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2010年ジャイサルメールの旅・その5

         
  • 公開日:2011年9月30日
  • 最終更新日:2022年6月11日

インド人のシニアグループは、こちらの「まだ酒宴は始まんないのかよ」といういら立ちを知ってか知らずか長々と食事を続けておりました。

しかし止まない雨がないように、いつまでも食い続ける夕食もないのです。

そしてついに、その瞬間がやって来たのであります。

はい、これなーんだ?そう、ウイスキーの水割りです。

実はこれはおかわりの水割りで、初めは紙コップに入ったハイボールをもらったのです。
私はこれでもとても常識のある人間で、ついさっき会ったばかりの人に何杯もお酒をもらおうなんてことは、心の中で期待はしても決して顔には出したりせず、与えられただけの分量を、ものすご~くゆっくり、その一滴一滴をいとおしむように、全身全霊をかけて味わっていたのですが、途中で紙コップがぐにゃぐにゃになってしまい、そこから慌ててピッチをあげて飲んだのでありました。
そしたら今度は小さなミネラルウォーターのボトルに入れた水割りをくれたのです。
そしてそれも半分ほど飲むと、「もっと飲むか?」と継ぎ足してくれたりしたのであります。なんていい人たちなんでしょう。

しかしまあ、私はまさかインドの列車の中でお酒を飲むことになるなんて、本当に思ってもいませんでした。
そりゃあ完全個室のコンパートメントでなら多少飲んでも大丈夫だと思いますが、ここは仕切りにカーテンがあるくらいの二等寝台車で、しかもエアコン付なので空気の入れ替わりも少なく、こんなところでお酒を飲んだら、あたりに匂いがぷんぷん漂ってしまうわけです。インドでは宗教的な理由などでお酒に近寄ることさえ忌み嫌う人もいますので、下手をしたら大問題を引き起こす可能性だってあると思うのです。
そんなことから私はかつて一度たりともインドの列車で酒を飲んだことはありませんし、持ち込んだことすらありません。ましてや車内で密造酒を作ったこともありませんので、いわば「非酒三原則」順守の姿勢を貫いて来たのです。

それが今回は思いがけずお酒にありつくことができたのです。
しかも周りとのトラブルを気にして飲むこともなく、総勢24名のインド人シニアグループの鉄壁の守りの中、心の底から安心して飲め、なんだか普段より酔いのスピードと深さが違うような気さえしました。

実に楽しいじゃあないですか!ビバ!インディア!

さあ、今夜は徹底的に飲みましょう!

と思ったのは私だけだったようで、あちら様は10時半を回った時点でさっさと酒宴を切り上げ、就寝の準備に入ってしまったのでありました。

う~ん・・・まさか列車で酒が飲めるとは思っていなかったのですが、飲んだら飲んだでもっと飲みたくなるのが人情ってもんなんですけどねえ・・・

みんな大人だなあ。

*情報はすべて2010年3月時点のものです。

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インドの伝統工芸細密画