まだ暗い中ホテルを出る。
バススタンドはホテルのすぐ前なので、暗い中でもそれほど不安もなく行き着けるのがありがたい。
まるで夜中のような暗さだが、これで時刻は6時30分である。11月ということもあるが、インドの一番西に位置するグジャラートはインド標準時に対して夜明けが遅い。
昨日このバススタンドでバスの時刻は調べておいた。
次の目的地は海沿いのドワルカという街であるが、7時発のドワルカ行のバスはすでに停まっていた。
まだ乗客は少ない。
ちょっと迷ったが、前から4番目の席に座る。
問題はバス賃を500ルピー札で払えるかどうかである。
なんでも政府か国営企業運営のバスでは高額紙幣も使えるということではあるが、これはグジャラート州営のバスなので微妙なところなのだ。
それにインドでは店でもどこでも釣り銭の用意などしていないことが普通なので、いきなり500ルピー札を出されても困るだろうと考え、前から4番目の席にしたのである。それなら他の乗客の出した小額紙幣が少しは溜まっているだろうと考えたのである。
結果から言えば、500ルピー札はなんの問題もなく使えた。ちなみにドワルカまでのバス賃は149ルピー(約240円)であった。
お釣りに関してはやはりなく、他の乗客からお金を集めるまで待たされたが、ちゃんともらえた。ただし端数(?)の1ルピーははぶかれた。
とにかく500ルピー札は使えたし、売店で買ったポップコーン(10ルピー、約16円)と水、それに昨日買っておいたバナナ(黒いビニール袋)もあるので天下無敵の気分である。
なお、今回のバスルートは以下の通りとなる。
定刻の7:00、バスは出発した。
7:25、バンタリ(VANTHALI)バススタンド到着。
バスはきれいな幹線道路を行く。やはりグジャラートのインフラ整備はかなり進んでいると実感する。
ちなみに白いタオルを頭に巻いてる男が車掌である。
7:49、マナバダール(MANAVADAR)バススタンド到着。
8:02、バントヴァ(VANTVA)バススタンド到着。
8:37、クティヤナ(KUTIYANA)バススタンド到着。
9:09、ラナヴァブ(RANAVAV)バススタンド到着。
料金所を通過し、高速道路のような道に入る。
これはラージコートとポルバンダールを結ぶ幹線道路である。
9:40、ポルバンダール(PORBABDAR)バススタンド到着。
このバススタンドは改修工事の着工が早かったのか、すでに新しいターミナルが運用を開始していた。
バスは依然として空いており、席を取られる心配もないので下りてみることにした。
新しいバスターミナルの新しいトイレに入る。トイレの入り口にはちゃんとトイレ番の男がおり、料金を聞くとおしっこは5ルピー(約8円)とのことであった。残念ながらう〇こがいくらなのかは聞き忘れたが、まあ10ルピーくらいであろう。
それにしても自己申告で5ルピー払ってう〇こをしたらどうなるのだろうか。トイレ番の男はちゃんと大小を嗅ぎ分け、後から差額を請求するのだろうか。
5分ほどの休憩でバスは再び走り出す。
ポルバンダールはかのマハトマ・ガンディー生誕の地である。
確かこの商店街を真っ直ぐ抜け、少し右に入ったところに生家があるはずなのだ。
ポルバンダールの街を抜けるとすぐに水辺に出た。
遠くにたくさんのフラミンゴが見える。インドにフラミンゴがいると言うと驚く人もいるが、本当にいるのである。
前回来た時には超満員のバスで田舎道を立ったまま揺られて行ったが、今回はがらがらに空いたバスが海沿いの道(と言っても海は見えない)を快調に飛ばして行く。
途中バスは道を外れてなにやら観光地らしき場所に立ち寄った。
自家用車なども何台か停まり人もそこそこいるが、いったいここは何だろう。
バスはそこで折り返し、元来た道に戻る。
戻り際に近くの山を振り仰ぐと、山頂に寺院らしきものが見えた。
しかしそれがなんだかわからない。
10:55、終点のドワルカまではもうそれほど距離もないはずなのだが、バスは休憩を取った。
外に出るとあらためて陽射しの強さを実感する。まさしく肌で感じるということである。
木陰で休んでいたおっさんが、ここに座れと言うので隣に座って休むことにした。もっともバスの中でもずっと座っていたのであるが。
おっさんは私に「チャイを飲むか」と聞いてくれた。ありがたい申し出だったが、いったいこの休憩がどのくらいのものなのかがわからないので、残念ながらお断りしてしまった。
結局休憩は5分程度であった。やはりチャイを飲んでる時間はなかったのである。
11:50、ドワルカ到着。
このバスの終点はドワルカのバススタンドだが、ドワルカの中心地に行くにはその手前で降りるのがいい。
3年前に一度来ているのでだいたいの様子はわかっているが、バスの運転手も車掌も行くべき道を教えてくれる。この道を真っ直ぐ、この方向にずっと進んで行けばいいんだと口をそろえて言う。
もちろんその親切はとてもうれしく何度もお礼を言って別れたが、勝手知ったる道と高をくくって歩いて行ったら道に迷ってしまった。
何事も謙虚な気持ちで接し、人の言うことにはちゃんと耳を傾けなければならないということなのである。
*情報はすべて2016年11月時点のものです。
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