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第38回:ポルバンダール / 朝の海と国旗掲揚

         
  • 公開日:2014年4月1日
  • 最終更新日:2022年6月18日
〔当時のメモより〕
*金額に関しては当時の1ルピー(Rs.と略す)のレートを約1.7円とお考え下さい。

2013年11月17日(日)ポルバンダール

7時ちょっと前、海へ行って見る。

国旗掲揚を見る。

7:30 チェックアウト
Rs.100負けてくれる。
   ↓
違った、そのままだった。

〔以下メモに解説を加えて〕

2013年11月17日(日)ポルバンダール

7時ちょっと前、海へ行って見る。

昨夜の停電、というか人為的電源カットによる不快感を少しでも和らげようと海に行って見た。

昨夕の牛に支配されていた海の様相からは一転し、今朝は海岸沿いの遊歩道は人が沢山出ている。時刻は7時を過ぎてはいるが、アーマダバードよりさらに西に位置するポルバンダール(東経69度36分)は、インド標準時(東経82.5度のアラハバードのもの)より1時間近く日の出が遅い。
つまり実質的には6時くらいの感じでまだ日の出前なのだが、みんな早朝ウォーキングに励んでいるようである。

目を海に転ずれば、そこにもすでにたくさんの人が来ている。さすがインドで、こうしたところでもちゃんと男女の領域が分かれているようで、こちらは男性ばかりが海に入っている。そしてこちらは女性用であるらしい。
女性はなぜか救命浮き輪のようなものを使っていたりする。インドのこうした水場では、主に沐浴で身を清め、神に祈りが捧げられたりするのだが、ここではそういうものはまったく見られず、結構本気で泳いでいたり、愛犬と戯れたりしている。
まあこういうのもなかなか健康的でいいなと思う。

国旗掲揚を見る。

海岸は西向きなので、朝日を見ようとホテルの正面玄関に回り込んだ。
そして待つこと5分、木立越しでの「日の出」ではあったが真っ赤な太陽が昇って来た。時刻は7時27分、なんとも遅い夜明けである。ホテルではドアマンが日の出に合わせて国旗の掲揚をするところだった。私は国旗掲揚をするドアマンのすぐ横に立ち、インド国家「ジャナガナマナ」をハミングして気分を盛り上げようとしたのだが、ドアマンはただの日常をこなしているだけなのでなんの反応もない。くそ、恥ずかしいじゃないか・・・

国旗の掲揚が終わると、ドアマンは国旗に向かって敬礼した。
その姿がなかなかカッコよかったので、写真を撮ろうとしたらあっという間に敬礼を止めてしまった。彼にとってはどれもこれもやっつけ仕事なのである。
そこで私は、写真を撮りたいのでもう一度敬礼をしてくれと頼んだ。やらせ写真になってしまうが仕方ない。その写真をここに載せ、「ホテルでは毎朝国旗掲揚が厳かに行われている。誠に小さな掲揚台ではあるが、国旗に対する彼らの敬いの気持ちは計り知れないほど大きなものなのだ」と書こうと思ったのである。
ところがドアマンはこちらに向かってにこやかに敬礼している。
その笑顔を見たら、もうどうでもよくなってしまった。ということで、

ホテルでは毎朝国旗掲揚が事務的に行われ、ほんの気持ちだけ敬礼したりするのである。

と書くしかない。

7:30 チェックアウト
Rs.100負けてくれる。

違った、そのままだった。

チェックアウトの時にもう一度、昨夜味わった不快さを訴えた。まあ早い話が「使ってない分の電気代と設備費を返せよな」ということなのである。結果はメモにある通りであった。そう、びた一文負からなかったのである。
それはまあ仕方ないとしても、ただのお釣りを「負かった!」とぬか喜びした自分がかわいそうである。これじゃただのバカである。くそっ・・・
それでもその時は「負かった」と思って気分を良くしていた私は、フロントのあんちゃんに笑顔で「またいつか来るよ。その時までに日本の国旗も揚げといてくれよな」と、ホテルの正面玄関を指差して言った。
そう、そこには何カ国かの国旗がはためいているのだが、日本のものがなかったのである。ああ、なんと立派な愛国心であろうか。
日本国総理大臣はこれに感銘を受け、私のホテル代くらい払ってくれてもバチは当たらんと思うのだが、いかがであろうか。

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木彫りのガネーシャ