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インド:ところ変わればリキシャも変わる、その2・インドのオートリキシャ

         
  • 公開日:2007年2月12日
  • 最終更新日:2022年6月25日

インド庶民の足であり、観光客にとっては時として激しいバトルの場となるオートリキシャ。
そんなインドを代表する乗り物オートリキシャは、インド各地でそれぞれの土地の気候、風土、習慣、法律、持ち主の趣味などによって、その姿かたちを微妙に変化させながらしっかり生きているのです。

今回ご紹介するのは、南インドはケララ州コーチン(コチ)のオートリキシャなのですが、まずは写真のオートリキシャをご覧下さい。世のオートリキシャ研究者及びオートリキシャファンの方なら、このオートリキシャと標準的なオートリキシャの相違点を、すぐにいくつか挙げることができるかと思います。

どうです?おわかりになりましたか?

では、その相違点を挙げて参りましょう。

まず一番先に目に付くのは、屋根です。
通常オートリキシャ(以下「通常タイプ」と称す)の屋根は、ビニール布の幌になっているのですが、このオートリキシャは金属製の屋根がついています。

そして屋根全体が黄色く塗られています。
通常タイプの幌屋根は、ボディと同じ黒色かそれに近いこげ茶色が主流です。(ただしデリーなどの大都市で見られるCNG仕様のグリーンボディのものには、黄色い幌が装着されています)

さらにその屋根には、ルーフキャリアが装着されています。
このルーフキャリアはコーチンに走る通常タイプのものにもよく取り付けられていて(写真背後のオートリキシャ参照)、たまにキャリアにバナナを満載して走っている光景などを見かけますが、全体的にはあまり荷物を積んでいる光景を見かけないところから、その実用的利用度がいかほどのものであるかは疑わしいところでもあります。もしかしたらこのルーフキャリアは、「大量荷物積載可能」という「看板」の意味で取り付けられているだけなのかもしれません。
ただ、鉄屋根式のオートリキシャには、リア部分にラダー(はしご)を装着したものもあり、これなどを見ると、本気で荷物を載せようとしているのかなあと思えるのです。まあつまり、そこんとこはよくわかんないというのが正直なところなのであります。

さて、幌屋根と違い、鉄屋根式ゆえにできることがあります。
それはガラス窓の装着です。 このリキシャには、客席の両側にガラス窓があります。
通常タイプの幌屋根のこの部分はすべて密閉されていて、外を見ることはできません。ただ、たまにその部分が切れていて、そこからちらちら景色が見えることもありますが、それはただ単に老朽化または不測の事態で切れちゃったわけであり、持ち主にしてみればあってはならないことなのです。

また、このリキシャのフロントガラス上には、赤いヒサシが突き出ていますが、これは確かに南インドの強い日差しを遮る役目は果たす一方で、ドライバー氏の乗車位置並びに乗車姿勢から、ドライバー氏の目は運転席上方のほとんど屋根に近い場所ということになり、こんなヒサシがなくてもあまり不便はなく、ヒサシに関しては装飾的意味合いのものであろうと推察されるのであります。

と、ここまでは割と通常タイプより良い面が挙げられて参りましたが、次に挙げるのはあまりかっこのいいものではありません。
はい、ブルーのビニールシート、通称ブルーシートですね。

私がここを訪れたのが雨季の真っ只中だったからでしょうか、それとも一年を通してそうなのでしょうか、とにかくコーチン辺りのオートリキシャは、サイドにこうしたブルーシートを貼り付けているのです。
それでもまあこのオートリキシャのものに関して言えば、サイズも開口部に合わせてカットしてあり、その装着方法もしっかりとしたものなのですが、中にはブルーシートの裾が風でなびかないように乗客が一生懸命シートを押さえながら走っているものなどもあり、それなどはもはやお客というよりオートリキシャのクルーのひとりといった感じで、みんなして協力し合ってようやく走っているといったところが、微笑ましくもたくましく思えて実にいいのであります。
あー、結局ブルーシートのことも「良いところ」になっちゃいましたね。

まあそんなわけで、広大なインドにはいろいろなオートリキシャがあるというお話しの第二弾でした。

インド先住民族の工芸品ドクラ