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2010年ジャイサルメールの旅・その16

         
  • 公開日:2011年10月18日
  • 最終更新日:2022年6月11日

ジャイサルメール城塞内にあるホテル・ヴィクトリアで迎える最初の朝、外はまだ暗いというのになにやらがやがやと大勢の人の声が聞こえます。

ま、まさか民衆が蜂起して城に攻め入って来るのでは・・・
パ、パンがないならケーキをあげるから助けてくれ!

そんな不安を抱きながら明るくなるのを待って、窓からこわごわ民衆の動向を覗き見ますと・・・

なーんだ、野菜の市が立っているんじゃありませんか。安心して窓からぐっと身を乗り出し、あらためてしげしげと眺めて見ますと、どうやら各地から野菜を満載した大型トラックがここに集結して来ており、この界隈の業者(たぶん八百屋や食堂経営者など)が小型トラックや荷車、はたまたオートリキシャなどを使って野菜を買いに来ているようです。

とまあ、期せずして眼下に現れた特設青果市場なわけですが、これが見ていてすごくおもしろいのです。

いえ、商いをしている人たちにとっては決して面白い話ではないのですが、とにかくこの市場にも牛がたくさんうろついておりまして、駐車してある大型トラックや、うずたかく積まれた野菜の壁を迷路のように使って、隙あらば朝食にありつこうと虎視眈々、いえ、ウシタンタンと狙っているのです。しかし業者の方だって黙ってそれを許すわけにはいかないのです。
そんなに食いたきゃこれでも喰らえ!とばかりに棒を振り上げ、牛に強烈な一撃を食らわせます。
自分にも養わなきゃならない家族がいますので、この際神の使いだとかなんとか言ってられないのです。

とは言え、インドの人たちは子どもの頃から培った敬虔なる信仰心が深く深く心に染みついていますので、あまり深追いはしません。とりあえず目の前から牛が立ち去ってくれさえしたら、もうそれ以上ひどいことをしないのです。なので牛の方もそれをよぉーく知っていて、こんな風に遠巻きにして次の機会を狙っているのです。
いや、もしかしたら一斉蜂起の機会を伺っているのかもしれません。

とにかく高みの見物とはよく言ったもので、私は全体が良く見渡せる特等席から、人や牛の動きをつぶさに観察し、おっ、次はあの牛があの野菜を狙うぞ、なんて予想を立てて楽しんでいました。

それではみなさんも、この「ウォーリーを探せ」みたいな俯瞰画像で、どこをどうやって通って行けば、牛がご飯にあり付けるかを探して見て下さい。この野菜市場には、城外のホテルに滞在した時に行ってみましたので、そちらはまた別の機会にご報告致します。

*情報はすべて2010年3月時点のものです。

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木彫りのガネーシャ