インドの町ではよく昼寝をしている人を見かける。
バニヤンの大樹の木陰で寝ているなんて姿はいかにもインドっぽくていいのだが、誰でもそういう好条件で寝られるというわけではなく、特に都市部などではぶんぶん車の行きかう大通りの、幅1mくらいしかない中央分離帯で寝ていたりするので驚いてしまう。
いくら自然の少ない都会だからといって、なにもわざわざあんなに騒々しく、空気も悪く、そしてなにより危険な場所で寝ることもなかろうにと思うのだが、まあそれも各自の好みというやつなのだろう。
で、これもインドの街角でよく見かける昼寝風景なのだが、初めて見たときには何がどうなってるのかさえすぐに理解できなかった光景である。
それはサイクルリキシャ(自転車タクシー)の車夫の定番昼寝風景である。どうだろうこの姿勢。
頭こそ客を乗せる座席にあるものの、尻(腰)にサドルを当て、足はハンドルにかけているだけである。
これでは寝返りをうつどころか、ちょっとした揺らぎでさえ、バランスを崩してたちまち転げ落ちてしまうのではなかろうかと心配してしまう。
また落ちないまでも熟睡などとてもできるとは思えない。
とまあインドの町では、あちこちで昼寝をする人を見かけるので、つい「インド人は怠け者だ」なんて思ってしまいがちだが、連日40℃を軽く超す酷暑季のインドでは、昼寝くらいしないとやっていけないわけである。私も先日軽い熱中症(たぶん)になってしまったので、よーくわかるのである。
日本も暑さきびしき折、みなさんも可能な限り昼寝などして、体力を温存し無事に夏を乗り切って頂きたいと思う次第である。
ちなみに上のサイクルリキシャの車夫の写真は昨年11月に撮ったもので、デリーは大変さわやかな良い季節であったということを付け加えておく。
まあ一度身についた習慣は、季節の変化くらいではびくともしないのであろう。
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