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活動開始早々、早くも歯車は噛み合わなくなって来たのだった:ジャグダルプル

         
  • 公開日:2011年3月7日
  • 最終更新日:2022年6月3日

いよいよジャグダルプルでの活動初日です。

昨夜ガイドのパテルと打ち合わせた約束の時間にロビーに下りて行くと、なぜかパテルはフロントデスクにいました。どうやらパテルは専業のガイドではなく、通常はこのホテルで働いているようです。
それはまあいいとして、パテルは見たところ(若干眠そうな顔や着てる服が昨夜と同じということなどを総合的に判断し)昨夜は夜勤番でずっとホテルにいた様子です。それでこれから私たちのガイドをするというのですが、大丈夫なのでしょうか?

ちなみにここで「私たち」と書いたのは、同行のMくんがジャグダルプルでは私と行動を共にすることになったからです。
つまりMくんは同じ車に乗り同じガイドから話を聞き、従ってその費用の半分を負担し、さらにはビールを飲むときはその全額を負担してくれるというのです。実にありがたいことです。

ということで、チャーターしたちょっと小さめのインド製の車インディカに、ドライバーを含めた一行四人は乗り込み、ゆっくりとジャグダルプルの町に繰り出して行ったのであります。実はまだ私はこの日の行動内容を詳しく知りませんでした。
昨夜の打ち合わせは滞在期間中に見るべきものの確認といったところだけで、見て回る順番などの細かいことは、すべてガイドのパテルに任せてあるのです。

私たちがまず行った所は、町中にある事務所でした。パテルの話では、これから行く所は国立公園に属するので、まずはここで許可をもらわなければならないとのことなのです。
私はそれを聞くと、「おおっ、ついに国が管理する『秘境』に入るのだ!」という実感が湧き気持ちが浮き立って来ました。
しかし下手をするとここで入境が却下される可能性だってないとはいえないのです。ここはいっちょ気持ちを引き締めて、パテルに従って薄暗い事務所に入って行きました。

結局事務所では、なにやら注意事項の書かれた紙にサインをし、入境料(4名分)とカメラ持ち込み料の計400ルピー(約800円)を払うとあっさり許可が出ました。
まあ許可が下りたことはめでたいことなのですが、あまりにも事務的にすんなり済んでしまったことがちょっと物足りない気もするのです。できれば目の鋭い係官が入境の目的などを詳しく聞き、それに対して私が情熱的に自分の気持ちを述べることによってようやく許可が下りる、というのが理想的なのです。

まあ理想はどうあれとにかく許可が下りたわけで、車は町から出て一路山を目指します。

道々パテルが説明するところによると、われわれ(もう秘境に突入しているので「私たち」などという紳士的な言葉は使わないのです)はこれから「ケーヴ」へ行くとのことでした。
「ケーヴ」というのはもちろん「CAVE」のことで洞穴という意味なのですが、その時の私はなぜか「険しい谷」と思い込んでしまい、勝手にグランドキャニオンみたいなところに行くと思ってしまったのです。そしてその勘違いは、この後次第に募らせて行くパテルへの不信感のひとつとなったことは否めませんので、今さらではありますがそのことだけはパテルに謝罪させて頂きます。

パテル、ごめん! ケーヴは洞穴だった。

さて、車は山道の途中で止まり、ここから滝が見えるというので降りて見ました。なるほど・・・確かに滝は見えますが、それははるかかなたに小さく見えるだけです。なんだか私が胸躍らせながら期待している国立公園、ひいては秘境のイメージとはだいぶ違います。

パテル・・・本当に大丈夫なのか?私はこのまま期待していていいのか?

滝が見える風景はほんの3秒で飽きてしまい、それでもせっかく車を降りたのだからと傍らの森を眺めておりましたら・・・

おおっ!あれはなんだ!

なんと木の枝に、背中がオレンジ色をした体長が20cmはあろうかというトカゲがいるではありませんか。私はその初めて見る珍しいトカゲにすっかり見入ってしまいました。
すると後ろからパテルが近づいて来て、「どうかしましたか?」と言うので、私は唇に指を立て「静かに!」と制しながら、そっと木の枝のトカゲを指差しました。
当然私としてはインドの森で見つけた珍しい生き物について、ガイドであるパテルの解説を期待していたわけですが、あろうことかパテルはそのトカゲを見止めると、足元の小石を拾って投げつけ始めたではありませんか。

おい!パテルやめろ!

あぁ~、なんてことすんだよぉ~

お前ホントに大丈夫かよぉ~ パテルゥ~

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木彫りのガネーシャ