インドでは牛がとても大切にされています。
これはヒンドゥー教では牛が最も神聖な動物とされているからです。シヴァ神の乗り物も「牛」とされているほどなのです。
しかしその一方で牛は各方面で人間にこき使われています。
たとえばこの牛車がそうです。重い荷車を牽かされている光景は街中でもよく目にします。
また農村に行けば、鋤をつけられ牛が鞭打たれながら田起こしする場面なども見かけますし、おまけにミルクなんかもギュッと絞られちゃったりするのであります。
では、はたしてこんな扱いを受けている牛が、本当に大切にされてるのかよ?ってえとですね、そりゃあやはり大切にされているのですよ。
そもそもヒンドゥー教で「牛を大切にしなさいよ」というのは、牛ほど人間の役に立つ動物はいないからなのです。初めに「重宝」ありきなわけですよ。なにもヒンドゥー教の偉い人が丑年生まれの牡牛座のヒトで、「これからは牛をいじめちゃだめよん」などと決めたのではないのです。
なのでインドの人たちはこうして牛をこき使いながらも、ちゃんと心の中では感謝している(はず)のです。
なにしろ牛になにかあったら大変なわけですから。
世のお父さん方も家族から言われるでしょ。
「お父さんに万が一のことがあったら大変じゃない。
だからもっと大きな保険に入って、ねっ」
おそらく保険になど入っていないであろうインドの牛たちは、その点本当の意味で大切にされていることでありましょう。
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