2001年6月21日:海の出会うところ / カニャークマリ

インドな日々

2001/06/21 海の出会うところ カニャークマリ

カニャークマリはインド最南端、三つの海の交わるところである。

街はなだらかな丘陵地帯となっており、その端が海に落ち込んでいる。
その地形のせいか風が絶えず吹いており、しかもそよ風ではなく、なかなかしっかりと吹き、さわやかである。

私は今、街のメインロードを海に向かって歩いている。
この道は、なだらかに弧を描きながら海に向かって下っているのだ。
つまり、この道のどん詰まりのあたりには、青い海が見えているのである。
もしスーパーボールを道に叩き付けたなら、ぽーん、ぽーん、と海に向かって跳ねて行き、とぽん!と海に落ちるであろう。
やってみたいが、持ち合わせのスーパーボールがない。
それにあったとしても、途中でインド人がかっさらっていく可能性は高い。
そんなことになると気分が悪いので、やはり止めておくのが賢明であろう。

そんなことを考えているうちに、海は更に近づいてきた。

この地で交わる三つの海とは、向かって右手、西方からはアラビア海、向う正面の南からインド洋、そして左手、東方からベンガル湾といった具合である。
東・西・南・と来て、あと足りないのは「北の湖」くらいであろうか。
是非北の湖親方にもご同席願いたかった。

諸般の事情により、今回参加できなかった北の湖親方に成り代わり、私がこの三つの海とご対面を果たす時が、刻一刻と迫って来ているのだ。いやがおうにも緊張感が高まる。
しかしここはインド人にとって聖地のひとつでもある。
ちゃらちゃらしてちゃ、いけないのである。

海の間近に来ると土産物屋がたくさんある。
この神聖なる場所で、如何なるものが売られているのであろうか?
どれどれ・・・ふーむ・・・
貝殻細工が多いようである。
貝殻の詰め合わせや、貝を組み合わせて作った置物、タカラガイに名前を彫ってくれるというものなどである。
結局、海の近くの観光地というのは、世界共通なのであろうか。
私は、江ノ島に来てるのかと錯覚して、エスカー乗り場を探してしまった。

ここは聖地と言うだけあって、海にガートが造ってある。
ガートと言うのは沐浴場のことであり、よくガンジス川なんかでみんなが水に浸かっている、階段状のあれである。

私はガートに行かず、砂浜に出た。
砂浜と言っても、波打ち際まで5mくらいしかなく、少し勾配もきつい。
私は足だけでも水に入っておけば、日本に帰ってから、「あー、最南端ね。ええ、ええ、行きましたよ。まあ、沐浴くらいはしましたよ。わっはっはっは・・・」とさりげなく自慢ができると思い、ホテルから短パンとサンダルでここまで来たのである。

さっそくサンダルを脱ぎ、水に入ってみる。
うーん・・・特にどうということはない。
あまり普通の海と変わらない気がするのである。

そこで私は、この三つの海が本当に交わるところで入らねば、ここまで来た意味がないではないかと気付き、あたりを見渡した。

あった、あった。

そこは見事に三つの海が交わっているようで、波がぶつかり合うポイントだった。

おー、三つの海がぶつかり合っている・・・ぶつかり稽古だな。

私も北の湖親方代行の身である。相手にとって不足はない!勝負だ!

勝敗はあっけなくついてしまった。
私は膝までの深さで勝負しようと、注意しながら海に入っていったにも関わらず、私のちょうど股間の下で、インドの波は互いにぶつかり合い競り上がり、あっと言う間に私のパンツをぐしょぐしょにしてしまったのである。

私は周りのインド人の目を気にして平静さ装いながら水から上がった。
しかしパジャマ代わりの短パンが濡れてしまい、今夜は何で寝ようかと、がに股で歩きながら考えなければならなかった。

この借りはいつか必ず返すからな!

今度は北の湖親方共々まわしを締めて来ようと、こんな時でもナイス考えの前向き野郎であった。

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