インド:最果ての町ジャイサルメールの旅・その50

腐っても鯛、廃れてもお城、というわけで、入り口の門はなかなか大きく立派でちょっと威圧的でもありました。
インド・バルメールの旅しかし壁の白い塗装がいかにも間に合わせの素人仕事といった感じで、下手に手を入れたことが返って没落気味を浮き彫りにしてしまっているかのような印象でした。

いくら観光客の少ないバルメールでも、何度もこの城へ客を案内したであろうガイドは、勝手知ったるといった風に城の中に向かって声を掛けました。おそらく「客人を連れて来たぞぉ~!入ってもいいかぁ~!」みたいなことを言ったのでしょう。
すると門の上あたりの出窓に年配の女性がちらっと姿を見せ、なにやら返事を返して来ました。

ガイドの話では、この城の主は今ジャイプールへ行っていて不在だが、中を見ることは可能だとのことでした。

門を入るとそこは中庭になっていましたが、外観と同様に内部もくたびれ果てた様子がありありと伺え、いったいここで何を見たらいいのかがわかりません。
しかしそういう時のためのガイドなわけです。

インド・バルメールの旅するとガイドは私たちを庭の隅の納屋に連れて行き、天井を指差し「この梁は石製でしょうか?それとも木製でしょうか?」と聞いて来ました。このガイドは、観光客がより興味深く見学できるようクイズも用意していたようです。なかなか感心です。
私はほぼ迷わず「木製」と答えました。するとガイドはちょっとがっかりしたように「そうです・・・」と言うと、そこで会話が途切れてしまいました。どうやらガイドは「石製」という答えを期待していたようなのです。でもどう見たって木だしなあ~。だけどもしかしたら砂漠地帯のこの街では、こういう太い木というものが珍しいのかもね。でも日本人には木以外の何物にも思えないしなあ~

とにかくこの城は規模も小さく、また元々の造りも豪華絢爛というほどでもなく、加えて維持管理が悪いとあって、わざわざ来て見るほどのものではないようです。
いわばジャイサルメールの城塞やハーヴェリーが、最盛期の光を失ってもなお鈍く光り続けるいぶし銀だとしたら、この城は完全に真っ黒になってしまい、銀であるということすら気づかれない状態と言えるかもしれません。

それでもガイドは少し自慢げに、さらに城の奥へと私たちを案内するのでありました。

*情報はすべて2010年3月時点のものです。

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インドのショール