関東地方も梅雨入りしたそうですね。
しかしこちらデリーは本日もピカピカに晴れ渡り、がぁ~っと暑くなりそうです。
さて、日々経済発展を続けるインドですが、それを象徴するような勢いでデリーメトロ(地下鉄)の建設が進んでおります。
私が前回来た時には、コンノートプレイスから東西に延びる路線は開通していなかったのですが、今回はそれが営業運転をしており、しかもかなり長い距離を走っているというので乗ってみました。
とは言え、あまり時間がなかったので、デリーの中心地コンノートプレイスから、私の定宿街カロルバーグまでの3駅間だけでした。
コンノートプレイス周辺は、完全に地下化されております。
まあ地下鉄なんだからあたりまえじゃん、と思われるでしょうが、デリーメトロの多くの部分は地上(高架)を走っておりますので、地下部分は珍しいのです。
コンノートプレイスには、そんな地下へと続く入り口が何箇所もあります。
私はAブロックという場所から地下へ入って行きました。
階段を一歩ずつ降りて行くに従って、地上の喧騒が薄れ、なんともいえない「秩序」のようなものが支配して行きます。およそインドでは考えられない現象です。
階段を降りきると、きれいな地下通路の前方に改札が見えて来ます。
その光景は「ここがあのコンノートプレイスの地下?」と疑いたくなるようなもので、インド人が歩いていなければ、ここがインドだなんて思えません。
しかし改札の前には検問所があり、荷物検査やボディーチェックが厳格に行われており、ここがテロ頻発の国インドであるということを改めて思い知らされるのであります。
検問を抜け窓口で切符代わりのトークン(コイン)を買います。カロルバーグまでは8ルピーでした。
改札は自動改札機で、このトークンで所定の位置に触れると、改札の遮蔽板が左右に開き、中に入れます。
コンノートプレイスからは東西と南北の2路線が出ていますので、よく確認して乗らなければなりません。
じゃあ、間違えて乗ったらどうなるかと言うと、また折り返して来れば大丈夫なんじゃないかと思います、たぶん。罰則などはよくわかりません。
さて、乗車予定の電車が来ましたので乗りましょう。
駅自体が地下なのでエアコンも効いていたのですが、電車の中は更に涼しく感じられました。
発車した電車はしばらく暗い地下軌道を進みますが、すぐに地上に出てしまいます。ここはコンノートプレイスから放射状に延びる道路で、周辺に家具屋さんがたくさんある通りです。
地上に出た電車は家具屋さんの近くを一瞬で通り過ぎ、すぐに高架になってしまいます。
高架上の車窓からは、デリーの街並みが一望です。
普段は見えない塀の中も良く見えます。
ほおほお、ここは学校だったのか。
おっ、プールがある。
なんて感じで、結構楽しい空中散歩です。
2駅目を過ぎると左手になにやら異様なものが見えて来ます。
実はこれ、だいぶ以前から建設が進められているハヌマーン神(ヒンドゥー教のサルの神様です)の巨大モニュメントなのです。
少なくとも5年以上は造り続けているそのモニュメントは、いよいよ仕上げの段階に入っていて、オレンジ色主体に塗られた全身の、その足元にのみ足場のやぐらが組まれているだけとなりました。
そんなモニュメントに、今だんだんと近づいて行きます。
私はもうかなり前から、この瞬間を心待ちにしておりました。
インドを代表するヒンドゥー教の神像の鼻先を、現代インドの誇るデリーメトロで通り過ぎるという、いわば「旧」と「新」との対面、歴史と進歩の調和、そして単なる物見遊山。
そんなことを言ってる間に、おっとお!
思っていたよりデリーメトロのスピードは速く、しかもハヌマーン像は電車の進行方向と同じ方を向いていたため、良く見えなかったぞお。
う~ん、これは帰りに期待だな・・・
カロルバーグという場所は、アジマルカーンロードという通りが中心になっています。その通りには、長さ1kmにもわたって商店がびっしりと並ぶ、それはそれはにぎやかな通りです。
デリーメトロのカロルバーグ駅は、そんなアジマルカーンロードの端っこにあります。
そこは商店街の中心となっている交差点から延々と歩き、あれ?なんだか急に寂しくなってきたなあといった感じのところで、小さな果物屋さんや食料品店があるだけのところなのですが、それがあーた、今度は一気に駅前になってしまったわけですよ、ええ。
そんなカロルバーグ駅に、私は今降り立ったわけです。
この一歩は小さいが、人類にとってはとても大きな一歩なのです。(よくわかりませんが)
しかしまあ快適な移動でした。
これがタクシーやオートリキシャでは、わずらわしい料金交渉から始まり、ほこりっぽい渋滞の中、けたたましくクラクションを鳴らしながら、じわじわと進まなければならないところを、すい~っと来てしまうわけです。
さぞかしタクシーやオートリキシャは打撃を受けていることでしょう。
そんなことを考えながら、高架のホームから地上に降りて来ますと、そこには客待ちのサイクルリキシャがたくさん止まっていました。
どうやら駅が商店街の端っこなので、メインの場所までの短距離移動という、新たな需要も生まれて来ているようです。
たくましきかなインド人!
では、私もサイクルリキシャで行って参ります。
「おい、ガッファーマルケットまで、行ってくんな」
えー、デリーメトロ小さな旅もいいのですが、昨日まで小出しにして来たリシュケシの旅はどうなったでしょうか。
では、こちらは時間の許す範囲で書かせて頂きます。
*以下「リシュケシで身も心も清らかに・その3」に転載
明日もメルマガは配信する予定ですが、内容に関しましては別のものになるかもしれません。何卒ご了承願います。
では、また明日!