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その64:ねずみのお寺5

         
  • 公開日:2007年8月6日
  • 最終更新日:2022年6月22日

神殿での参拝を終え(参拝したのはドライバー氏だけですが)、再び寺院の中庭に出て来た私たちに、ドライバー氏はこんな話をしてくれました。

「ここには何千という数のネズミがいますが、その中にほんの2、3匹だけ白いネズミがいるのです。そしてその白いネズミを見ると幸せになれるのです」

ほほおー、そうなんだ。希少な白ネズミを見ると幸せになれるのかあ。
それなら見なくちゃソンだな。

と、私たちは一番たくさんネズミがいる辺りや、ネズミの出入りしている壁の穴を中心にジロジロ観察してみたのですが、どこにも白いネズミなんていませんでした。

するとドライバー氏は、ちょっとがっかりしている私にこう言いました。

「そこにいる楽士、そう、そこに座っている楽士がハルモニウムの演奏を始めると、不思議なことに白いネズミが現れると言われています」えっ、ホント?
なんだそうならそうと早く言ってよ。
なんだかハーメルンの笛吹き男の話みたいだけど、それだけにそういうこともありそうな気もします。

♪幸せはぁ~、歩いて来ない、だっからお金で買うんだね!

さっそく私は楽士に20ルピー渡して、演奏してくれるように頼みました。

楽士はちょっと金額に不満があるような顔をしましたが、それでもすぐに演奏を始め、私たちはまたネズミの出入りしている壁の穴を、それこそ穴の開くほどジロジロギロギロ見つめたのです。

しかし金額的に不満のある演奏だったからか、はたまた私たちの「幸せよ来い!なろー!」という気迫のこもった視線が強すぎたのか、やっぱり白ネズミは姿を現しませんでした。

そしてその代わりに私たちの目に留まったのは、赤いネズミでした。おっ、白じゃないけど、赤いネズミだって希少だと思うので、ぷち幸せくらいにはなれるかな?

なんてことを思ったのですが、実はこのネズミ、ホーリーという色水を掛け合うお祭りで着色してしまったようなのです。

しかしここにはこれだけネズミがいるっていうのに、こいつだけ狙い撃ちされたかのように妙に赤いのです。

まあネズミなだけに、チューチュー攻撃されたってことなんでしょうね。

*すべて2007年3月時点の情報です。

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