2016年グジャラート再訪・第43回 / ジャムナガルからブジへ

昨日バススタンドで調べたところ、ブジ行のバスは6時30分発とのことだったので、5時45分に宿を出た。

宿のロビーにはオーナーのおっさん自らが毛布にくるまり寝ていたが、近づくと目を覚ましたので部屋の鍵を手渡し礼を言う。
おっさんは起き上がりもせず、軽く片手を上げただけだった。

ジャムナガルはインドの中でも西の端に近い街なので、この時間でもまだまだ暗い。
街灯もほとんどないので、車に轢かれないよう懐中電灯を点けて歩く。

インド、グジャラート州、ジャムナガル

実際はたいした距離ではないのに、人気のない暗い道はとてつもなく長く感じた。

バススタンドはすでにたくさんの人がいたので安心するとともに、もしかしたらこの人たちと座席をめぐるライバルになるのではないかと危惧する。

インフォメーションでブジ行のバス乗り場を尋ねると、すぐ目の前の「3番」だった。ここならバスが入って来た時にインフォメーションの係員に確かめられるので助かる。

インド、グジャラート州、ジャムナガルのバススタンド

さすがにバススタンドには朝早くからたくさんの人がいた。

小さな売店があったので、ポップコーンとピーナッツを買う。
それぞれ10ルピー(約16円)だったが、ポケットの1ルピーや2ルピーのコインをかき集めて売店のじいさんに渡すと、じいさんはそれを確認しようともしないで受け取る。もちろんこちらはちゃんと数えて正しく渡してはいるが、その鷹揚さとこちらを信用しているということに嬉しくなる。
インド、グジャラート州、ジャムナガルのバススタンド

バススタンドの小さな店はインド版キオスクといったところなのだ。

バスが入って来た。
人々はすばやくバスの入り口に殺到し、また出遅れた人は窓から荷物を突っ込みなんとか席を確保しようとしている。
グジャラート語の読めない私はそのバスがどこ行きかがわからず、インフォメーションの係員に確かめると、ブジ行ではないとのこと。あー、よかった。
インド、グジャラート州、ジャムナガルのバススタンド

この光景は何度見ても巨大な獲物に集団で立ち向かう肉食獣のように思えてしまう。草食系男子などはとても入り込む余地はないのだ。

その後もバスが入って来るたびに係員に尋ねるものだから、しまいには係員も部屋から出て来て私と一緒にバスの来るのを待っていてくれた。

ようやくブジ行のバスが入って来た。
幸いにも先ほどのバスのように人々が殺到することもなく、ゆったり落ち着いて乗り込むことができた。

インド、グジャラート州、ジャムナガルのバススタンド

このくらいの乗客数なら草食系男子でも問題ない。

こうした路線バスは座席の間隔が詰まっていて狭いのだが、後ろから二番目の非常口のある席は少し広くなっていて特等席である。
インド、グジャラート州営バス

インド国内線ではシート間隔の広い非常口横の席は特別料金になっているが、路線バスでは同じ料金なのだ。

また左側の席は二人掛けなので、右側の三人席に比べて楽である。
なので私は後ろから二番目の左側の席を確保した。
インド、グジャラート州営バス

足元は広いし食糧はあるし、快適なバス旅が(半分くらい)約束されたようなものである。

乗客も徐々に増え、八分ほど埋まった状態でバスは定刻に発車した。
インド、グジャラート州営バス

もしかしたらスカスカの状態での出発になるのかと思ったが、徐々に乗客が集まり始めた。

バスは街中のバススタンドで乗客を拾いながら進み、幹線道路に出るころにはほぼ満席となった。
インド、グジャラート州営バス

ジャムナガルの街のあちこちで人が乗り込み、ほぼ満席となった。

7時過ぎ、朝日が見え始める。
思えば3年前はこの辺りで突然バスが動かなくなり、修理が終わるのをじっと待ったものだった。
インド、グジャラート州営バス

日の出はどこで見てもすがすがしいものだが、3年前は故障して動かなくなったバスから降りて朝日を眺めたのだった。

また3年前はまだ道路の状態も悪く、あちこちで工事のために地面が掘り起こされており、そんな窪地のひとつを通る際にバスは後部をひどく地面にぶつけ、バンパーがめくれあがってしまったのだった。

しかし今ではしっかり道路が改修されたため、驚くほど早くモルビ(MORBI)のバススタンドに到着した。8時23分だった。
ちなみに前回は6時35分の出発で、途中故障もあり、モルビ到着は9時20分と一時間ほど遅かった。

インド、グジャラート州、モルビのバススタンド

道路の状態が格段に良くなったため、到着時間も大幅に早くなった。

20分ほどの休憩を終え、バスはモルビの街を抜けていく。
これからいよいよカッチ地方に向かう27号線へと入る。
インド、グジャラート州、モルビ

踏切は渋滞のネックとなるが、列車本数が少ないので「開かずの踏切」とはならないようである。

カッチ湾の最深部では塩作りが盛んで、大規模な塩田が整然と並ぶ。
塩田はブルーに見えるものもあれば赤っぽく見えるものもある。塩分濃度の違いでそう見えるのだろうか。
インド、グジャラート州、小カッチ湿原の塩田

塩田も以前より整備されきれいになったように思える。

27号線も片側三車線の立派な道路になっていて、バスは快調に走る。
インド、グジャラート州、27号線

グジャラート州は道路網がどんどん整備されていっている。

10時40分、バチャウ(BHACHAU)到着。
ここでまた20分の休憩に入るが、外に出ているうちに席が取られてしまうのを恐れ、座ったまま出発を待つ。
インド、グジャラート州、バチャウのバススタンド

外に出て手足を伸ばしたいところだが、席がなくなると困るのでじっと我慢なのだ。

11時45分、ガンディーダム(GANDHIDHAM)通過。
ここは材木の集積地のようで、あちこちに材木置き場があり、また材木を満載したトレーラなどもよく見かける。近くを通るときにはバスの中でも、ホームセンターの材木売り場のような匂いがする。

バスはここからブジに向け内陸へと入って行く。

インド、グジャラート州、ガンディーダム

この材木は日本にも輸出されているのだろうか。

11時56分、アディプール(ADIPUR)到着。
インド、グジャラート州、アディプールのバススタンド

幹線道路から外れ、この辺りからぐっとローカル色が強くなる。

ここからブジまでは道路と線路が並行して走るが、何度か両者が交差することになる。
インド、グジャラート州、踏切

踏切で待たされるのはあまりありがたくないが、列車と遭遇するのはレアケースだと思えばこれも悪くない。

12時19分、アンジャール(ANJAR)到着。
ここはブジ手前の最後の大きな町らしく、この辺りでだいぶ乗客が少なくなる。
インド、グジャラート州、アンジャールのバススタンド

ここまで来ればもうブジも近い。

内陸に入って道が悪くなるが、それでもあちこちで改修工事が進められている。
ここでは跨線橋の建設が進められており、近い将来踏切待ちもなく陸送のスピードアップが実現するであろう。
インド、グジャラート州、ブジ近郊

近い将来バスもぐっとスピードアップすることだろう。

車内はかなりガラガラで、辺りの風景ものどかなものとなり、いよいよブジも目の前である。
インド、グジャラート州営の路線バス

さすがに乗客が少なくなってきた。

ブジは人口20万超の地方都市なので、街はそこそこ大きく賑やかである。
バススタンドはそんなブジの中心部にあり、州営バスならそこまで行けるのでとても便利である。
一方民営のバスでは街の外れで降ろされてしまうため、特に土地勘がないとオートリキシャなどのお世話になることになり面倒なのだ。
インド、グジャラート州、ブジ

バスはついに賑やかなブジの街中に入った。

13時30分、ついにブジのバススタンドに到着した。
約300kmの道のりを7時間ジャストで走ったことになるが、前回の所要時間8時間半と比較すると、スピードアップの主な要因はジャムナガル‐モルビ間のマイナス1時間と、道が格段に良くなったモルビ-ガンディーダム間ということになるのだろう。そして今後ブジ近郊の道が整備され、さらに所要時間が縮まるのは自明の理なのである。

とにかく無事にブジまで(決してシャレではないぞよ)連れて来てくれたバスの乗務員に心からのお礼を言い、バスを降りたのであった。

インド、グジャラート州、ブジのバススタンド

始発のジャムナガルからずっと乗ってきた人はほとんどいないのだろうが、ここで一緒に降りる人たちは同志のように思える。

*情報はすべて2016年11月時点のものです。

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