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ぜひまた来て下さいとパテルは言った:ジャグダルプル

         
  • 公開日:2011年4月8日
  • 最終更新日:2022年6月6日

ジャグダルプルでの活動の最後としてわれわれが向かったのは、すっかり気に入ってしまったハート(市場)でした。

この日のハートはジャグダルプルからダンテワラ方面へ18kmほど行った、トカパルというところで開かれているものでしたが、ダンテワラと言えばほんの一ヶ月ほど前、ゲリラの急襲で守備隊員が70名以上も殺されてしまったところですので、正直私は内心少々びびっておりました。しかし一旦ハートの中に分け入り、にぎやかな物売りの声と楽しそうな人々の顔に包まれますと、そんな不安などすぐにどこかへ消え去って行きます。
またハートを見るのはここで3度目ということと、ジャグダルプルでの目的をほぼすべて果たしたという安堵感もあって、今までで一番ゆったりとした気持ちで見学ができ、心の底から楽しむことができました。

で、そんなハートの一番の楽しみと言えばやはりこれに尽きるわけです。

はい、自家製のお酒ですね。初回の失敗からこの日はお金を出さず、もっぱら「利き酒」名目のタダ酒を何杯か頂き、ほろ酔い気分になって会話も弾み(もちろんパテルを通してですが)、本当に楽しいひと時を過ごさせて頂きました。

酒売りのマリヤ、ムリヤ、ゴンディ、ソーリーの各部族の人たち、誠にありがとうございました。もう明日はここを離れるのかと、ちょっと名残惜しい気持ちでハートのあちこちを見学しておりますと、夏の強い日差しからちょっと危なくなった頭髪(まあそれは私も同じようなものですが)を守るようにして変なほっかむりをしたパテルが、「今度は秋に来るといいです」と言いました。
私が「なんで秋なんだ?」と聞くと、「秋にはお祭りがあって、その時はたくさん踊りやお芝居が行われすごくにぎやかなのです。だからぜひまた秋に来て下さい」と言って、パテルはほっかむりの中からにっこり笑いかけて来ました。

思えばパテルには初日から怒りを爆発させ、ずいぶんひどいことも言いましたが、それがあったからこそその後のパテルの活躍があったわけで、結果的にはガイドブックで紹介されるほどの「傑出したガイド」主導で行われる見学より、ある意味印象深く有意義なジャグダルプル滞在になりました。ありがとう、パテル。

またそんなパテルを助けるようにして、よく感を働かせて何度も窮地(パテルのね)を救ってくれたドライバー氏にも、心から感謝申し上げる次第であります。ありがとうございました。すぐにまた便利で快適な生活に戻って行く私が言うのは実に身勝手だということは重々承知しておりますが、この地の豊かで美しい自然がいつまでも保たれ、ここに暮らす先住民のみなさまと、パテルやドライバー氏のような人たちが、いつまでも純朴さを失わずにいてくれたらと、心の底から願わずにはいられない私なのでありました。

本当に本当に、ありがとうございました!

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インドの南京錠