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南インドの寺院建築の起源は石だった:マハーバリプラム

         
  • 公開日:2011年1月28日
  • 最終更新日:2022年6月3日

ここは世界遺産に登録されている「マハーバリプラム建造物群」のひとつファイブ・ラタです。海岸寺院の入場券はこことのセットになっていますので、250ルピー(約500円)で二か所見られるということなのです。ファイブ・ラタというのは「五つの石彫寺院」という意味なのですが、「ラタ」はいいとしても「ファイブ」が英語というのがどうにも解せなかったのですが、ここは砂に埋もれてしまっていたのを、200年前にイギリスによって発見されたというので納得しました。

この五つの石彫寺院は南インドの寺院建築の素になったと言われているのですが、実はこれらはすべてひとつの巨大な石を削り込んで造られています。
造られたのは7世紀、つまり海岸寺院と同時期の建造ということで、当時のこの地方の繁栄ぶりがいかばかりであったかは、ちょっと私の頭ではうまく想像できないほどなのであります。

しかし栄枯盛衰、おごれる人も久しからず、これらの寺院の一部は完成を待たずして放棄されてしまい、やがて砂に埋もれてイギリス人が来るのを待つことになったのです。

ほらこの壁はまだ粗彫りのままで、柱の裏側も穴こそ開けてあるもののとても完成とは言えない状態です。またこちらにある実物大の象に関しましても、そのまたぐらはやはり粗彫りのままで貫通していません。それでもこれは「象の彫刻としてはインド史上最高傑作」と讃えられているほどのものなのです。

ちなみに鼻の付け根に掘られている穴は、おそらく別パーツで造られた牙を挿す穴なのだと思います。

とにかくここは見渡す限り、石、石、石、とすべてのものが石でできていて、そこにある巨大なナンディー(聖牛)も当然石で造られているわけですが、仮にも、いえ、ここは正真正銘の世界遺産でありますからして、いくら堅牢なる石造りだといっても、記念撮影のために子どもを石像に座らせるなんてことは、やめた方がいいのではないかと思う次第なのであります。

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インドの伝統工芸細密画