暦の上では・・・
お彼岸です。
そして春分の日です。
関東地方では夕べはかなり強い風が吹きました。
ニュースによると30mを超える強さだったようです。
この強風でスギの花粉が全部どこか遠くに飛ばされてしまえばいいなと願う私です。
というわけで春なのですが、春のつく言葉に「球春」なんてのがあります。
タマのハルということなのですが、ではその「タマ」とはいったい何のタマなのでしょうか?
卓球?
琉球?
地球?
どれも違います。
はい、この「タマ」は野球の「球」なのですね。
では、その意味を正確に知るために、ちょっと広辞苑を引いてみましょう。
きゅ・・・
きゅ・・・
きゅう・・・
きゅうしゅん・・・
九春・・・
急峻・・・
急所・・・
・・・
あっれえ? おっかしーなあ?
ないですねえ、私の持っている広辞苑には。
でもパソコンの漢字変換では出るんですよねえ・・・球春、ほらね。
まあいいです。
ただ野球の話題に移りたかっただけですから。
野球の話題とは、ワールド・ベースボール・クラッシックのことです。
日本はメキシコに勝ったものの、アメリカ、韓国に敗れ1勝2敗です。
どちらも1点差での惜敗であったのですが、その勝敗を分けたものとは、いったい何だったのでしょうか。
ニュースなどで報道されておりますが、韓国の選手たちには兵役免除という特典が用意されているとかで、それが快進撃の原動力になっているようです。
もしそれが本当に日韓の差であるのなら、日本の選手たちにも勝利に対する特典を用意してあげるといいのではないでしょうか。
たとえば、駅のトイレで並ばずに入れる権利とか、メロンパンの外皮だけ食べても怒られない権利とか、スーパーの食品売り場でいつでも「50円引」のシールを貼ってもいい権利とか、なんかそんなのがあれば選手たちも「おーし!いっちょがんばるかあ!」という力がみなぎって来るのではないかとね、そー思うのであります。
次に日米の差なのですが、これはまあ「国力」「政治力」の差ですね。
アメリカという国は絶対に間違いを犯さない国です。
ルールは常にアメリカの周りに付き従って移動していますので、アメリカがルールからはみ出すことはないわけです。
まるで固定していない土俵で相撲を取るようなもので、いくら相手に押されても、かかとで俵を引っ掛けて後退するので絶対に負けないわけです。
というわけで、先日の「疑惑の判定」も、どーにもならないのであります。
いくらこちらが抗議をしても、聞く耳持たぁ~ん、なのです。
ですから、もうあのタッチアップシーンをテレビで繰り返し流すのはやめた方がいいです。むなしくなるだけです。
それより、王監督が抗議に出るシーン、あれはよかったですね。
頭の位置まで上げた指をくるくる回して、
「おっまえら、あったまおっかしーんじゃねーの?」
って言ってるようで、実にスカッ!としました。
というわけで、春の話題からぎこちなく野球の話題に移らせて頂いたのですが、最後はちゃーんと「ハル」の話題に戻って締めくくらせて頂きました。
えっ? どこが「ハル」かって?
やだなあ、「サダハル」じゃないですかあ。
*ここまで書いて、アメリカがメキシコに敗れたため、日本が準決勝に進むということが分かりました。 やったぞ!ニッポン!
では、ここからはインドの話題に入ります。
「インドではいったいどこに泊まったらいいのさ?その2」
えー、前回はインドのホテルの設備面を見て参りましたが、居心地の良さを決めるのは、なにも設備だけではありません。
では、設備以外でホテルの居心地の良し悪しを決めるものとはなんでしょう。
はい、それはホテルの従業員の質です。
高級ホテルなどでは従業員教育も徹底かつスタンダード化していますので、従業員各自のバラつきといったものも少なく、概ね「快適」な生活が提供されることと思います。
ところが、私がよく利用するような中級ホテル以下になりますと、教育も行き届いておらず、結構従業員の個性が出たりします。
しかもホテルの規模も小さいですので、自然従業員との接点も増え、そのあたりの人間関係で、滞在中の快適度はかなり左右されるのであります。
*このメルマガの後半へ続く
〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。
*このメルマガの前半からの続きです。
たとえば、妙に愛想がよく、一見気の利くボーイというのがいます。
こういうボーイは、必要なものをすぐに持って来てくれたりして、最初はなにかと便利なのですが、特に用がないときでも付きまとうようになり、だんだんうっとうしくなって来ます。
まあ、だいたいそういうボーイはチップが目当てですので、最初から「そんなものはやらん!」という態度を貫き、自分の荷物にも一切触らせず、客室になにか足りないものや不都合があっても黙って自分で解決してしまえば、そんなにうるさく付きまとわれませんので大丈夫です。
しかしこと私に関しては、いろいろたくさんの荷物を部屋に運び込んだり、またそいつを運び出したりしますので、どうしてもボーイを使うことになります。
まああげるのは10~20ルピー程度(日本円で30~60円ほど)なのですが、彼らにとってはなかなか魅力的な小遣いなのでしょう。しかも私は長逗留で、そういうチャンスが多いということもあり、だんだん私の動きに敏感に反応するようになり、時には部屋の外で待ち構えているときもあります。
こうなってきますと、部屋に居てもなんだか聞き耳を立てられているような気がして、うっかりオナラもできないのであります。
そうかと思えば、逆にすごく無愛想というか、まったくの無表情のボーイというのもいます。本当にニコリともしないのです。
そのボーイはダージリンの方からデリーに出て来た人で、顔つきはわれわれ日本人と同じような感じでした。さらにその顔は、知り合いの山本さんに似ていたので、私は以後彼のことをひそかに「ヤマモトさん」と呼ぶことにしたほどです。
そんな人でしたからちょっと親近感が湧き、初めてのホテルでしかも暗くなってからの到着だったにもかかわらず、ちょっと警戒感が薄らぎました。
ヤマモトさんはニコリともせず、私の荷物を持ち客室に案内してくれました。
しかし、フロントが一階にあるにもかかわらず、ヤマモトさんは階段を下りて行くではありませんか。
そうです、ヤマモトさんがニコリともしないで案内してくれたのは、地下室だったのです。
無表情でこんな仕打ちをするなんて・・・ひどい、ひどいわ!ヤマモトさん!
というわけで、私は当然強く抗議をし、それをヤマモトさんは無表情で聞いていました。
次に案内された部屋は4階の部屋でした。
しかしそこも窓がなく、穴倉のように薄暗い部屋でした。
またもや私は強く抗議をしました。なにしろ私はそのホテルに1週間以上も滞在する予定だったからです。
そんなたび重なる私の抗議に、ついにヤマモトさんの無表情な顔に、少しだけ変化が起こりました。なんと、困った顔をしたのです。ははっ!
それは無表情の帝王鉄仮面ヤマモトが、私の攻撃に敗れた瞬間でした。
そして私は、彼の心底「こまったなあ、この客」という表情に、人間としての「心」を見て取ったのであります。
「ああ、我も人なり、彼も人なり、コロ介なり。初めてのチュウ~!」
それから私は俄然ヤマモトさんが好きになりました。チュウはしませんが。
もちろんその後も山本さんの無表情は変わりませんでしたが、それがまたなんとも言えない味に思えてくるから不思議です。変に媚びないところが安心感につながるといったところでしょうか。
お蔭様でそのホテルでの滞在は、私にとって快適なものとなりました。
結局「快適さ」というのは、「安心感」に他ならないのでしょう。
日本から遠く離れたインドのホテルの一室で、どれくらい安心してくつろげるか、シャツとパンツだけでビールをかっくらって大イビキで寝られるか、安心してオナラをしたりハナクソをほじったりすることができるか、そんなことなのだと思う次第なのであります。
以上、インドのホテルに関しましてのわたくし的雑感でした。
あんまし参考にはならんでしょうなあ。ははっ!
【追記】
そのヤマモトさんに、先日再会しました。
それは前回のインドでのこと、エア・インディアの出発遅延でもう一泊したホテルでのことでした。
そのホテルは初めて泊まるホテルで、しかもいつも泊まるホテルよりだいぶランクも料金も高いホテルだったのですが、ヤマモトさんがいたのです。
確かにそこは、以前私がヤマモトさんに危うく地下室に押し込められそうになったホテルと同じ系列のホテルだったのですが、まさかそこに鉄仮面ヤマモトが居ようとは、お釈迦様でもご存知なかったのです。
再会はこんな風でした。
チェックイン後、部屋のテレビのリモコンがないことに気付いた私は、フロントにリモコンをもらいに行きました。インドではよくリモコンをチェックインの時にくれたりするので、それをこちらから受け取りに行ったわけです。
フロントまで行きますと、フロント係は別の宿泊客の相手をしていて、しばらく時間がかかりそうな雰囲気でした。
仕方がないので、フロントの横にぼぉーと突っ立っている従業員に頼むことにしました。
「あのお、テレビのリモコンが・・・」
と、そこまで言いかけたとき、私はようやく相手がヤマモトさんであるということに気付いたのです。
おお、おなつかしや、ヤマモトどのお~
久しぶりに見るヤマモトさんは、相変わらずの無表情でこちらを見ています。
ヤマモトさんは私の話を最後まで聞かず、その無表情な目をすっと下に向けました。
私も釣られて下に視線を移しますと、なんとヤマモトさんの手にはリモコンが握られているではありませんか。
しかし先ほどのヤマモトさんのたたずまいを見ますと、これからそのリモコンを私の部屋に持って行くところだったとはどうしても思えないのです。
なにしろ私が話しかけるまで、フロントの横でぼぉーと立っていたのですから。
なぜ?なぜヤマモトさんはここでリモコンを持ってぼぉーと突っ立っていたのでしょう?とても不思議です。
その無表情な顔と、あまりにもタイミングのいい対応に、またしても私はヤマモトマジックにかかってしまい、出発遅延でいら立っていた気持ちが、少し和らいでいくのを感じたのであります。
ヤマモトさん。
あんた、ある意味一流のホテルマンだよ。
また会おう!
そしてみなさんとも、また来週お会いしましょう!