〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時の1ルピー(Rs.と略す)のレートを約1.7円とお考え下さい。 2013年11月20日(水)ブジ 晴 27℃ 内部は割ときれいにされていて、インド人観光客もたくさん来ていた。 時計塔に昇るが、またかつての様な大地震が起きたらと思うと怖くて仕方なく、早目に降りる。 |
〔以下メモに解説を加えて〕
2013年11月20日(水)ブジ 晴 27℃
プラグ・マハルに行く
プラグ・マハルはイタリアン・ゴシック調で造られた宮殿である。泊まっているシティー・ゲストハウスからは、歩いてほんの3分ほどと非常に近い位置にある。
1865年に時の王ラオ・プラグマルジー二世によって建造が始まったが、王は完成(1879年)を待たずに亡くなり(1875年)、その名だけが宮殿に冠せられた。(マハルは宮殿の意)
入場料@Rs.20、カメラ@Rs.50
入場料は20ルピーだが、カメラ持ち込み料が別に50ルピーかかる。ビデオカメラはまた別料金(カメラより高い)となっているのだが、最近のデジカメはたいていムービーも撮れるし、携帯電話やスマホなどでも撮影ができるわけなので、はたしてその辺のチェックがどうなっているのだろうか。
と思っていたら、途中の部屋で若い男がカメラチケットの確認を求めて来た。
中にはチケットを買わずに撮影するけしからん輩もいるのであろうが、少々高圧的な態度が気になった。
内部は割ときれいにされていて、インド人観光客もたくさん来ていた。
2001年1月26日、ブジ近郊を震源地とするマグニチュード7.7の大地震が発生し、グジャラート一帯は甚大な被害に見舞われ、この宮殿もまた相当の損害を被ったのだが、さらに不幸なことに、2006年に何百万ルピーもの骨董品が盗難に遭い、またその他の宝物にもダメージを与えられたりと、一時はかなりの荒廃ぶりだったようである。
しかし一度傷んだ剥製は元に戻らず、かなり悲惨かつ不気味なまま展示されていた。
今はかなり宮殿の修復が進み観光客も増えて来ているようだが、かつてここを訪れた旅行者の記述に、王のコレクションである剥製の劣化がひどいとあった。
なるほど壁に掛かっている剥製を見れば、随所にひび割れが入りあまつさえハトまでとまっていたりする。まあ考えようによっては死んでる剥製よりも、生きているハトを大切にする方が正しいとも言えるが、しかそこれではせっかく修復しても、またかなりの速度で劣化してしまうのではないだろうか。
ダルバール・ホールと呼ばれるこの大広間は、2001年公開の映画「ラガーン」の撮影にも使われた(もちろん撮影は大震災前)とのことだが、ここも最近になってようやく修復されたようである。ちなみにここを見学していたら、係りの人がわざわざシャンデリアを灯してくれた。
おそらくそれも最近修復され、きれいに点灯するようになったのだろう。
そんなプラグ・マハルの中に一枚の写真が飾られていた。これはインド人ならまず知らない人はいないであろうボリウッド映画の大スター、アミターブ・バッチャンである。
アミターブ・バッチャンはグジャラート州の観光大使に就任し、観光PRに尽力している人でもあるが、かつてここを訪れた際に個人的にこの宮殿に興味を示し、ぜひとも修復すべしと進言したそうである。
これは余談であるが、ここで撮影された映画「ラガーン」では、バッチャンは出演こそしていないがナレーションを担当している。
時計塔に昇るが、またかつての様な大地震が起きたらと思うと怖くて仕方なく、早目に降りる。
そうした大物スターの働きかけもあり、この時計塔も修復された。しかし塔頂部にある鐘は固定されてしまっていて、もう鐘の音をブジの町に鳴り響かせることはないようである。ブジ随一の高さを誇る時計塔からは、ブジの町が一望のもとに見渡せ、わがゲストハウスも見えた。しかし持ち前の高所恐怖症の上に、ここがかつて大地震に見舞われた所となれば、いつにも増して恐ろしい気持ちになり、360度をぐるっと眺め回すやいなや、元来た螺旋階段を素早く降りて行ったのであった。
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