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2005年3月9日:現地発信メルマガ「インドからこんにちは」19

         
  • 公開日:2005年3月9日
  • 最終更新日:2022年8月5日

ついにドライデイから開放されたインドより、本日もメルマガを配信させて頂きます。

この「ドライデイ」にまつわるお祭りは「シバァラトゥリー」という、ヒンドゥー教の神様「シバ」を祭るものでした。

そのためここメインバザールの路地裏にも、木の台を積み上げ臨時の祭壇を築き上げたり、マリーゴールドで作った花の鎖を頭上に飾り付けたりしており、なかなか普段とは違う感じになっていました。

また、たまたま通りかかったハヌマーン寺院でも、たくさんの信者や施しを受けようと集まった人などで、大いにぎわっておりました。

そしてそのためか、それとももともと熱心なシバ派の信者であるのか、このネットカフェでは毎日朝からシバ神を称える(たぶん)歌が繰り返し繰り返し、それはもう延々と流れているのです。

で、その歌が「なまっしばぁ~よぉ、なまっしば。はるはるほぉ~りぃ~なまっしばぁ~ぁ」って聞こえるんですね、私の耳には。

とにかくそんな歌がずぅーと流れてますもので、ネットカフェを出て街を歩いていても、ついつい「なまっしばぁ~よ、なまっしばぁ~」とか口ずさんでしまい、ちょっとシバ漬けなんか食べたくなってしまうのであります。

さて、ホテルではビール闇取引の道を閉ざされた従業員が、悪あがきとも思える勘定書金額の水増し請求の愚行に及び、それを酔っ払った私に看破されおどおどするという事態に発展し、今後の国際紛争の新たな火種にならないとも限らない危惧をはらんでいるのですが、ビールの話はもういいでしょう。

それでは、デリーの街の様子などをお伝えしたいと思います。

先日のメルマガにも書きましたが、今は酷暑を迎える直前の、花咲き乱れるとても良い季節です。

コンノートプレースという、イギリス植民地時代に造られた巨大なロータリー式の商業施設の一角に芝生の公園があるのですが、そこも色とりどりの花が咲き、それはそれはきれいな光景なのです。

その公園は以前は怪しげな客引きなどがたむろする、なかなかに危険な場所でもあり、かなり古い話では、あの猿岩石が爆風スランプに「ここが我が家です」と紹介した場所でもあります。

しかし今では規制を厳しくしたのか、怪しげな客引き物売りの類は影をひそめ、ただ芝生の上に寝転んだおっさんたちが、わが世の春を謳歌しているのみなのであります。

さて、その公園は少し緩やかなドーム型丘状をしているのですが、実はその公園の地下には、「パリカバザール」という巨大地下商店街が広がっているのです。

ではさっそくそこに入ってみましょう。

入り口は何箇所かありますが、どの入り口にも警備員がおり、金属探知機のフレームを通り抜けなければいけないことになっています。
それほどテロなどの事態を警戒しているのでしょうが、不思議なことに同じ中身のカバンであっても、入り口によって金属探知機が鳴ったり鳴らなかったりするのです。そんなんで本当に大丈夫なんでしょうか?

無事金属探知機をパスし、バッグの中を検めさせられると、いよいよ内部に潜入できます。

階段を一歩ずつ確実に踏みしめて下りましょう。
なぜなら内部はちょっと薄暗く、外の強烈な陽光に慣れた眼にはちょっと暗すぎるのです。加えてコンクリートの階段は、よく歩きこまれているので角が丸くなっており、足を踏み外して転んでしまっても怪我が最小限で済むようになっているのです。でもなるべく転ばない方がいいでしょう。

下まで降りますとさっそくいろんな方向から声がかかってきます。
周りの商店からのお誘いのお言葉です。

でもすぐに交渉に入らないで、まずはぐるっと見て歩くのがいいでしょう。

この地下街もロータリー形式の造りになっており、しかもそれが二重になっていたり枝道があったりと複雑で、私は何度行ってもその構造が正確に把握できません。

間口一間ほどの小さな店が通路の両側にびっしりと並び、そこにたくさんの商品が吊るされ、さらには売り子のあんちゃんが2~3人張り付いているという中に踏み込むのは、なにやら「魔窟探検」のようで恐怖心と好奇心の混ざり合った不思議な興奮を覚えます。

では、いよいよ入ります。

おっと、前の男が私の顔を指差しました。
と思ったら、サッと商品の方に視線を誘導したぞ。
あっ、ついつい見ちゃった!バッグだバッグ!そんなもん買わん買わん!

あっ、今度は右側から来た。
もうその手には乗らない・・・

あっあぁ~・・・また見ちゃった・・・今度はショールだ・・・

そんないつもながらの「あっち向いてホイ!」作戦にまんまとひっかかりながら先に進むと、今度はベルトのバックルを視線の先に持ってこられたぞ。
そんなの卑怯だぞ。商品からかってに私の視界に飛び込んで来るなんて!

あっ、なにか聞こえる・・・なんだろう?あの呪文のような低い声は。

「ディービーディー、カルホナホ、ハムトゥム、カビクシ・・・」

実はこの呪文はDVDなどを扱う店のもので、とにかく人気のある映画の題名を羅列しているのです。
そしてその中のひとつにでも客が反応したら、すかさずその商品を見せたり値段を言ったりするわけです。

この「呪文もごもご」方式は他の商品を扱う店でも同じで、それぞれの取扱商品名をつぶやき続け、客の反応を観察しているのです。

そしてこの方法は、ウェッブサイトなどで検索ワードをたくさんちりばめる方法と同じなのであります。

なるほど。
さすがハイテク産業隆盛なインドならではの方法ではないですか。

さあ、ここまでできれば後は一人で歩けます。
交渉次第ではお得な買い物ができるかもしれません。

懐中物には充分お気をつけになられ、魔窟探検をお楽しみ下さい。

では、また明日!

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