オートリキシャは元来た道をしばらくもどり右折しました。なんの目印もないような砂漠の中に分かれ道があることがちょっと不思議でしたが、四輪駆動のバギー車でもない限り、砂漠を自由に走るなんてことはできないわけで、やはり道は必要なわけですね。
と、そんな砂漠の脇道の途中で、突然オートリキシャは止まりました。
まさかこんなところで故障じゃないだろうな・・・
と、ちょっと不安になっていると、ドライバー氏は傍らの砂漠を指差して「おれの土地だ」と言いました。
私は初め冗談を言ってるのかと思ったのですが、どうもそうではないようです。どうやら本当にこのあたり一帯(どこからどこまでなのかちょっとわかりませんでしたが)を彼が所有しているらしいのです。さすがしっかり稼いでいるドライバー氏です。ちなみにこの写真は、「じゃあ『ここがおれの土地だぜ!』って感じで、こういうポーズをしなさい」と言ってやらせたものです。ははっ!
でもまあちょっと失礼かもしれませんが、こんななんにもない砂漠の土地を買って、いったいどうするんだろうと思ってしまいました。
するとそんな私の思いを察知したのか、ドライバー氏は「ほら、隣には大きなホテルができているんだ」と言います。
彼の指差す方を見れば、なるほどなかなかの規模のホテルが建っています。まあそれは「隣」とは思えないほどの距離がありましたけど。さらにドライバー氏は、「おれもいつかあんなホテルをここに建てるんだ」と言いました。
おお、それはすごいです。
いったいどのくらいの規模のホテルをどのくらいの予算で建て、そこにどうやってお客を呼ぶのかなんてことは私にはまったく見当がつきませんでしたが、そういう大きな夢を持っているというのはとても良いことです。
がんばれ!ドライバー氏!
きっとこの人ならそれを夢のままで終わらせるようなことはないのだろうなあと、思わせるだけの力強さがあるドライバー氏なのでありました。
*情報はすべて2010年3月時点のものです。