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2010年6月11日:メルマガ版「2010年インドの旅」第1回

         
  • 公開日:2022年8月19日
  • 最終更新日:2022年8月19日

今回のインドの滞在は約3ヶ月間でしたが、そのうちの2ヶ月を使ってインドをぐるっと回って参りました。ここではその旅の事を何回かに分けて書かせて頂こうと思います。

当初予定していた旅のコースはおおむねインド亜大陸を反時計回りに大きく周るというもので、それは2001年に行った旅のコースをなぞるという少々ノスタルジックな要素の入るものでした。つまり9年前に訪れた街にもう一度行き、かつてそこで感じたことを思い出したり、触れ合った人たちと再会できたらいいなあという、淡い期待を抱いての旅を想定していたわけです。

はてさて、そこら辺は実際にはどうなったのでしょうか。まあとりあえず始めてみましょう。

まず今回デリーから向かう街は、ラジャスタン州にあるウダイプールという街です。ウダイプールといえば、湖に浮かぶようにして建つ宮殿ホテル、その名も「レイクパレスホテル」で有名です。ウダイプールという名前を知らなくても、そのホテルの写真を見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。

*映画007シリーズの「オクトパシー」にも登場していますので、興味のある方はTUTAYAへ走ろう! TUTAYAじゃなくてもいいですが。

ウダイプールはデリーから南西に700kmちょっと離れたところに位置しておりまして、私が利用した寝台急行列車「MEWAR EXPRESS」の場合、デリーを19時5分に出発してウダイプールには翌朝の7時20分に到着します。つまり所要時間約12時間で丸々一晩かかるわけです。でもまあ別の言い方をすれば寝ているうちに着いてしまうわけで、そう考えると12時間の列車旅なんてあっという間なのです。

私がインドで列車に乗る時にいつも予約するのは、略称「2A」というエアコン付車両の二段ベット式寝台です。
インドの列車の等級は、エアコンの有無とともに、コンパートメント、二段寝台、三段寝台、椅子席などがあり、私の乗るクラスは上級と言える方です。

またインドの列車はよく遅れ、ホームで列車の到着を何時間も待たされたなんて話もよく聞く訳ですが、私はそれを少しでも避けるために、可能な限り始発駅からの乗車を心がけております。
まあ小さい駅ですとその駅始発なんて列車はないでしょうが、大きな都市の主要駅であれば、たいていその駅を起点とする列車があるわけです。そういう列車を選べば、少なくとも出発はほぼ定刻になりますので、途中いくら遅れが出ても、いつ来るのかわからない列車をホームで待つより精神的に、そしてエアコン車両に乗っていれば体力的にもずっと楽なのであります。

というわけで今回乗る「MEWAR EXPRESS」も、デリー市内に3か所ある長距離列車の発着駅のひとつニッザームディン駅というところから出発するものでありまして、しかもウダイプールが終着駅ということで乗り過ごす心配もないというとっても楽ちんな列車なのであります。

始発駅からの乗車の利点は他にもあります。たとえば出発時刻の15分前くらいには列車に乗り込めるので慌てなくて済みますし、途中駅から乗って来る人に先輩面できたりなんかします。まあオープニング・スタッフみたいな感じなのです。

とまあ基本的な列車の話はそれくらいに致しまして、列車の出発時刻よりだいぶ早い5時半頃ニッザームディン駅に到着した私は、まず駅の案内板で乗車する列車がどのホームから出発するのかを確認し、さらにそのホームをこの目で確認し、ついでに駅構内に設置してある体重計で自分の体重を確認し、それはもう念には念を入れて乗車の時を待ったのであります。

やがて列車がゆっくりとホームに入って来ました。
指定席券など持っていない人たちは、この時点で早くも列車に取りつき、どんどん中へ入って行って席を確保したりなんかしておりますが、その点私は慌てる必要はないわけです。
列車がしっかりと停まったのを確認してから、まず自分の乗車車両を見つけ出し、そしてその入口の横に糊で貼り付けてある乗客名簿に自分の名前が載っているかを確認し、それからようやく指定された席へ行くのです。

私の席は通路に沿って縦に(線路と平行に)設置されたベッドでした。
この席は個別にカーテンが付けられていて、プライバシーの保護にはとてもいい席なのです。ちなみに通路を挟んで反対側にある向かい合わせの4人用席は、通路側にしかカーテンが無いため、一緒の4人はそれぞれ寝顔を見たり見られたりしてしまうので、寝ながらよだれを垂らす人や、寝る時には昼間とはちょっと違った印象の顔になる人などは要注意なのです。

とにかく今回の旅のスタートは、始発駅から終着駅までの乗車で、しかも狭いながらも楽しい個室といった席に当たり、なかなかラッキーな門出となったのであります。

そこでようやくホッとした私は、車内販売のチャイ屋を呼び止め一杯もらい、甘く熱いチャイで気持ちをほぐそうとしたのですが・・・

なんとそれはチャイではなく、かなり塩辛いトマトスープだったのであります。

あー、甘いチャイで一息つこうと思ったのにい、しょっぱくてなんだか心がささくれ立つぜい!

つづく

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