宿に荷物を置き、昼食を取るために街に出た。
旧市街方面を目指して行くことにするが、まずはジャムナガルで唯一とも言える観光スポット、スリ・バラ・マンディール寺院を目指す。
寺院はバススタンドの背後に広がる湖沿いをずっと東に行った果てなのでわかりやすい。歩いても15分足らずである。
もっとも前回はまったく情報を持っていなかったため、この距離をオートリキシャで行ったのだが。
湖沿いの道路はきれいに整備されていた。
しかし湖の中に浮かぶ博物館は修復中でやっていなかった。
博物館の入り口を過ぎた右側に、目指すスリ・バラ・ハヌマーン寺院はある。
この寺院ではなんと1964年8月1日からずっと神に捧げる歌が歌い続けられている。
私としては2013年以来の訪問だが、もちろんその間も(たぶん)途切れることなく歌い続けられ、この時も境内に入ると鐘や太鼓のリズムに合わせ、ありがたい歌が朗々と聞こえてきた。
境内には歌い続けられた日数を示す掲示板があり、グジャラート文字で「19094」と示されていた。
これを365日(閏年を無視して)で割れば、およそ52年以上(2016年時点)ということになるわけである。
寺院を出て、良さげな食堂を探しながら旧市街を進む。できれば肉が食いたい。
あちこち細い路地に入りながらくねくね歩いて行くと、ついに賑やかなバザールに到達した。
見れば美しいモスクもある。ということはこの辺りはイスラム教徒も多いはずなので、マトンなどの肉料理が食べられる可能性があるということなのだ。
ところがあるのは雑貨品を扱う店ばかりで食堂が見当たらない。
なのでさらにぐいぐい進む。
バザールのアーケードを抜けたところに、突然半円形をしたおしゃれな建物が現れた。なんだか異空間に迷い込んだようである。
しかしここでも求めるような食堂が見つからない。
これ以上宿から遠ざかりたくないので、ここで進む方角を西に向けることにした。
しばらく歩くと今度は立派なジャイナ教寺院が見えてきた。ジャイナ教徒は金持ちが多いので、どこの寺院もなかなか豪華な造りである。
そんな寺院の上空を爆音を轟かせ戦闘機が飛んで行く。おそらく街の西にある空港は官民共用なのだろう。戦闘機はまだ飛び立って間もないようで、引き込まれていない脚が肉眼でも見て取れた。
腹を空かせたまますでに一時間以上も歩き回っている。その間何人かに食堂(できれば肉が食べられる)の場所を尋ねてはその指示通りに行ってはみたのだが、不思議なことにことごとくたどり着くことができず、これはもう神様が「おまえ、肉を食おうなどと不届きなことを思うなよ。それどころか何も食えなくしてやる」と言ってるんだろうと観念した。
なのでせめて喉の渇きくらいは癒そうと、インドの清涼飲料水サムズアップを飲んだ。
ちなみに値段は250mlで15ルピー(約24円)である。
実は悪あがきにもこの店のおっさんにも食堂の場所を尋ね、この後そこも目指したがまたしても発見には至らなかった。
もう完全にまともな食事はあきらめ、パンとジャムを買って帰ることにした。
ホテル近くまで戻り、パン屋で1パック18ルピー(約29円)の食パンを買った。
で、当然パンだけでは食べられないのでジャムも買おうとしたら無いと言う。
おいおい、うそだろ。パン屋なのにジャムがないとはどういうことか。
するとパン屋のおっさんは道の向こう側の店を指差し「あそこで売っている」と教えてくれた。
教えられた店でいちごジャムを買う。一ビンでなんと60ルピー(約96円)もした。
そしてふと見ればこの店にも食パンが置いてあるではないか。なんだ、初めからこっちの店に来ていれば一度で用が足りたのだ。
明日の移動食にもしようとバナナも買うことにした。
果物売りのおっさんに10ルピー渡すと3本くれた。
結局まともな食事は昨日の昼に食べたフライドライスが最後となり、あとは明日の午後、ブジに到着するまで今手に入れた食糧で食いつなぐのである。
*情報はすべて2016年11月時点のものです。
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