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インド:これもひとつの「決定的瞬間」なのだ・インドでボラれる人

         
  • 公開日:2007年10月16日
  • 最終更新日:2022年6月27日

残念なことですが、インドに旅行に行った人から「インド人はすぐに人を騙す」とか、「インド人はすぐに料金をボル」なんてことをよく耳にします。

でも、実際のところはどうなんでしょう。

ここはケララ州コーチン(コチ)の船着場です。
コーチンは海に面した街なのですが、それだけではなく、その周辺には海に突き出た半島部や、細い水路で隔たった小さな島などが点在するため、船は市民の重要な交通手段になっています。なのでこの船着場からも頻繁に小さなフェリーや渡し舟などが発着しているのです。

インド・旅行者を騙そうとする男たちと、そんな船着場で、一人の東洋人らしき男が、四人の男たちに囲まれているではありませんか。いったいどうしたのでしょう?

実はこれ、観光用のボートに乗る交渉をしているところなのです。
しかしこの東洋人は、すでにこの2日前にクルーザーのような大きな船を、とても格安で借りる約束をしてここに来たのです。今さら小さなボートになんて乗るわけないのです。

ところが今日、約束の場所にやって来たら、その大きなクルーザーは影も形もなく、約束した男すらいませんでした。
そして、「どうしたんだろう?」と途方に暮れる東洋人に近づいて来たのがこの男たちということなのです。

男たちは初め、警戒心を解くために「あのクルーザーならすぐに帰って来る」などといい東洋人を安心させます。
そしてすかさず、「船に乗ると椰子を利用して生活している人々の暮らしが間近で見られる」「野生の動物などもたくさん見られる」などととても魅惑的なことを言い、私・・・いえ、この東洋人の心をぎゅっとわしづかみにしてしまうのです。
そして最後にこう言います。

「しかしそういうものを見るには、あの大きな船ではダメだ。細い水路に入れるボートでなきゃな・・・」

で、

気が付けばオートリキシャに乗せられ、ぜんぜん違う場所から小さなボートに乗せられてしまっていたのです。もちろん料金はクルーザーを借りるときと同じでした。

いかがですか、これがインドでの騙しのテクニックです。

えっ?

騙された私・・・じゃない、その東洋人がバカだって?

う~ん・・・そうかもしれませんねえ。

とにかくみなさんもインドに行ったら充分お気をつけ下さい。

あっ、ちなみに上の写真は、「格安でクルーザーを借りることになったから一緒に乗らないか?」と、その東洋人に誘われて付いて来た人が撮ったものです。
通常こういう場合、一緒にいた人も加わってみんなで騙されるというのがふつーだと思うのですが、その人はなぜかまったく他人事みたいな立場でこの写真を撮っていたんですねえ。
まあ貴重な瞬間と言えばその通りなのですが、うまいこと言いくるめられている最中を写された私・・・いえいえ、その東洋人にしたら、まったくみっともないったらありゃしないじゃないですかあ。

「インド人って、すぐに人を騙して、お金もボルんですよお」

インドのマフラー