前回は近距離の大都市間を結ぶ特急シャタブディ・エクスプレスをご紹介致しましたが、今回は長距離、まあ最低一晩は寝ないと着かないくらい離れた大都市間を結ぶ寝台特急ラージダニ・エクスプレスのお話しです。
とは言え、実は車内の様子がわかるような写真がありませんでした。
そこで車内の感じはこちらの絵でご覧頂き、だいたいの雰囲気を想像してみて下さい。このラージダニ・エクスプレスもシャタブディ・エクスプレス同様、インド国鉄の威信を掛けているところがあり、やはり他の列車を蹴散らしながらの最優先運行が行われているようで、ほとんど遅れが発生しません。
シートは2人掛けの向かい合わせ席(つまり計4名です)と、通路を挟んだ反対側に一人掛けの向かい合わせ席(計2名)があり、さすが広軌(レール幅1676mm)の幅広列車だなあと感心させられます。
*この客車の説明は「エアコン付き二等車」のものです。
またこの列車には毛布とシーツの無料サービスがありますので、寝袋や羽根布団セットなどを持ち込まなくて済むので助かります。
さて、列車が走り出すと(私が乗ったこの列車は19時35分発で翌朝着でした)すぐにミネラル・ウォーターが配られ、次いでこの写真のような軽食が配られます。内容はパンとスナックに紅茶程度ですので、確かに夕食にしてはちと寂しいのですが、私はインドでの移動時にはあまりたくさん食べないようにしていますので、正直これくらいでもう翌日まで充分なのです。
しかしインド国鉄が威信を掛けて運行しているラージダニ・エクスプレスが、こんな粗餐で許すはずがありません。
先ほどの軽食がまだ胃に残っているんじゃないかという頃に、いよいよ本物の夕食が配られるのです。
それがこれです。メニューは左側から豆のカレーとご飯、真ん中の緑色のがほうれん草のカレー、お好み焼きのようなパラータ、そして素焼きの壺に入っているのがヨーグルト(ダヒ)といったラインナップです。
これでもう完全に腹一杯です。寝しなに食べ過ぎるのは良くないと思います。
インド国鉄の威信は翌朝にも現れます。
まずようやく乗客が眠りから覚めようとする頃、古きイギリス植民地時代の風習ベッド・ティーが配られます。
まだちゃんと目覚めぬままベッドに半身を起こし、過ぎ行く車窓の景色をぼぉーと眺めながら飲む紅茶は、何とも言えない味わいがあります。
そして紅茶のお陰で頭も目玉もしっかり目覚めると、朝食が出て参ります。メニューは朝食らしく焼き海苔に梅干・・・のはずもなく、オムレツにトーストです。そりゃそうです。
こうして一晩を食うのと寝ることだけに費やした列車の旅も終りに近づき、やがてラージダニ・エクスプレスは目的地のホームにガタンゴトンと入線して行くのでありました。
おおきに。またお越しやす。(インド国鉄乗務員一同)
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