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2010年インドの旅・実録編:第24回 ムンバイ

         
  • 公開日:2012年10月12日
  • 最終更新日:2022年6月10日
〔当時のメモより〕
*金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。

2012年3月29日(月) ムンバイ 晴 日中30℃

3時頃公園を出てバスに乗る。
CST駅までRs.6

運転手のすぐ後ろの席に座るが前が良く見えない。

その代り運転手の動作が良く見える。
グーグーという音がよく聞こえるので不思議に思っていると、ゴム玉ラッパを鳴らす音だった。
どうやらこのバスは電気式のクラクションではなく、ラッパが警笛になっているらしい。
なので運転手は左手はハンドルとチェンジレバー、右手はハンドルとゴム玉ラッパと忙しい。
その上ゴム玉ラッパを鳴らすには結構握力が必要なのでかなりの重労働だと思われる。
ラッパは時折グーグー鳴らずにうわずった音になり、まるで疲労困憊のゾウがあえいでいるようでちょっと悲しかった。

CST駅は終着点ではないようで、運転手が「ここで降りろ」と教えてくれた。

かなり疲れていたが、ホテルには戻らず絵ハガキを探してインド門まで行く。
途中でオレンジジュースを飲む。Rs.18

インド門前は今日も大勢の人がいて、それを目当ての物売りもたくさんいたが、なぜか絵ハガキ売りは一人もいない。しかも物売りが誰も自分には寄って来ない。

仕方がないのでタージ・マハル・ホテルの本屋で買う。4枚でなんとRs.60もした。高!

ホテルの入口を写真に撮ろうとしたがガードマンに止められた。やはりテロの影響だろう。

途中でまたオレンジジュースを飲む。Rs.23

いつもの店でコーラとポテトチップを買う。Rs.34

ホテルに到着してホッとしたと思ったら、エレベーターが使用中止のため6階の部屋まで階段で登らなければならなかった。かなりきつかった。

コーラとポテトチップを食べ、シャワーに入る。

日記と絵ハガキを書いていたら10時になってしまった。
今日はかなり歩いたので足が少しだるい。

【以下の解説は2012年10月12日のものです】

〔以下メモに解説を加えて〕

2012年3月29日(月) ムンバイ 晴 日中30℃

3時頃公園を出てバスに乗る。 CST駅までRs.6

観光客の少ないアーマダバードと違い、ここはインド随一の商都とあって英語を話す人も多い。もっともバスに乗るくらいなら英語の能力はほとんど関係なく、バカの一つ覚えのように目的地を連呼するだけでいい。この時も「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス・ステーション!」と何度も何度も叫び続けながらバスに乗り込んだ。お蔭でこの長い名前をすんなり言えるようになった。
ムンバイのバス停

運転手のすぐ後ろの席に座るが前が良く見えない。

せっかくの特等席なのに、仕切りの金網と運転手の背中が大きくて前がよく見えなかった。もう少しスレンダーで小柄な運転手だったらよかったのに。
ムンバイのバスの運転席

その代り運転手の動作が良く見える。 グーグーという音がよく聞こえるので不思議に思っていると、ゴム玉ラッパを鳴らす音だった。 どうやらこのバスは電気式のクラクションではなく、ラッパが警笛になっているらしい。 なので運転手は左手はハンドルとチェンジレバー、右手はハンドルとゴム玉ラッパと忙しい。 その上ゴム玉ラッパを鳴らすには結構握力が必要なのでかなりの重労働だと思われる。 ラッパは時折グーグー鳴らずにうわずった音になり、まるで疲労困憊のゾウがあえいでいるようでちょっと悲しかった。

「グーグー」という擬音の表記はちょっと正確ではなく、実際はひとつずつ独立していてもっと間延びしている。「ぐぅ~・・・・ぐぅ~・・・」といった感じか。本当に最初は何の音だかわからず、車体のどこかが軋んで出ている音かと思っていたが、そのうちこれが運転手の鳴らすゴム玉ラッパの音だと気づいた。ゴム玉ラッパといえば手で持てるくらいの小さなものしか知らず、それは結構甲高い音で「パホッ!パホッ!」と鳴るイメージだったが、バスのラッパは運転手の横の位置にゴム玉があり、ラッパの先はそこから床を貫いたずっと下の方に延びているらしく、その分音が低くなるようである。そんな長いラッパを、他の車や歩行者に聞こえるような音で鳴らすには、さぞかし力とコツがいることであろう。ムンバイのバスの運転手は、スレンダーで小柄な体では務まらないのかもしれない。もう前なんか見えなくてもいいと思った。
ムンバイのバスの運転席

CST駅は終着点ではないようで、運転手が「ここで降りろ」と教えてくれた。

壮麗なゴシック様式の駅舎を左に回り込むとバスターミナルがあるので、てっきりこのバスもそこに入るのかと思っていたら、いきなり駅の西側の道路端で降ろされた。
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅

かなり疲れていたが、ホテルには戻らず絵ハガキを探してインド門まで行く。 途中でオレンジジュースを飲む。Rs.18

滞在する各町から絵ハガキを出すというのも、この旅のひとつの楽しみであるのだが、意外と絵ハガキが簡単に手に入らない。まあ確かに日本でも普通の町の普通の商店には絵ハガキなんか置いてないだろう。しかしここは天下のムンバイである、絵ハガキくらいそこら中にあるだろうと思っていたのだが、インド門へ向かう道沿いの本屋や露店に聞きまくったがどこにも売っておらず、とうとうインド門まで行ってしまった。 途中でオレンジジュースを飲んだが、ムンバイはジュースの値段も高い。
ムンバイのジュース屋

インド門前は今日も大勢の人がいて、それを目当ての物売りもたくさんいたが、なぜか絵ハガキ売りは一人もいない。しかも物売りが誰も自分には寄って来ない。

いつもならうるさいくらいに寄って来る物売りだが、こういう時に限って一人も寄って来ない。彼らもやはり人間なので、目を異様にギラギラさせながら物売りを睨み回しているやつに近づこうとは思わないのだろう。とかく定価のあいまいなインドに於いては、需要曲線と供給曲線の交わるところで価格が決まりがちなので、あまりこちらから「絵ハガキが欲しい」などと切り出したくないのだが、しびれを切らしてそこらの物売りを捕まえて「絵ハガキを売ってるやつはいないか?」と聞いてみた。するとそいつはちょっとあたりを見回すと、「いないな」と一言そっけなく言うだけなのでる。こうした手売りの物売りは互助精神に富んでいて、自分の担当以外の商品を欲しがる客が現れると、すぐに担当者を呼んで来るか自分でその商品を持って来るかするのである。それなのにこの時の私は、物売りたちから総スカンを喰ったような感じであった。
インド門前に群がる物売りたち

仕方がないのでタージ・マハル・ホテルの本屋で買う。4枚でなんとRs.60もした。高!

「タージ・マハル・ホテル」とはインド門のすぐ前に聳える超高級ホテル。このホテルに泊まりたいがためにムンバイを訪れる人もいるほどのホテルであるため、炎天下を一日歩き回って汗みずくのTシャツ姿の私は、ちょっと入るのがはばかられるのである。しかしそこは一応インドでは外国人の私、入り口に立つガードマンになんら咎められることなく入ることができた。しかしこうした高級ホテルは絵ハガキ一枚取ってもバカ高く、やはり私のような者の入るところではないのである。
ムンバイ、タージ・マハル・ホテル内のお店

ホテルの入口を写真に撮ろうとしたがガードマンに止められた。やはりテロの影響だろう。

このホテルもまた2008年11月の同時多発テロの標的となった。この時もまだ旧館の玄関は閉ざされ、ショウウインドウのような大窓もベニヤ板でふさがれていたりした。それでも何かの国際会議がこのホテルで開催されているようで、ガードマンの警備もより一層厳しかったようだった。
ムンバイ、タージ・マハル・ホテルの入り口

途中でまたオレンジジュースを飲む。Rs.23

今度は往きとは違うジュース屋で飲んでみた。こちらは先ほどの店よりさらに5ルピー高かった。両者は同じ道沿いに店を構えていて、その距離も100mと離れていないと思われるのだが、なぜか帰りに飲んだ値段の高いお店は常に客がいて、安い方は暇そうにしているのである。いったいその5ルピーの差を逆転させる要因はなんなのだろう。
ムンバイのジュース屋

いつもの店でコーラとポテトチップを買う。Rs.34

まだ滞在二日目なのにもう「いつもの店」とか言ってしまっている。でも本当に見知らぬ街で、相手がたとえ店員であっても、こちらの顔を覚えてくれるというのは嬉しいものなのだ。なんだかちょっと「居場所ができた」ように思えるのである。

ホテルに到着してホッとしたと思ったら、エレベーターが使用中止のため6階の部屋まで階段で登らなければならなかった。かなりきつかった。

このホテルはそもそもフロントが二階なので、エレベーターが動いていても一階分は上らなければならない。しかしそこまで上がればあとはエレベーターで・・・と思っていた身にこの仕打ちはきつい。

コーラとポテトチップを食べ、シャワーに入る。

今夜の夕食はポテトチップである。つまり朝はオムレツとトースト、昼にシシカバブとローティー(各2)、そして夜がポテトチップということになる。これで今日は玉子も食べたし肉も食べ、付け合せの野菜も食べたし野菜から作られたポテトチップも食べた。なので食事のバランスは大丈夫だろう。

日記と絵ハガキを書いていたら10時になってしまった。 今日はかなり歩いたので足が少しだるい。

日記とはここに載せているメモのこと。現場では本当のメモ書きだけのことも多く、休憩をした時や一日の終わりにそれを元にまとめるのである。その他にも家計簿もつけ絵ハガキも書くので夜はなかなか忙しい。毎晩睡魔と闘いながら、黙々と作業は続けられるのである。
ムンバイのホテルの部屋にて

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木彫りのガネーシャ