〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 5/29(火) ムンバイ 曇のち快晴 気温30℃ 6:00頃起きる。 朝食はリンゴ2ヶ、ライチ1ヶ 11:30 Check Out ルームサービスの件でもめる。Rs.75払えと言う。 タクシーRs.40 荷物を駅に預ける。(7) 11:45 歩いてレオポルド・カフェへ 12:45 ネットカフェ 日本語のPC使用中。 5:00 インターネット終え、タクシーでヴィクトリア・ターミナス駅に Rs.30+5 リタイアリングルーム Rs.565/bed (A/C) との事で高い! やめる。 マックでポテトRs.33とコークRs.24 7:00からウェイティングルームで過ごす。 7、8であったが11、12と交換。 周りは外人だらけ。ドイツ人か中国人かスペイン人か、とにかく多国籍連合軍でうるさい。 〔5/29の支出記録より〕 タクシー Rs.40 合計 Rs.1,496 |
【以下の解説は2009年11月10日のものです】
いよいよムンバイを発つ日です。
お腹の具合もだいぶ良いようで、これならなんとか長時間の列車移動にも耐えられそうです。
私たちの乗る列車の発車時刻は夜の10時40分なのですが、このホテルは12時チェックイン、チェックアウトのホテルのため、アーマダバードの時のようにチェックアウト時間をずらすというような融通が利きません。まだ11時間もあるというのに、部屋を引き払って蒸し暑い街に出て行かなければならないというのは、体力の落ちている身にはちとキツイのであります。
そんな私にフロントの男は、まるで追い打ちをかけるように「ルームサービスの75ルピーを払え」と言って来ます。
なにが75ルピーだ、たわけめ!私はいつでもルームサービスの料理が運ばれて来た時にその場でニコニコ現金払いなのだ!
そのことをフロントの男に言うと、「ならばレシートを見せろ」と言います。
むむむ・・・そういえばこのホテルではレシートを貰っていなかった・・・これではチェックアウトの時の一括清算にしたと言われても仕方ないぞ。う~む、形勢はだいぶ不利だな・・・
とは思ったのですが、払ったものは払ったのだと言い張り続け、最後の頼みにと「じゃあルームサービスの男をここに連れて来い!」と言い放ちました。しかしその一方で、もしそいつが今非番でいなかったらおしまいだな・・・などと若干弱気になったりしていたのですが、レストランの厨房に確認に行っていた男が戻って来るや、「こちらの間違いだった」とあっさり認めたものですから一気に解決と相成りました。
この一件はこれにて落着とはなりましたが、面倒でもレシートはちゃんと受け取っておかなければいけないと再認識させられたのであります。
ホテルを出た私たちは、とりあえずタクシーでヴィクトリア・ターミナス駅まで行き、駅のクロークに荷物を預けることにしました。荷物の預かり賃はひとつ7ルピーでした。身軽になった私たちは、たった今タクシーで走って来た道をレオポルド・カフェまで歩いて戻り、そこで朝昼兼用の食事を取ることにしました。
先日ここでは、下痢が納まりかけていた体でマトン・ビリヤーニという炊き込みご飯を食べ、その夜再び腹痛を伴う下痢に見舞われてしまったため、今日はMくんご推薦の「レオポルド・スペシャル」というものにしました。
レオポルド・スペシャルはご飯の上に八宝菜のようなものが載せられた、まあ中華丼といった感じのもので、味もさっぱりしていておいしく、またお腹にも優しそうでした。
しかしこれからの長い移動を考えると、いきなりそうばくばくとも食べられず、誠に残念ではありましたが半分ほど残すことにしました。
その後たっぷり2時間以上をネットカフェで過ごしたのですが、時間はまだ午後5時、列車の出発までにまだ5時間半以上あります。特に他に行く所もないので、またヴィクトリア・ターミナス駅まで戻り、駅のリタイアリングルームにでも入ろうかと思い、その受付窓口を求めてあっちこっちウロウロしました。
リタイアリングルームというのは、列車を利用する人のためのホテルのようなものなのですが、ようやく探し当てた受付窓口では、「ベッドひとつで565ルピーです」と言われ、そのあまりの高さに度肝を抜かれ、すごすごと引き下がってしまったのでした。
さて、残りの時間をどうしましょう。そりゃあ他のインド人たちは、その辺のベンチや床で寝ていたりしますが、私は常にテロを警戒していますので、こういう不特定多数の出入りする駅などにはあまり長居をしたくないのです。(実際、不幸にしてこのヴィクトリア・ターミナス駅は、2008年のムンバイテロの標的のひとつにされてしまいました)
そこで仕方なく駅前のマクドナルドに行くことにしました。ここで「仕方なく」と言ったのは、もうマックはデリーだけで充分だと言うようなことではなく、実はこの何週間か前に、このマックが襲撃を受けていたからなのです。
その襲撃というのは、「マックでは牛脂が使われている」とのうわさから、牛を神聖視するヒンドゥー教徒が大挙して抗議に押し寄せ、その一部が破壊行為にまで及んでしまったというもので、まるで現代版セポイの乱みたいなのです。まったく宗教の力というのはおそろしいものでありまして、特に先鋭化した宗教関係の集団などに目をつけられたら、「ニッポン人は神聖なる牛をスキヤキにして喰ってるんだぞ!やっちまえ!」などとなる可能性も否定できないのです。
しかしこの時は特にそういう団体はおらず、また先日の襲撃の後遺症など微塵もなく、店はインド人の若者たちで混み合っていて、安心するとともにちょっと拍子抜けしてしまったのであります。
とまあ、そんなこんなでなんとか7時になりました。
でもまだ3時間半以上もあるじゃありませんか。
私はここでもうほとんど力が尽きてしまい、後は駅の待合室で過ごそうと、荷物を受け取り二階に上がって行きました。もうテロが怖いとか言ってられません。
待合室はかなり込み合っていて、床で寝ているインド人などもたくさんいましたが、なんとか椅子を確保することができました。この待合室は奥にシャワー室もあるのですが、私はタオルをしぼって体を拭くだけにしておきました。なんせ不用意に裸になったところにテロリストが来たらと思うと怖くて・・・
さて、ようやく私たちの乗る列車が入線して参りました。今回の列車も乗車駅が始発駅ということもあり、時間通りで助かります。
私たちの席は今回も向かい合わせの席の片側だったのですが、荷物を置いてホッとしたところで、席を交換してくれとの申し入れがありました。
相手は白人を中心とした多国籍と見られるグループだったのですが、どうやら彼らは私たちの向かい側の席と、通路を挟んだ二人掛けの席しか取れなかったようで、私たちにその通路を挟んだ席と交換してくれないかと言うのです。
なるほど、そりゃあ仲間同士で楽しくわいわい行きたいでしょう。私だってそんなグループの真っただ中に陣取って、つたない英語で会話に加わるなんてことは、拷問に等しい苦痛となるのは判り切っていますので、そこはまあ喜んで移動をしました。
移動した二人掛けの席は、なんだかちょっと狭いような気がしました。そこで手持ちの巻き尺で計ってみましたら、なんとシートの幅が45cmしかありません。シートは倒してそのままベッドとなりますので、ベッドの幅も45cmということになります。4人掛けのシートの下段の幅は60cm、上段は50cmですので、なんだか損をしたような気分ですが、まあ仕方ないでしょう。
とにかく今日は疲れたので早く寝てしまおうと、就寝の支度をしておりましたら、また先ほどの白人がやって来て、「申し訳ないけど、もうひとつ前の席に移動してくれないか」と言うのです。どうやら彼らのグループは4人ではなく6人のようで、4人掛け席のすぐ横の二人掛け椅子が欲しくなったようなのです。
やれやれ、これでようやく眠れると思ったのにまた移動か・・・でもまあひとつ前に行くだけだからと気持ちを静め、シートの下の鎖でつないだバッグの鍵を外している私の背中に、何かもう一言言い訳をしなければならないと思ったのか、その白人が「だって、私たちみんな英語を話す人たちなので・・・」みたいなことを言うのです。
くっそ! だからなんなんだ! じゃあお前ら漢字書けんのかよ!
あっ、やつらの仲間には中国人みたいなやつもいるんだった・・・
あーもう! みんな明日は寝過ごしてしまえ! なろー!
つづく
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