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ここに来れば法要一切万事お任せなのです:トリチー

         
  • 公開日:2011年1月11日
  • 最終更新日:2022年6月3日

ここはロックフォート寺院の北に流れるカーヴェリー川の川岸にあるAmmamandapam (たぶん「アンママンダパン」と読むのだと思いますが、ちょっと自信がありません)という所です。ここから真北に行った所には、インドでも最大規模と言われるシュリー・ランガナタスワーミー寺院がありますので、もしかしたらここはその寺院の川への玄関口といった位置づけなのかもしれません。

ここは建物の規模としては大したことはなく、見どころも特にないのですが、この河原ではたくさんの人たちが沐浴をするというので来てみたのです。しかし時間が(もしくは時期が)悪かったのか、このときは沐浴風景は見られず、ただ大きな象が川で洗われているだけでした。

さて、実はここはヒンドゥー教の各種法要を行う場所なのです。
ここにはそうした祭祀を司るブラフマン(ブラーミン)が60人もいるとのことで、彼らは番号の書かれた塀の前に座り、じっと仕事の依頼が来るのを待っているのです。しかしまあそれだけ人数がいると仕事にありつくのも大変なようで、彼らは自分の息子には跡を継がせず、しっかり勉強をさせてコンピューター関連の仕事に就くことを願っているとのことでした。

ヒンドゥー教徒は両親を亡くした時などに頭を剃るのですが、法要の前にも頭をサッパリさせるらしく、ここには剃毛専門の床屋さんもたくさん出ています。と、そんな一角で法要が執り行われておりました。おそらく親戚一同なのでしょう、みんなブラフマンの前に神妙な面持ちで立っています。
そしてその横の地面には白い粉で線が引かれ、要所要所に小さな素焼きの壺が置かれています。聞けば誰か(おそらくこの剃髪の男性の親)の死後16日目の法要とのことでした。
日数こそ違えど、ヒンドゥー教にも仏教の初七日や四十九日みたいなものがあるんですね。

ここで執り行われる儀式はなにもこうしたいわゆる弔事だけではないようで、この時も一組のご夫婦が、結婚10周年の祝福をブラフマンから受けておりました。とにかくここのブラフマンはなかなか競争が厳しいようですので、差し出がましいようですが何か新たなセレモニー(たとえば電化製品の供養とか)の導入も真剣に考えた方がよいと思います。

あっ、

大学を出た息子と一緒に、コンピューターを使った法要なんてのはどうでしょうか。

いえ、私は決してヒンドゥー教やブラフマンを愚弄しているわけではありません。
それどころかその逆で、ちゃんとブラフマンたちが食べて行けるようにすることが、こうした祭祀の伝統を残すことにつながるのではないかとそう思っているだけなので、ヒンドゥー教の関係者がこれを読んでも怒っちゃあいけないのです。そこのところ、どうぞご理解のほどよろしくお願いする次第であります。

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真鍮製のアンティーク弁当箱