました。しかしそこはちょっと薄暗くて陰気な部屋だったので難色を示すと、今度は二階の奥の角部屋に案内されました。インドでは必ず部屋を確認するのはもちろん、少しでも気になることがあったら主張しなければいけません。そもそも宿側でも「なるべく悪い部屋」から見せるのですから。
部屋代はあちらの言い値の900ルピーに対し700ルピーを提示すると、あっさり800ルピー(約1600円)に下がりましたので、それで手を打つことにしました。
まあすでにシーズンオフに近い時期でしたが、部屋も広いしエアコンも付いていますし、妥当な値段じゃないでしょうか。あっ、宿の名前は「KTCゲストハウス」です。この時は知りませんでしたが、地球の歩き方にも載ってる宿でした。
余談ですが、宿の人(オーナーかな?)から次の目的地であるクイロンの宿を紹介してもらったとき、「いいか、絶対見知らぬ男(客引き)にのこのこ着いていっちゃダメだぞ」なんてことを言われましたので、「ここにも見知らぬ男に連れて来られたんだけど・・・」と言うと大爆笑になりました。
みんな自分だけは「いい人」なのです。
まっ、この宿の人たちはなかなかいい感じの人ではありましたけど、相手によって態度が変わるというのはインドではよくある話ですので、やはり「見知らぬ客引き」にはのこのこ着いて行ってはいけないのかもしれません。
でも少なくとも私には、インドに「顔見知りの客引き」なんていませんけどね、あはは。
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