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インド :まったくなんでこうなっちゃうかなあ・インド的混沌の象徴

         
  • 公開日:2006年12月17日
  • 最終更新日:2022年6月24日

インドの渋滞というのは日本のそれとはまったく違い、ルール無用の壮絶ねじ込み式飛んで火に入る夏の虫的渋滞です。

ここはオールドデリー、ジャマーマスジッドの西側の道路です。私はこれからジャマーマスジッドの背後に広がる商業エリアに行くところで、サイクルリキシャに乗っております。そこに見えるきたない背中は、リキシャワーラー(車夫)というわけなのです。

で、見て下さい、この混雑、さっきからまったく動かないのですよ。

このサイクルリキシャの左前にはオートリキシャがいます。その前には荷車がいます。その横はトラックです。さらにその前には乗用車が何台か見えます。はるか向こうからは大型バスがこちらに向かって走って来ま・・・いえ、来ようとして動かなくなり止まっております。そしてそんな比較的大きな乗り物の間には、自転車やバイク、人や動物などがまんべんなく埋め込まれておりまして、もうそれだけでも充分「混沌」なわけですよ。
なのにインド人たら、そんな混沌の中にもわずかな隙間を見つけ出し、そこにクサビを打ち込むような感じで突入して行ってしまうのです。まるで刺し網にかかる魚のようにです。インド人は「隙間」というものに何か恨みでもあるのでしょうか?昔スキを衝かれて植民地にされてしまったので、そういうスキを与えるなと学校できつく教えられてでもいるのでしょうか?
とにかくそういうことをするので、渋滞はますますひどくなり、身動きのできない状態が固定化されてしまうのです。初めからちゃんと並んで順番に進んだ方が結果的には早いのではないかと思うのですが、インド人にとってはどうしてもそれはできない相談のようです。

そんな一見ムチャクチャなインドではあるのですが、いつも私が感心してしまうのは、こんなどうしょもない状態になってしまっても、そのうち必ず前に進みだすということです。そしてそれは、混沌を抱えながらも前進する、インドという国を象徴することのように感じるのであります。

あゝ、インドって、本当に不思議だなあ。