フォート・コーチンの海岸を散歩していたら、足元の石に絵が描かれているのに気が付きました。
もしやこれは旧石器時代に描かれたものでは・・・上の石の絵はおそらく水牛を表したものでしょう。
そして下の石のこれは温泉のマークかな。
で・・・この小さいのはなんだろう? 一反木綿か?
こうした壁画ではフランスのラスコー洞窟のものやスペインのアルタミラ洞窟のものが有名ですが、まさかフォート・コーチンのマハトマ・ガンディー・ビーチにもあったとは驚きです。
目を足元から岸の方に移すと、壁に絵を描いているおっさんがいます。なるほど、これは野外アートなのですね。
おそらく市の観光課かなにかが主導して、殺風景なコンクリートの壁を絵で彩ろうというのでしょう。
だとすると先ほどの石の絵も、旧石器時代のものではないのかもしれません。
このおっさんがプロの絵描きなのかどうかは知りませんが、とにかくこんな豪華客船の絵をせっせと描いていました。
見たところこの絵からは特に強いメッセージ性みたいなものは感じられないので、たぶんおっさんがただ「いつか乗ってみたいなあ」と思って描いたのでしょう。なんだか少年のようです。
しかし昼間っからのんきにこんな絵を描いているようじゃ、豪華客船の船旅など夢のまた夢かもしれません。
せめて世界の船旅のDVDでも買えるといいなと思います。
その点こちらの絵はメッセージ性が強く出ています。首に蛇を巻いているのはヒンドゥー教のシヴァ神です。決して観光地で蛇を観光客の首に巻き、写真を撮らせて金を取る人などではありません。
で、その横にいるのはキリストでしょう。つまりヒンドゥー教の神様とキリスト教の救世主が仲良く並んでいるというわけです。
さらにその背後にはイスラム教の礼拝所であるモスクが描かれています。
ということでこの絵は「宗教の垣根を越えてみんな仲良くしようよな」との願いが込められているのであります。
NO WAR! そして NO PARKING!
さて、私は絵の良し悪し、特に芸術性の高低などはよくわからないのですが、要は絵なんてものは自分が部屋に飾りたくなるかどうかということが重要だと思っています。なのでもし誰かが何十億円もする絵を私にくれるといっても、その絵が自分の部屋に飾りたいと思えるものではなかったら、一旦もらってすぐに売り払うことでしょう。決してくれるというのを断ったりはしません。
そこいくとこの絵なんかはぜひ自分の部屋に飾ってみたいと思います。大好きな南インドの風景です。
豊かな水と椰子の林、丸みを帯びたフォルムのバスとオートリキシャ、腰布を巻いた男に民族衣装の女性。のどかでいいなあ~
しかしひとつ気になるのが、右の林がマスクをしていることです。
もしかしたらこれは大気汚染に対するメッセージなのかもしれません。
NO CO2! そして NO PARKING!
そんな壁画の並びにはこんなものもありました。そう、人魚です。しかしこれは単なる壁画ではなく立体彫刻のようになっているのです。
そこでぐっと近づいて、違う角度から見てみました。う~ん・・・
おっぱいはちゃんとその形に(人魚のおっぱいがどんな形なのか正確には知らないのですが)出来上がっているようですが、顔の凹凸がイマイチ手抜きだなあ・・・
まったく、作者の思いがどこにあるかが手に取るようにわかるというものです。
まあ強いて好意的に解釈するならば、これはビーチクリーン運動推進のメッセージとも受け取れる。
つまり・・・その・・・ビーチク(乳首の隠語)・・・に掛けてるって・・・ね
YES! BEACH CLEAN! そして NO PARKING!
さて、ここはそんな壁のアートだけではなく、木にもアートが施されているのです。このように木の幹をキャンバスにして、いろいろな絵が描かれています。中には木の形状をうまく利用して、動物に仕立てたものもあります。
これはシマウマでしょうか。とにかくこんな動物がいくつもいます。そんな中で秀逸だったのがこれです。折れた枝の根本部分を口に見立て、見事にチンパンジーに仕上げています。
しかし見れば見るほど何かを訴えかけているような表情です。
ん? 何が言いたいんだ? 戦争反対か? ビーチクリーンか? それとも駐車禁止か?
あー、なるほど・・・
樹木を大切に
ってか。
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