インドやパキスタンでは、車は左側通行です。
これはかつての盟主国イギリスと同じ交通ルールなわけです。
で、今回の写真なのですが、これはなにも、私が車の中から後ろを振り向いて撮影したわけではありません。ワイパーやバックミラー、そしてバックミラーから吊り下げられた変なマスコット人形を見れば、「ああ、これはフロントガラス越しに見た前方の風景なんだなあ」ということが、お分かりになるかと思います。
そして、その風景の中に写る車たちが、みんなこちらを向いているのもお分かりになるかと思います。
さらに賢明なる皆様は、それらの車がみんなしてバックで向こうに走り去って行く光景ではないことも、お分かりになるかと思います。
なにしろここは左側通行の国なのです。当然彼らは左車線を前進して来る「正しき」車たちなのです。
私の乗った車は、街道沿いのドライブインで休憩した後、右折して一路デリーを目指そうとしていました。
しかしその道には中央分離帯があり、また悪いことにドライブインの周辺には中央分離帯の切れ目というものがありませんでした。
でもそのような場合は、一旦左折して、しかるべき中央分離帯の切れ目からUターンするというのが普通だと思うのですね。
ところがこのドライバー氏は、迷わず右折して反対車線を走り出したではありませんか!うわぁー!あぶなぁぁぁぁぁーい!
と、思わず驚いてしまいましたが、こうした「逆走」は、インドではわりとよく見かける光景なのです。
しかし実際自分が逆走車の車中から、こちらにバク進して来る車(特に大型車)を見たときの恐怖は、体験してみないとわからないものがありました。
この写真は、対向車とのチキンレースに負けた我が車が、路肩に避難したときに撮影したものです。
そしてドライバー氏が、変に英雄ぶる男ではなく、そんじょそこらのただの「チキン野郎」でよかったなあと思った瞬間でもありました。
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