〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 6/14(木) コーチン 雨/快晴/雨 気温29℃ 8時頃起き出す。 13:00 青空が広がっていた。 チャンス!! フェリーでフォートコーチンへ。 Rs.2 15分 チャイニーズフィッシングネットまでたどり着き、写真を撮ろうとポイントを探していると、一台のリキシャが止まり声を掛けられた。 |
【以下の解説は2009年12月11日のものです】
コーチン(コチ)という街は、地理的に見て3つの地域で構成されています。
まず私が滞在しているインド亜大陸の沿岸部にあるエルナクラムです。
この地域は鉄道も通っていて、市の中心部を成すもっとも賑やかな地域となります。
次にそのエルナクラムのすぐ前の海に浮かぶウィリンドン島です。ここにも鉄道が引き込まれていますが、この島は主に海上輸送の拠点になっている地域で、絶えず大きな貨物船が停泊していたり、たくさんのコンテナが積み上げられていたりします。
そしてそのウィリンドン島のさらに向こう側に、ウィリンドン島を大陸と挟むようにして横たわる半島部(とは言っても、大陸側とつながっているのは60kmほども南下したところです)があります。
この半島部には、さらに北端のフォートコーチン地区とその南のマッタンチェリー地区という二つの地域がありますので、行政区画的に言えば、コーチンは4つの地域があるということになります。
そのような地域の中で、一番見どころが多いところはといえば、やはり半島部ということになるでしょう。
まずフォートコーチンには、チャイニーズ・フィッシングネットと呼ばれる巨大な四手網の装置が、いくつも海に突き出すように設置されている場所があり、そこがひとつの観光スポットになっています。またマッタンチェリー地区には、あのヴァスコ・ダ・ガマが埋葬されたという聖フランシス教会や、かつてここに多数居住したユダヤ教徒の教会であるシナゴークなど、歴史的建造物があるのです。
で、私がコーチンでぜひとも見たかったのは、チャイニーズ・フィッシングネットでありまして、その巨大な装置でどんな風に漁をするのだろうか?というところに興味があったのです。
この日、午前中は雨が降ったり止んだりの天候でした。
私は2時間程をネットカフェで過ごし、午後1時ごろ外へ出たのですが、そこには先ほどまでとは打って変わって、スコーン!と晴れ渡った青空が広がっており、ギラつく太陽が「さあさあ!フォートコーチンに行くなら今だよ!」と誘いかけて来るのです。
なにしろフォートコーチンにはフェリーで行くのが一番(バスでも行けますが、かなり時間がかかります)なのですが、そのフェリーというのがあまり大きくない船だったので、天候の悪い時には乗る気になれないのです。
しかし今は ♪ 晴ぁ~れた空ぁ~、そぉ~よぐ風ぇ~ といった天候となり、絶好の航海日和というわけなのであります。
いざ行かん! 海の彼方へ!
さっそく私はフェリー乗り場へ行き、2ルピーの切符を買って船上の人となりました。
船には5、60人の乗客がいましたが、さすがに観光船ではなく日常の交通手段であるため、私みたいにワクワクしながら乗っている人は他にはいないようでした。
それでも快晴の海を船で往くというのは、とても気持ちがいいものです。
まるで梅雨の晴れ間のような強い陽光と、海からの心地よい風を全身に受け景色を楽しんでおりましたら、フェリーはあっという間にフォートコーチンの船着き場に到着してしまいました。時間にしてたったの15分。
まっ、所詮2ルピーの距離だからねえ・・・
ほとんどが地元の人と思われる乗客の後に従って下船し、そのまま真っ直ぐ歩いて行きますと、おおっ、ありますあります、写真で見たのと同じチャイニーズ・フィッシングネットが、いくつも並んでいるではありませんか。
私はチャイニーズ・フィッシングネットのすぐそばまで行くと、その巨大装置で実際に漁をしているところをしばらく眺めました。その時はたくさんあるチャイニーズ・フィッシングネットのすべてが稼働しているというわけではなく、そのうちのいくつかで漁が行われているといった感じでしたが、それでも数人の男たちの手によって巨大な網が上げられて行く様を間近で見るというのは、なかなか面白いものでした。
しばらくそんな風景を眺め、ではそろそろ写真でも撮ろうかと、ベストポイントを探してうろうろしておりましたら、目の前に一台のオートリキシャが止まり、後部座席に乗っていた青年が「日本人の方ですか?」と日本語で声を掛けて来ました。
声を掛けて来た青年はもちろん日本人で、久しぶりに日本人(らしき人)を見かけたので、つい声を掛けてしまったとのことでした。バンガロールでは同じような状況でシンガポール人に声を掛けられましたが、今度は私も日本人に見られたようです。
そしてその青年によれば、日本人に会うのも珍しいけど、この青空もまた珍しく、なにしろここに来て5日目にして見る初めての青空だということでした。
やはりこの「雨季の晴れ間」を逃さず行動して、実によかったなあ!ということなのであります。
つづく
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