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とにかく今をしっかり生きよう:インドのバイク型三輪車

         
  • 公開日:2017年10月25日
  • 最終更新日:2022年7月5日

グジャラートに行くと、こうした乗り物をよく見かける。

インドのバイク型三輪トラック

グジャラートではこうしたタイプの貨物車が活躍している。

オートバイの後ろに荷台を取り付けたものなので、ここでは「バイク型三輪」と呼ばせていただくが、バイクの「バイ」は二つという意味なのでちょっと変と言えば変なのだ。かといって「トライク」ではイメージが違い過ぎる。とにかくそこにこだわっていると先に進めないので、気にしないで話を進める。

さて、この乗り物は見ての通り貨物用である。
ここは街中なので袋に入った商品を積んでいるが、農村部では畑の収穫物を山積みにして走っていたりする。そういう姿を見ると、こいつは耕運機のようにも見える。

インドのバイク型三輪トラック

毎日様々な荷物がこれに積まれ、どこかへ運ばれて行く。

あくまでもこれは実用車であるので、たいていはあまりきれいではない。
しかし中には愛車をきれいに飾り付けている、グジャラート版トラック野郎もいる。

インドのバイク型三輪トラック

大切な愛車をきれいに飾りたいというのは万国共通の思いなのだ。

でも貼り付けられている絵は神様のようで、さすがに八代亜紀や工藤静香はないようだ。

インドのバイク型三輪トラック

やはりピカピカ光るパーツは飾りつけのマストアイテムなのだろう。

また、エンジンには「 ROYAL ENFIELD(ロイヤル・エンフィールド)」のロゴが付いている。

インドのバイク型三輪トラックのエンジン

エンジンはロイヤル・エンフィールドというロゴが付けられている。同じエンジンがオートバイにも使われているのか。

ロイヤル・エンフィールドはもともとイギリスの会社であり、20世紀初頭にはもうオートバイの生産を始めていたそうである。
しかしその後、幾多の紆余曲折の果てにイギリスの会社はなくなり、現在はインドで生産され続けているというオートバイである。

インドのバイク、ロイヤル・エンフィールド

これはオートバイの写真である。ロイヤル・エンフィールドのバイクはクラッシックで実にかっこいいのだ。

もしかしたらバイクに搭載しているのと同じタイプのエンジンなのかもしれないが、バイクのものとは決定的に違うのがスターターである。
見るとキック式のスターターも付いているようだが、なんといってもむき出しのプーリー(滑車)が目につく。

インドのバイク型三輪トラックのエンジン

エンジンをスタートさせるプーリーが懐かしい。

そう、このプーリーに紐を巻き付け、勢いよく紐を引っ張ることでエンジンをかけるのである。
日本でも自家発電機やチェーンソーなどで同じ仕組みのスターターが使われているが、それは紐が巻き取られるリコイル式というものである。その点こちらは昔懐かしいロープスターターで、ここだけみるとやはり耕運機のようなのである。

先にも述べたように、これはあくまでも貨物用の車である。
しかしそこはインド、人も乗ってしまう。まあ日本でも昔は刈り取った稲を耕運機に満載し、その上に人が乗るなんていうのはごく当たり前の光景だった。

で、これはジュナーガルの観光名所、ウパルコート砦のそばに停まっていたバイク式三輪である。こいつは先ほどこの荷台に観光客を満載して坂を上って来たのである。
そして今は荷台の頭上に作られた仮設網棚に置かれた荷物を、運転手が見張りながら客の帰りを待っているというわけである。

インドのバイク型三輪貨物

運転手のおっさんは乗客の大切な荷物も守る。

そんな風に貨物用に、そして乗用にと大活躍のバイク型三輪であるが、どうもその栄光にも暗い影が忍び寄って来ているようなのだ。

下の写真は三年前(2013年)のウパルコート前のものであるが、当時はここに観光客を乗せて来たバイク型三輪がたくさん停まっていた。

インドのバイク型三輪貨物

3年前はバイク型三輪貨物も乗客をたくさん運んでいた。

ところが2016年に行った時には、バイク型三輪の姿は一台もなく、オートリキシャがたくさん停まっているだけだった。

インドのバイク型三輪貨物

オートリキシャもバイク型三輪と比べるとモダンに見える。

これはもしかしたら何らかの法的規制ができたか、または庶民の生活向上に伴う「荷台に乗るのはいやだよお」気運の高まりによるものに違いない。
まあいずれにしても、バイク型三輪の乗り合い仕様は、オートリキシャに押されて次第に姿を消しているようである。

しかし所詮この世は無常、栄枯盛衰である。
そのオートリキシャもデリーでは徐々に電動式の新型車に置き換えられつつある。

こうしてだんだんインドならではの面白いものが無くなって行ってしまうが、まあそれが時の流れというものなのだろう。

追うものも、いつかは追われるものになる。 なのだ。

インドのマフラー