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2010年インドの旅・実録編:第19回 アーマダバード

         
  • 公開日:2012年10月4日
  • 最終更新日:2022年6月10日
〔当時のメモより〕
*金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。

2010年3月27日(土) アーマダバード 晴 9:00 28℃ 日中33℃

7時過ぎに目が覚める。体がだるい。栄養不良か。

8時過ぎ出掛ける。
フロントで4時間の延長を頼むが、一日分の料金が必要とのこと。
もったいないので止めようと思う。

シディ・サイヤド・モスクへ
通りにいた人が「中に入れ」と手で合図をするので中へ入る。
中では別の男が親切に案内してくれた。

男は「世界のお金を集めているので日本のお金が欲しいと」言うが、持ち合わせがないと断り、代わりにRs.10出すと「ドーネーション・ボックスに入れてくれ」と言われた。昨日に引き続き、恥ずかしい・・・

最後に男の写真を撮らせてもらおうとしたが、「ムスリムなので」と断られた。

バドラ城前からバスターミナルへ
8:45 近くのカフェで朝食
チーズサンドイッチ、アイスコーヒー(甘いミルクのよう)Rs.55

バスターミナルで確かめて乗ったバスなのに、結局目的地へは行かずデリーゲートまで。Re.1
そこに停まっていたリキシャマンに聞くと、ここから6kmほど行ったところとのこと。Rs.40で乗る。高くついた。

リキシャマンはちょっと珍しいものがあると「写真を撮れ」と言う。サービスのつもりらしいが、早いとこ目的地へ行って欲しいと思う。

すると意外なほど早く到着。距離は2~3kmがいいところか。
約束通りRs.40渡すと、「いろいろ回ったんだからもっとくれ」と言う。しかし40でも充分過ぎると思い断る。

キャリコ博物館の前にはすでに一人の青年が待っていた。
フランス人でロンドンで働いているとのこと。
日本の刺青に興味があるとのことだったので、風神、雷神の手ぬぐいをプレゼントする。喜んでいた。

10時前になると人もかなり集まって来た。
入門時にカメラと携帯は預けなければならない。すべてカバンに入れ鍵を掛けて預けてしまう。
見学はツアー形式で約2時間。今日はデリーからの学生(Delhi Institute of Heritage・・・)が一緒だったためか30名近くの人数だった。

ツアーは二部構成になっていて、前半は布、後半は神々を中心としたもの。
12:30 ツアーは終了し、カバンを受け取り出る。

【以下の解説は2012年10月4日のものです】

〔以下メモに解説を加えて〕

2010年3月27日(土) アーマダバード 晴 9:00 28℃ 日中33℃

7時過ぎに目が覚める。体がだるい。栄養不良か。

そうだと思うよ、あの食生活じゃねえ。

8時過ぎ出掛ける。 フロントで4時間の延長を頼むが、一日分の料金が必要とのこと。 もったいないので止めようと思う。

アーマダバードを発つ列車が夜の10時出発のため、その直前までホテルにいられたらと思い、4時間の延長が時間割料金でできないか交渉してみた。なにしろこのホテルは24時間制のチェックイン・アウトシステム(常に入室から24時間の滞在が可能というもの)を採用しているため、もう4時間延ばしてその分お金をもらった方が確実に稼げていいと思うのだが・・・ しかしホテル側はがめついことに一泊分の料金を提示して来たので、残念ながらあきらめることにしたのだった。

シディ・サイヤド・モスクへ 通りにいた人が「中に入れ」と手で合図をするので中へ入る。 中では別の男が親切に案内してくれた。

「シディ・サイヤド・モスク」はリリーフ・ロードが西の端で突き当たるロータリー内に建つ小さなモスク。1573年の創建で、礼拝堂の中央奥にある大樹をデザインした透かし彫りがとても美しい。 ここでも信者が「中に入って見て行け」と誘うので、お言葉に甘えて入り口で靴を脱いで中に入ってみた。 このモスクも2001年に訪れた時にはまだ大震災の影響が残り、礼拝所の中には丸太で櫓が組まれ、若者たちが天井部分の修復をしていた。しかし今ではすっかりきれいになり、ようやく私はその全貌を見ることができたのである。 そしてここでも信者である若者が、親切にモスク内(小ぢんまりしたものではあるが)を案内してくれた。
アーマダバード、シディ・サイヤド・モスク

男は「世界のお金を集めているので日本のお金が欲しいと」言うが、持ち合わせがないと断り、代わりにRs.10出すと「ドーネーション・ボックスに入れてくれ」と言われた。昨日に引き続き、恥ずかしい・・・

案内を終えた若者は私に、日本のお金をもらえないかと言って来た。その時私は本当に日本のお金を持っていなかったのでそれをそのまま伝えたのだが、その一方でこれはチップを催促する手なのではないかと勘繰ってしまい、ポケットの10ルピーをそっと差し出したのだった。ところがその若者は「寄付ならあそこの募金箱に入れてくれ」と言って受け取ろうとしなかった。まったく二日続きでとんだ無礼をした(一度は未遂に終わったが)ものである。アーマダバードのムスリム諸兄よ、本当に申し訳ない。
アーマダバード、シディ・サイヤド・モスク

最後に男の写真を撮らせてもらおうとしたが、「ムスリムなので」と断られた。

親切に案内してくれたことと、対価を求めないその態度に感激し、ぜひともそのお姿を写真に留めたいと思ったのだが、ここでも撮影を断られてしまった。イスラム教は偶像崇拝を禁じているので、それに準じているのだろうか。 そのくせモスク前にたむろしていたイスラム教徒と思われる若者たちは、「おい、写真を撮ってくれ!」とせがむのであった。
アーマダバード、シディ・サイヤド・モスク

バドラ城前からバスターミナルへ 8:45 近くのカフェで朝食 チーズサンドイッチ、アイスコーヒー(甘いミルクのよう)Rs.55

食事には彩が必要と言うが、ならばこの組み合わせは最悪である。まあまだチーズサンドは仕方ない、しかしアイスコーヒーがこの色ってのはないだろう。味もミルクに砂糖を入れただけのようで「コーヒー」の要素がまるで感じられない。しかもテーブルも似たような色で、まるで雪山で雷鳥を見るようである。 インドでの朝食

バスターミナルで確かめて乗ったバスなのに、結局目的地へは行かずデリーゲートまで。Re.1 そこに停まっていたリキシャマンに聞くと、ここから6kmほど行ったところとのこと。Rs.40で乗る。高くついた。

私は今から「キャリコ博物館」というところへ行こうとしているのだが、バスターミナルの誰に聞いてもわからない。どうやら博物館の存在自体を知らないらしい。しかしそれでも「教えて」くれるのがインド人なのである。何を根拠に言うのか知らないが「あのバスだ」ということになり、そのことは車掌にも伝えられ、「ここだ」と言われて降りたのがデリー門だったのである。ちなみに「デリー門」とはその名の通りデリー方面への出入り口にあたり、ここを真っ直ぐ行けばデリーに至る。もっとも900kmくらい距離があるが。 とにかく私は「ここじゃないよな・・・」と思いつつも、みなさんのご好意を無にすることができずに素直にバスを降り、バスの姿が見えなくなったのを確認してからあらためてオートリキシャのドライバーに道を聞いたのだった。 それによるとキャリコ博物館はここからまだ6kmもあるとのことで、その言葉を信じてオートリキシャで行くことにした。
アーマダバードのデリー門

リキシャマンはちょっと珍しいものがあると「写真を撮れ」と言う。サービスのつもりらしいが、早いとこ目的地へ行って欲しいと思う。

オートリキシャのドライバーはなかなかサービス精神旺盛な男らしく、沿道にある「珍しそうなもの」を指差しては「写真に撮れ」と言い、その都度スピードを緩めたりその「名所」の方へ寄って行ったりする。
アーマダバードのオートリキシャ

すると意外なほど早く到着。距離は2~3kmがいいところか。 約束通りRs.40渡すと、「いろいろ回ったんだからもっとくれ」と言う。しかし40でも充分過ぎると思い断る。

キャリコ博物館の入場は先着順なので、こちらとしては一分でも早く着きたいというのに、ドライバーは自分の言った「6km」をごまかす目的もあるのか余計な回り道までした。その挙句に割増まで要求されるのは理不尽というものである。
アーマダバードのオートリキシャのドライバー

キャリコ博物館の前にはすでに一人の青年が待っていた。 フランス人でロンドンで働いているとのこと。 日本の刺青に興味があるとのことだったので、風神、雷神の手ぬぐいをプレゼントする。喜んでいた。

私の心配をよそに、キャリコ博物館の前にはまだ一人しか並んでいなかった。他にすることもないので先客の青年と話しをした。青年はフランス人だが今はロンドンのホテルで働いているとのことだった。なるほど実に聞き取りやすい英語を話すわけだ。よくいる日本好きの欧米人の例にもれず、この青年も日本の禅や武道に興味を持ち、また刺青にも強い憧れ(背中に大きく彫ってもらいたいとまで言っていた)を持っているというので、ちょうど持っていた点描で描かれた風神、雷神の手ぬぐいをあげることにした。すでに何度も使用したものだが、昨夜洗濯をして今日はまだ一度も使っていないので新品同様なのだ。
アーマダバードで出会ったフランス人青年

10時前になると人もかなり集まって来た。 入門時にカメラと携帯は預けなければならない。すべてカバンに入れ鍵を掛けて預けてしまう。 見学はツアー形式で約2時間。今日はデリーからの学生(Delhi Institute of Heritage・・・)が一緒だったためか30名近くの人数だった。

「キャリコ博物館」とはインド各地の貴重な布を集めたミュージアムである。サラバイ財団という団体の運営するもので、入場は無料だが毎日午前と午後の二回、各先着20名ほどのツアーでのみ見学ができる。この時はデリーからの学生がいたため、30名ほどの大所帯で周ることになった。

ツアーは二部構成になっていて、前半は布、後半は神々を中心としたもの。 12:30 ツアーは終了し、カバンを受け取り出る。

古い民家を移築した館内には、インド全土から集められた貴重な布や資料が収められ、案内人の解説を聞きながら一部屋ずつ見て回る。しかしカメラは入場の際に預けなければならず、案内人が静かな声で淡々と説明(もちろん英語)をこなすとすかさず次の部屋に移動してしまい、メモを取る暇さえない。しかもその場に残ってじっくり見ようとしても助手がどんどん照明を落としてしまう・・・同行のフランス人は思わず「これじゃワインのテイスティングだけで、ちゃんと飲ませてもらえないのとおんなじだ」とこぼしていた。

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インドの伝統工芸細密画