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インドの真鍮製弁当箱

         
  • 公開日:2017年8月7日
  • 最終更新日:2022年7月31日

これは私にとって「インドの原点」と言っても過言ではないのです

私がまだインドという国に行ったことのなかったころ、私は本からインドのことをあれこれ学びました。

まあ「学んだ」なんて言うのはちょっと大げさかもしれませんが、とにかく今とは比較にならないくらいインドに関する情報が少なかった時代です。なので本屋さんでインドに関する本を見つけると、中身もたいして確認もせず買ってしまうこともしばしばでした。でもインドのことを知りたくて仕方なかったそのころの私は、どれも非常に興味深く読むことができました。

そんな数々のインドの「教科書」の中で、私がダントツで「これが一番!」と思っているのが、妹尾河童氏の著書「河童の覗いたインド」です。

*本の紹介はこちらにありますので、よろしかったらご覧ください。

この本の最大の魅力は、河童氏自身の描くイラストがたくさん載っていることです。
つまり図解付きのインド紹介本ということなのですが、とにかく河童氏の個人的興味の対象になったものが色々紹介されていてとても面白いのです。

で、そんな中で私が一番興味を惹かれたのが「インドの弁当箱」という紹介記事でした。
なんでもインドの弁当箱は円筒形の重箱スタイルで、金属でできていて南京錠まで掛けられるとか。
インドの弁当箱
河童氏は軽食屋のおやじに彼の弁当を「半分食べてみないか?」とすすめられ、そこで初めてその弁当箱を目にするのですが、たちまちそいつ(そのおやじ愛用の弁当箱そのもの)が欲しくなってしまい、ついには手に入れてしまうのです。

あ~、いいなあ、私も欲しいなあ~、インドの弁当箱欲しいなあ~

この時私は初めてのインド行きの直前であったため、「よし、インドに行ったら何をおいてもこの弁当箱だけは絶対に手に入れよう」と固く心に誓ったのです。そして実際にデリーの金物屋で三段式の弁当箱を手に入れ、ご丁寧にその弁当箱に掛ける南京錠まで買って来たのでありました。

帰国後私はその弁当箱を部屋の一番いい場所に飾り、でもそれだけでは物足りず実際に弁当箱として会社に持って行くなど特別な寵愛に努め、今でも「初インド最高の土産物」としてその地位は高く高く保たれているのであります。

しかしです。

その後も何度か「河童の覗いたインド」を読み返しておりますと、河童氏の手に入れた弁当箱は真鍮製であるということに気づいたのです。

「持ち出してきた弁当箱というのが、実にユニーク。真鍮製の3段重ねの円筒形のランチボックスであった。」
(妹尾河童:著 「河童の覗いたインド」新潮社刊 11刷/1985年12月5日 p.71)

私が手に入れた弁当箱はステンレス製のものでした。それは1987年のことでしたが、すでに金物屋にはステンレス製のものしかありませんでしたので、特に材質など気にすることなく購入したのです。

確かに日本でもステンレス製品が普及する前は真鍮製品が幅を利かせておりました。たとえば水道の蛇口やドアノブなどがそうでした。

なるほど・・・インドの弁当箱もその昔は真鍮製だったのだな・・・
インドの真鍮製弁当箱
そうなると今度は真鍮製の弁当箱が欲しくなって来ました。
しかしそれはかなり前にインドの市場からも姿を消してしまっているはずです。
でもまあ新品はないとしても、中古品ならどこかにあるのではないだろうか。なにしろ金属製品は堅牢だからな。
あっ、いや、インドじゃ古い真鍮製品は溶かして別のものに作り替えてしまったりするんだよな(たとえばこちら)・・・やっぱ無いのかな・・・

なんてことをあれこれ思いながらインドに通うこと幾星霜、先日(2016年)ようやくその真鍮製の弁当箱に巡り合うことができたのであります。

真鍮製の弁当箱はもちろん新品ではありません。すべて使い古したいわゆる古道具です。でもその時の嬉しさといったらありませんでした。
インドの真鍮製弁当箱展開
ほら、この真鍮の鈍く光る黄金色が、ステンレスとはまた違う温かみを感じさせてくれます。

*銀色に見える部分はメッキ(おそらく錫)です。

なおこの真鍮製弁当箱は古道具でありますので、あくまでもインテリアや小物入れなどとして使うのみで、決して弁当箱など食器としては使ってはいけないのであります。

この商品は「ラクダ隊商パインズクラブ楽天市場店」にて販売しております。

*すでに売り切れている場合もございます。その際は何卒ご容赦願います。

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