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2005年6月14日:現地発信メルマガ「インドからこんにちは」23

         
  • 公開日:2005年6月14日
  • 最終更新日:2022年8月5日

本日もニューデリーは安宿ひしめくメインバザールの片隅より、このメルマガをお届け致しております。

昨日メルマガを出した後、さっそく街へと繰り出しまして活動を開始致しました。
そこで出会ったことなどを、つらつらと書き並べて行きたいと思います。

まず始めに向かった先は、ニューデリーの中心地コンノートプレースにあるマクドナルドです。
いえ、私はなにも食事に行ったわけではありません。そこで人と待ち合わせをしていたのです。
相手は日本語ペラペラのシーク教徒のシンさん(ちなみにシークの人はみんな「シン」です)です。

シンさんとは2年前に知り合いました。
そのときは日本語を巧みに操るあやしいインド人くらいにしか思っておらず、かなり冷たい対応をしたのですが、その直後私がちょっとした窮地に陥ったときに「困ったときのシン頼み」で助けを求めたことから付き合いが始まりました。

シンさんは巧みな日本語を操るので、やはり旅行業に就いており、今回私は独自でホテル手配をしたというのに、しっかり嗅ぎ付けて電話をして来たのです。しかもチェックインと同時に。

そういうのやめろよな。去年シンさんにもらったホテルのレートを偽って交渉し、去年より安く泊まってるんだからさ。バレちゃったかな?

まあとにかく「会いましょう」ということになり、マック前での再会と相成ったのです。

そして昨日のマック前、やあ、どうもどうもと日本語で挨拶を交わし、インドマック新メニューの「カレーパン」などを貪り食い、さらにはソースをボタボタとこぼしながら四方山話をしておりますと、話はデリーメトロの話題になりました。
なんでもこの17日だか20日だかに新路線の一部が開業するとのことでした。
そんな大切な開業日がはっきりわからないところが、まあインドなのでありますが、とにかくデリー滞在中に開業するわけですから、これに乗らない手はないでしょう。
というわけで、その「デリーメトロ新路線乗車レポート」は、後日またご報告するつもりであります。電車好きの方は楽しみにお待ち下さい。

そんな再会から始まった昨日はその後も再会ラッシュが続きました。

次のご対面は「さいふ屋」のクマールでした。

さいふ屋とは言っても店を持ってるわけではなく、持ってるのはたくさんのさいふです。
つまり手に財布を抱えて路上で売り歩く「物売り」なわけです。

クマールは兄弟で仏蹟で有名なナーランダから出稼ぎに来ており、お土産屋街のジャンパットゥというところで日がな一日さいふを抱えてウロウロしているのですが、4年前に知り合った時に写真を撮ってあげたことから親しくなりました。
ただしその時デジカメで撮った写真は、パソコンのダウンでダメになってしまいました。
まあ釈迦にゆかりのある土地出身なので、写真もオシャカになったということで勘弁して欲しいと思うわけであります。はは。

しかしその後もクマールは、私と会うたびに「あの写真はどうした?」と尋ね、その都度私は「だからあ~、あれはデータがダメになったので写真はないの!」と力説しなければならないのでした。どうもそこんところが理解できないようですね。

で、毎回説明するのが面倒になってきたので、去年はわざわざカメラを持って行って、改めて撮り直してあげ、今回はめでたく写真を手渡せたというわけなのです。あー、長い説明だこと。

写真を受け取ったクマールが大喜びしたのは言うまでもありません。
近くのチャイ屋で私にチャイを振る舞い、「兄貴を連れて来るからちょっと待ってて」と言い残して去って行きました。おいおいチャイの代金はちゃんと払ったのだろうな?

やがてクマールは兄貴を連れて戻って来ました。でも兄貴もクマールなので、ただ単に「クマール」と表記するとどちらのことか分からないので、とてもクマールのです。わっはっはっ!

えーと、ただそのシャレを言いたいがためにクマール兄弟を出したみたいですが、確かにその後は特にご報告するほどのこともなく、またの再会を誓い合って別れたのであります。

次に向かった場所は、州政府のお土産屋がある場所です。
そこはただ単に目的地に向かうまでの通過点でしかなかったのですが、そこでまたまた昔の知り合いに再会したのです。

私がその場所を通り過ぎようとすると、一人の男が近づいて来て、私の目の前に絵葉書のセットを差し出して来ました。
まあそのような観光客目当ての物売りは腐るほどいますので、たいていは無視するのですが、ふとその男の顔を見ると、あ~ら見覚えが。

そいつは4年前同じ場所で、木でできたコブラのおもちゃを左右の手に1本ずつ持って、うろうろしていた男でした。前歯が1本ないので間違いないでしょう。

「おまえ、もしかして前はヘビを売ってなかったか?」と尋ねると、そいつもようやく思い出したようでした。なにしろ何日も何日もぶら下げて歩いていたコブラの1本を、この私が買ってあげたのです。よもやその恩を忘れたわけではなかろうぞ。

しかしさいふ屋といいこの元ヘビ屋(現在絵葉書売りに転職)といい、そんなに売れてるとは思えないのに、こうして生きていられるというのが私には不思議なのです。
そりゃあキビシイ生活環境かもしれませんが、日本のあのあくせくした社会から見ると、少しうらやましい気も致します。
なにしろヘビ屋などは、在庫数2本のうちの1本が売れたというのに補充することもせず、翌日からは残りの1本で商売を続けているんですから。

さて、昨日の再会シリーズの最後は、タクシードライバーのバルジでした。
彼の場合は前回(3ヶ月前)にも会っているので、それほど懐かしくはないのですが、車を見て驚きました。
なんと、ガラスにはスモークフィルムが貼られ、フロントガラスの右上には誇らしげに「A/C」の文字が付いているではありませんか。
私は半信半疑でその文字を指し示し、「エアコン、着けたのか?」と聞きました。
はい、A/Cはエアーコンディショナーの略で、決してアーモンドチョコの略ではないのです。

さっそくバルジカーに乗り込むと、バルジも誇らしげにエアコンのスイッチを入れました。

コンソールパネルの下の「後付けエアコン」からは、確かに冷風が噴出され、すっかり温まりきっていた車内の空気を、微力ながらも精一杯冷やさせていただきますぜ、だんな!というようなけなげさでかき回しておりました。

う~ん、やるじゃないかバルジ!

ところが、後付けエアコンの左上には「A/C CHARGE 50% EXTRA」と書かれているのでした。

おい・・・バルジ、エアコン止めろ。窓を開けるから・・・

そんな私の言葉を無視し、エアコンの風量をさらに強めて、ホテルへと疾走するバルジカーでありました。

おしまい。

あー、今日は長くてすまなかったであります。

それでは、また明日、

デリーの街角からお届け致します!

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