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2010年インドの旅・実録編:第21回 ムンバイ

         
  • 公開日:2012年10月9日
  • 最終更新日:2022年6月10日
〔当時のメモより〕
*金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。

2010年3月28日(日) ムンバイ 晴 気温30℃

列車の旅では珍しく良く眠れず、夜中2時頃からうとうとする程度で朝を迎える。

5時過ぎに本格的に起き出す。
周りの人はいつのまにか降りてしまっていてびっくりする。

トイレに行き荷物を整えているといきなりムンバイ・セントラル駅に到着した。予定時刻より15分も早い。あせる。

ホームをゆったり歩き、何人かのタクシーの誘いを断り、ローカル線への行き方を警官に聞いて移動。

朝の通勤ラッシュを恐れ一等を買う。Rs.41もしてしまった。

一等はガラガラ。さらに隣の二等もガラガラ。今日は日曜だった。

チャーチゲート駅で降り(終点)、体重計を見つけて写真を撮ったところに警官が通りかかり、「写真撮影は禁止だ」と怖い顔で言われる。
相手は4人で、リーダー格の警官がこちらを睨んだまま立ち去ろうとはしない。
そこでごまかす意味もあって体重計に乗ってコインを入れると動かない。困った顔をすると警官の一人が「もう一台の方でやってみろ」と言う。言われた通りにやってみるとちゃんと動いてカードが出て来た。そこでいつもより嬉しそうな顔でカードを見つめていると、ようやく警官たちも安心したように立ち去ってくれた。しかし一歩間違えば結構面倒なことになったかもしれない。要注意。

荷物を背負ったままチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅まで歩く。
少し方角を間違え時間がかかってしまった。

駅のクロークは以前より手続きが面倒になっていた。荷物をX線に通しスタンプを押してもらい、チケットかパスポートを提示しなければならない。

身軽になってホテルの下見をしてからインド門方面へ歩く。

レオポルドカフェで朝食

マトンサンド、オレンジジュース(生)、ネスカフェ 約Rs.300

たまたま座った席の横の柱にテロの時の弾痕あり。
他にもガラスや天井などにその時の跡が残って(残されて)いた。恐ろしいことだ。

【以下の解説は2012年10月9日のものです】

〔以下メモに解説を加えて〕

2010年3月28日(日) ムンバイ 晴 気温30℃

列車の旅では珍しく良く眠れず、夜中2時頃からうとうとする程度で朝を迎える。

常に眠りが浅く、毎晩三本立ての夢を見る私だが、寝台列車では規則正しい車輪の響きと適度な揺れで比較的よく眠れる。ところがどうしたわけか今回はダメだった。

5時過ぎに本格的に起き出す。 周りの人はいつのまにか降りてしまっていてびっくりする。

自分が終点まで乗るので周りの人もきっとそうだろうと決め込んでいたが、起きたら周囲の座席(ベッド)はほとんど空になっていた。もっともムンバイは巨大な街なので、その郊外に用事(帰宅も含め)がある人も多いであろう。例の娘さんの姿もビジネスマン風男性の姿もなかったが、まさか二人で駆け落ちしたんじゃ・・・んなわきゃないか。

トイレに行き荷物を整えているといきなりムンバイ・セントラル駅に到着した。予定時刻より15分も早い。あせる。

私は事前に乗車予定列車の運行時刻を調べておき、停車駅でその誤差を確認したりしている。これはまあちょっとした趣味であるので、「男のくせに細っけーなー」などと言ってはいけないのである。この時はそもそもひとつ前の駅からの所要時間が調べたものとまったく違っていて、誤差修正があまり意味をなさなかったのである。
ムンバイ・セントラル駅

ホームをゆったり歩き、何人かのタクシーの誘いを断り、ローカル線への行き方を警官に聞いて移動。

駅に着くとタクシーやオートリキシャの客引きが何人も寄って来る。そういう時に右も左も分からず不安そうな顔をしていると格好の餌食になってしまう。しかし私は初めから普通電車に乗り換えるつもりだったので、いつもよりゆったりと構えて客引きなど相手にしなかったのである。
ムンバイ・セントラル駅

朝の通勤ラッシュを恐れ一等を買う。Rs.41もしてしまった。

通勤型の普通電車なのに一等と二等があった。ムンバイの通勤電車の混雑ぶりはものすごいものがあるので、まだ7時前ではあったが、もみくちゃにされることと「こんな大きな荷物持って乗るんじゃねーよ!」と怒鳴られることを恐れ一等にした。料金の差がどれほどかは知らないが、まあ当然高額な一等の方が混雑が少ないだろうと思ったのである。
ムンバイ・セントラル駅

一等はガラガラ。さらに隣の二等もガラガラ。今日は日曜だった。

私の予想通り一等は空いていた。日曜の早朝ではあるが、仕切りの柵から垣間見える二等より確かに一等は空いていた。二等は席にちらほら乗客がいるが、一等には誰もいないのだ。私の予想は正しかったのである。
ムンバイの電車

チャーチゲート駅で降り(終点)、体重計を見つけて写真を撮ったところに警官が通りかかり、「写真撮影は禁止だ」と怖い顔で言われる。 相手は4人で、リーダー格の警官がこちらを睨んだまま立ち去ろうとはしない。 そこでごまかす意味もあって体重計に乗ってコインを入れると動かない。困った顔をすると警官の一人が「もう一台の方でやってみろ」と言う。言われた通りにやってみるとちゃんと動いてカードが出て来た。そこでいつもより嬉しそうな顔でカードを見つめていると、ようやく警官たちも安心したように立ち去ってくれた。しかし一歩間違えば結構面倒なことになったかもしれない。要注意。

インドでは鉄道とその関連施設は撮影が禁止されている。しかもムンバイは2008年11月の同時多発テロで、チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅が標的となり、自動小銃と手榴弾によって10名以上の命が奪われているのである。従って他都市の駅よりはるかに警備が厳しい感がある。あやしい外国人が駅構内で(それがたとえコイン式の体重計だとしても)写真を撮っていたら黙って見過ごすわけがないのである。ちなみに右のが動かなかったやつ。
ムンバイ、チャーチゲート駅の体重計

荷物を背負ったままチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅まで歩く。 少し方角を間違え時間がかかってしまった。

私が乗って来たアーマダバードからの列車はムンバイ・セントラル駅に到着し、その延長線上のチャーチゲート駅まで普通電車で移動して来たのだが、次なる目的地ゴア行の列車はチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅から出発する。なので宿はそちらの駅に近い方がいいと思い、まずはそこまで徒歩移動となった。チャーチゲート駅からチャトラパティ・シヴァージー・ターミナスまでは2kmほどの距離なのだが、古い大きな建物に囲まれ方向感覚が狂い、結構手こずってしまった。
ムンバイの朝の街角

駅のクロークは以前より手続きが面倒になっていた。荷物をX線に通しスタンプを押してもらい、チケットかパスポートを提示しなければならない。

チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅は、前出のテロ攻撃を受けた駅である。だが本来はそのイメージより、世界遺産に登録された壮麗なる駅舎があることで有名なのだ。しかしテロの影響は大きく、荷物ひとつを預けるにもいろいろ面倒になってしまった。 ところでこの駅の名前はちょっと長いので、現地ではその頭文字を取って「CST駅」と呼ばれることも多い。そこでここでも以後その表記にさせて頂こうと思う。
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅

身軽になってホテルの下見をしてからインド門方面へ歩く。

あらかじめガイドブックでピックアップしておいたいくつかのホテルの位置と、その雰囲気を外観からだけだが確認し、インド門へとまた徒歩にて移動する。というのもムンバイ中心部ではオートリキシャが走っておらず、それより高いイメージのあるタクシーにはあまり乗りたくないのである。それにタクシーはスピードも出るしドアもあるので、いざドライバーと交戦状態に入った時、飛び降りづらそうなので嫌いなのである(オートリキシャでも飛び降りたことはなんだけどね)。ちなみにCST駅からインド門までは約2.5km、歩いて30分といったところである。
ムンバイの朝の街角

レオポルドカフェで朝食

「レオポルド・カフェ」は外国人に人気のある1871年創業の老舗カフェ。ここも2008年のテロの標的となり大きな被害を受けた。
ムンバイのレオポルドカフェ

マトンサンド、オレンジジュース(生)、ネスカフェ 約Rs.300

アーマダバードでのマトンバーガーの味を求め、それによく似た「マトン・サンド」を注文した。ところが出て来たものはアーマダバードのものとは似ても似つかず、匂いのきつい固い肉の小片がパンに挟まっているだけで、うまくもなんともない。やはりああいうものは目の前で焼かれたアツアツのものを食すのが一番である。 「ネスカフェ」とはもちろんコーヒーのこと。インドで「ネスカフェ」は、コーヒーの銘柄のひとつのような扱いを受けているのだ。
レオポルドカフェの朝食

たまたま座った席の横の柱にテロの時の弾痕あり。 他にもガラスや天井などにその時の跡が残って(残されて)いた。恐ろしいことだ。

私はなにもここにテロの傷跡見物に来たわけではないので、おとなしくテーブルに着いて食事をしていたのだが、何気なく見た柱に電動ノコギリの跡のような荒々しいキズがあったので、「もしや・・・」と思いウエイターに聞いてみたら、やはりそれはテロの時の弾痕だった。さらにウエイターは、「あそこにも、それからあれも」と指を差し、天井の弾痕と大きくひび割れた装飾ガラスを教えてくれた。なんでもそれらはテロの悲惨さを後世に残すためにわざとそのままにしてあるのだとか。 私はマトンサンドを食べながら、今まさにあの入り口からテロリストが侵入して来たら・・・と考えると怖くて怖くて、早いとこ食べて店を出てしまおうと思ったのだが、固くて臭い肉はなかなかそれを許さないのであった。
レオポルドカフェの弾痕

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木彫りのガネーシャ